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「ああ…」
ミミが悲しそうな声を上げる。
ほこらの屋根と外壁は、すでに屈強な男たちによって打ち壊されていた。
ロジ・マジ像には、その緑色の台座ごと縄がかけられ、今まさに引き倒されようとしていた。
「よし!!そのままだ」
「慎重にやれよ!!」
荒々しい声が飛び交う現場から少し離れた場所では、二人の傭兵を従えたガロン村長が、満足そうにその作業を見ていた。
「お父さん!!」
たまらなくなった様子でミミが、父親の方へかけ出す。
「お父さん!!やっぱりこんなこと…」
ズズーン
その時、大きな音とともにロジ・マジ像と台座が地面の上に倒れた。
「おおっ!?なんだこりゃ」
「台座が…」
現場の男達から驚きの声があがる。
それまできれいな緑色をしていた石の台座は、倒された途端に灰色に変わり、そのまま一気に崩れ落ち、灰の山になってしまった。
「アリッサさんこれは…」
「まだだ、こんなもんじゃ終わんないよ」
ブランの問いにアリッサが険しい顔で答える。
これから何が起こるのか見極めようとしているようだ。
ゴゴゴゴゴゴゴ!!!
「うわぁ!!」
「じ、地震だぁぁ!!」
突如、耳をつんざくような地鳴りとともに地面が激しく揺れはじめた。
「こっ、これは!?」
尻もちをついたガロン村長が、呆然と前方を見つめる。
ゴゴン!!!!
「うわぁ!!」
「穴だ!!急に穴が!!」
「助けてくれぇーー!!」
ほこらのあった場所を中心に地面が崩れ、民家が一軒すっぽり入るくらいの穴ができたため、作業をしていた男達の半数近くがそこに吸い込まれてしまった。
「……止まったか」
アリッサのつぶやき通り、穴ができると同時に地震はピタッとおさまった。
「おいっ!!おおーい!!」
「うわっ!!この穴、底が見えないぞ」
「おいっ!!聞こえるなら返事をしてくれ〜!!」
男達の同僚への呼びかけもむなしく、穴の中からは何のいらえもない。
「いかんな…」
アリッサはそう小さくつぶやいた後、穴の周辺にいる男達に驚くほど大きな声で呼びかけた。
「お前たち、そこは危険だよ!!とっとと離れてこっちに来るんだ!!」
アリッサの呼びかけに、こちらを振り向いた彼らだったが、声の主である老女を見ると、どうしたものかと顔を見合わせてしまった。
その時、低い風のうなりのような音が穴の中から聞こえはじめた!!




