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ブラン達は、ひとまず湯〜ゲルンを目指し、雪の降る温泉街をひた走った。
何より他の入居者や職員の安否が気になるところだったし、もし全員が無事であれば、今後の行動を決めねばならなかった。
街にはすでに雪が積もりはじめ、徐々に白さが増す景色のなかで、道路脇や店の軒先には、逃げ遅れ氷狼の犠牲になったでのであろう、赤い塊と化した「かつては人であったもの」が点在していた。
しかし、それらもそう長くないうちに、白い世界の中に飲み込まれてしまうだろう。
つい数刻前までは、活気にあふれていたであろうニーゲルンのメインストリートは、文字通り人っ子ひとりいないゴーストタウンへと変わり果てていた。
おそらく、あの短時間で里から脱出する余裕などはなかったであろうから、住民達は固く閉ざした扉の中で息をひそめているのだろう。
ブラン達が、湯〜ゲルンの駐車場につくまで、二度にわたる氷狼の襲撃があったが、幸いどちらも相手が単体だったため、ブン・ラッハの火の精霊の力で、どうにか撃退することができた。
「ああっ!!」
しかし、ようやく駐車場についた一行から最初に出た声は、ミミの悲鳴であった。
湯〜ゲルンの駐車場には、ゆうに10匹を超える氷狼達がうろついていたのだ!!
「どうしましょう」
思わずブランが問いかけると、アリッサは彼の肩からひょいっと降り、不敵な微笑みを浮かべた。
「仕方ない、正面突破するしかないだろ」




