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駐車場の氷狼達は、すでにアリッサ達に気づいており、じりじりと半円を小さくするように、獲物との距離をつめていた。
「あそこだ」
アリッサがあごで示した方向は、なるほど氷狼達の布陣が、もっとも手薄であった。
彼女は、ブランとミミに手早く指示をくだした。
「あんたたちは、合図をしたら、あそこを通って入口まで全力で走るんだ。ブン・ラッハ」
『ああ』
「あたしは右、あんたは左だ」
『わかった』
やりとりが終わるやいなや、アリッサは印を切りはじめる。
『グォォッ!!』
たちまち、先ほどアリッサが示したルートの右手に炎の渦が巻き起こり、狼達が悲鳴を上げて飛びのいた。
『ワォォッ!!』
それとほぼ同時に、左手には例のトカゲが現れ、猛烈な炎を吹き始めた。
「今だよ!!」
アリッサの合図で、三人は、炎の壁に挟まれた道を必死で駆け抜けた!!
しかし、入口まであと少しというところで、両側の炎は完全に消えてしまい、勢いを取り戻した氷狼達が、後ろから猛追をかけてきた!!
「ちっ!!」
ブランの隣をかけるアリッサが青白い顔で舌打ちをする。
もはや、魔力も体力も限界なのだろう。
氷狼の獰猛な声が、三人の耳に不気味なくらい近く聞こえたその時―
ヒュッ―
何かがブランの目の前を飛んで行った。
ドカァァン!!
思わずブランが振り向くと、そこにはバラバラになった木の樽と、おそらくはそれをぶち当てられ、転倒した氷狼が横たわっていた。
「ほれ小僧!!さっさと走らんかぁ!!」
なじみ深い声と共に次の樽が飛び、二番手に来ていた氷狼にこれまた正確にぶち当たった。
「ああっ!!ガンダルガさん!!」
いつの間に来たのか、湯〜ゲルンの入口には、肩に樽を抱えたガンダルガが、ポッテヌとともに立っていた。
「建物の入口に結界が張ってある、今のうち早く中へ!!」
ポッテヌが、こちらへ呼びかける。
氷狼達は、次に飛んで来るであろう樽を警戒し、足を止めていた。
ブランたちが、最後の力を振り絞って湯〜ゲルンの入口へすべり込むと、すかさずガンダルガとポッテヌが、金属の枠がついたガラス製の扉をバタンと閉めた。




