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ヒュゥゥ……



「なんだ??穴から風が」


「うわっ、寒いっ!!」


ロジ・マジのほこらがあった場所にできた穴から、冷たい風が吹き上がりはじめた。

風は強くなったかと思うと、次の瞬間には一気に弱まり、なんとも落ち着かない吹き方であった。


「お前たち!!早くこっちへ!!……ええい、仕方ない!!」


再び、穴の周辺の男達に声をかけたアリッサだったが、もはや効果がないと悟るやいなや、すばやく手を動かし印を切りながら、何やら複雑な呪句を唱え始めた。


「ちょっと君、彼女はいったい何を…」


「しっ!!」


アリッサの様子に気づいたガロンの言葉をブランは遮った。


「今、魔法を使うために集中しています。大きな声を出さない方がいいです」


「魔法!?それじゃ彼女は魔術師なのか」


「そうです。とにかく静かにしていてください」


普段アリッサが魔法を使う時は、指を軽く鳴らすだけである。

今のように複雑な手順を行うのは、彼女が本気の時…つまりは、相当な危険が迫っている時だといえた。


「おっ??」


「風が止んだぞ…」


穴の中から吹いていた風が鳴り止むと同時に、アリッサの術法が完成していた。



ヴヴヴヴヴヴッ



「なっ、なんだ!?」



ガロン村長がうわずった声を上げる。

彼の周囲は、ドーム状に鈍く光っていた。

それはアリッサおなじみの結界であり、ガロンだけでなく、彼の傭兵やミミ、比較的こちら近くにいた労働者達、アリッサ自身とブランの周りにも、無数の光るドームが出現した。


「アリッサさん、大丈夫なんですか??一度にこんな結界を張って」


以前の経験から、ブランはアリッサが無理をしているのではないかと不安になった。


「まあ、楽じゃないのは確かだね」


額に脂汗を浮かべながらアリッサがそうつぶやいた時だった!!



ゴォォォォォッ!!!!



穴の中から一気に冷気が吹き上がった!!


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