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「お、温泉魔導師…!?」


そこまで、はるか昔の伝説を聞くつもりで耳をかたむけていたブランは、思わず肩をくずしてしまった。


「なんすか、そのご当地キャラみたいなのは〜」


ブランのななめ向かいでフリントもあきれた声を上げる。

いよいよ英雄の登場かと盛り上げておいて「温泉魔導師」と言われれば仕方のない反応だろう。


「キャラじゃない。ロジ・マジは実在した魔導師さ」


そんな空気の中、ブランは、アリッサがカタログから目を離さぬままボソッとつぶやくのを聞いた。フェルナンドもそれに無言でうなづいている。

魔法使いや吟遊詩人の間で「ロジ・マジ」は名の知れた人物なのだろうか。


「さ、それではつづきにいきますよ」


ネルガが幾分あせった口調で話を再開する。目的地につくまでに切りよく話を終えたい様子である。


ヴィシュメイガと氷狼たちによって奇襲を受けたニーゲルンであったが、ロジ・マジとの激闘の末、彼の用いた温泉魔法により、氷狼たちはすべて消滅し、ヴィシュメイガもニーゲルンのはずれに古くからある遺跡「ユガルタの迷宮」の奥深くに封印された。

ロジ・マジ自身もいずこへともなく姿を消し、村には彼が雪妖との戦いでつくりだした巨大な温泉が残されたという。


「その温泉を観光資源にすることによってニーゲルン村は、一大温泉地である『ニーゲルンの里』へと変貌をとげたというわけです」


そうネルガが話をまとめた直後、馬車の両側の景色がひらけ、一行の前にニーゲルンの里がその姿を見せた。


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