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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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99/100

99ー仲がいい?

 俺の肩に乗ったガンちゃんが、当たり前のように言った。


「久しぶりやな、カリーナ様やん」

「ガンちゃん、きおく(記憶)ないって」

「あー、そっか。そうなんか」

「何!? なにかしら!?」


 ほら、カリーナ様が驚いているから自己紹介しな。


「ワイはガンちゃんや。ベルの使い魔やで」

「まあ! なんて可愛いんでしょう!」


 カリーナ様が手をパチンと合わせて目を輝かせている。この反応って前の時と同じだ。嬉しいなぁ。


「まるっきり一緒やん!」

「なー」


 ふふふ、ガンちゃんも言ってる。カリーナ様は前の時も初めてガンちゃんを見た時に、今と同じ反応をしたんだ。

 俺もガンちゃんも、とっても可愛がってくれた。

 だからガンちゃんはカリーナ様のいる領地にお使いに行くと、なかなか帰ってこなかった。きっと、至れり尽くせりだったのだろう。

 記憶はないとしても、同じ反応をしてくれるのはとっても嬉しい。また仲良くできそうに思えるから。


「ゲイブ、使い魔って何なのかしら?」

「大奥様、実はベルは竜族なのですよ。それで使い魔がいるんです」

「まあまあまあ! 竜族なの!? ならドラゴンになれるのかしら?」

「おー、あたぼう」

「何を偉そうに言ってるんだ。まだチビだろう」


 やっぱブレイズ様って、うぜー。


「ちっ」

「だからベル! 舌打ちするなぁッ!」

「ふふふ、仲良しなのね」

「お祖母様! 違います!」


 俺だって、ちげー。ハッ! 俺って気付いてしまった。そうか、そうなのか?

 もしかしてブレイズ様って、俺のことが好きなのか? 好きすぎて、ちょっかい出してしまうみたいな? 拗らせちゃった男子かよ。


「ベル、何を考えているんだ?」

「ブレイズちゃまって、もちかちて、おれがちゅき?」

「なんでだよ! なんでそうなるんだ!」

「うふふ」


 あら、お嬢が笑ってるよ。まるでお花の精霊さんみたいにさ。


「きゃわいぃー♡」

「ベル、心の中が駄々洩れやで」


 だってお嬢が可愛いのだから仕方がない。

 その時俺はカリーナ様に、ガシッと両肩を掴まれた。


「ねえ、ベル。ドラゴンを見てみたいわ」


 キラキラした目で見ている。こういうとこは、少女みたいだ。好奇心旺盛というか、興味津々なんだな。


「いいじょ」

「まだベルは、チビドラゴンだけどな」

「待て、ベル。まだ体力が戻ってないだろう?」

「あ、ちょうらった。ちょっとだけなら、へいき。みてな」


 そう言って、俺はポポンとチビドラゴンになって空を飛んだ。


「キュィーッ!」


 黒い翼をパタパタと動かして、空を飛ぶ。陽の光に漆黒の鱗が輝いている。

 ふふふん、どうよ。かっちょいい俺の姿は。


「まあ! 可愛い! 本当に小さいのね!」

「ベルー! かわいいわー!」


 可愛いじゃねーって。かっこいいと言ってほしい。まあ、確かにまだチビドラゴンだけど。

 皆の頭の上を旋回して元に戻る。


「かっちょいいらろ?」

「ベル、とってもカッコいいわ!」


 ふふふん、やっぱカリーナ様には分かるんだよな。俺のこのかっちょいいドラゴン姿がさ。


「やっぱりチビだな」

「うるちぇー」

「なんだとぉー!」

「あらあら、本当にブレイズとベルは仲良しなのね」

「お祖母様! これのどこをどう見たら仲良しなのですか!」

「そんなところよぅ」


 俺もブレイズ様は遠慮しておく。ブレイズ様じゃなくて、お嬢がいいもん。

 トコトコと、しっかりとお嬢の隣に並ぶ。ちょっと、おすまししちゃったりして。


「ね~、おじょう」

「ベル、かわいかったわ」

「ちょう? もっとおれがげんき(元気)になったら、いっちょ(一緒)()ぼうな」

「ほんとう? たのち(楽し)みにちてるわ」


 ナデナデ。おっと思わずお嬢の頭をナデナデしちゃった。うひょひょ、今日はこっちの手は洗わねー。


「ベル! ネネから離れるんだ!」


 グイッとブレイズ様に引っ張られちゃった。


「ちぇ、ブレイズちゃまって、おじゃまむち()

「ベルー!」


 テッテケテーと逃げる。今日はお嬢をナデナデしちゃったから、ここら辺で許してやろう。


「アハハハ! ベルはホンマにマヌケやなぁ!」

「えー、ガンちゃん」

「けどな、可愛いで! めっちゃ一途やん」

「ふふふん」


 脱線しちゃったけど、カリーナ様は親方が作ったインカムが気に入ったらしい。ずっと手に持って見ている。

 前に親方が、領地で作ったと話していた物とは違うだろう? ずっと使いやすくなっている。


「親方、これって私も欲しいわ。領地で使えるでしょう?」

「大奥様、これはお邸の敷地中限定なんだ。領地内で使えるほどのパワーはないぞ」

「そうなの? それじゃあ駄目よ。ね、あなた」

「お? おう」


 カリーナ様が来てから、借りてきた猫みたいに大人しいフラン爺。

 なのにカリーナ様のそばにくっついてる。好きなんだね。

 フラン爺って、本当は小心者なんじゃないか? 大胆なことをするくせに。


「ちゃんと領地で使えそうなのを作ってあるぜ」

「さすが親方だわ!」


 ちょっと待ってな、と言って親方は作業場へ戻って行った。

 あれだ、前に改良した物だな。領地には魔石が設置してあるのだから、いいよな。

 これでフラン爺は

領地のどこにいても、カリーナ様に呼び戻される運命になる。


「フランじい、がんば」

「ベル、何を言うか」

「カリーナちゃまの、おも()ちゅぼ()


 ちょっと肩を落としている。でも、黙ってウロウロするからだ。それは仕方ない。

 一応、領地の一番偉い人なのだから。なのに、黙ってここまで来てしまうし。そりゃ、カリーナ様に叱られるよ。


お読みいただき有難うございます!

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