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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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98/100

98ー嫉妬かしら?

「ベル! いつまで乗ってるんだぁッ!?」

「うじぇー」

「なんだとぉ!?」

「うふふふ」

「アハハハ」


 こうしてみんな笑っていられると良いのにな。


「あらあら、あれは何なの?」

「大奥様、ベルが考えて親方が作った遊具ですよ」

「まあ、見たことがないわ」


 ブレイズったら何を言ってるの? なんてカリーナ様の声が聞こえてくる。

 な、やっぱブレイズ様ってうるさいんだ。


「うふふ、おにいちゃまったら、ちんぱいちょう(心配性)なのよ」

「あれは、ししゅこん(シスコン)ってんら」

「まあ! ふふふ」

「けろ、おじょうはおれのヨメにちゅる」

「おヨメちゃんなの?」

「おー! ヨメちゃんら!」

「うふふふ」


 本気にしてないな。でも俺は超本気だ。分かるまで言い続けるけど。

 お嬢の笑顔を守りたい。もうあんな思いはさせない。

 だけど今は、お嬢の心を癒すことが最優先だ。親方に作ってもらった物で楽しめるなら良かった。


「ゲイブ、親方も来ているはずなのだけど」

「ええ、来られていますよ。今は作業場にいます」

「あの魔道具を、改良して欲しいって言ってあったのだけど」

「改良してますよ」

「まあ! それは嬉しいわ!」


 カリーナ様と親父が俺たちが遊んでいる側で、そんな話をしていた。

 そのそばで、フラン爺が子供みたいに小さくなっている。なのにカリーナ様のそばから離れない。それがちょっぴり可愛く見える。

 カリーナ様が言っている魔道具とは、あの改良した話せる魔道具のことだ。

 魔石を設置しなくても話せるようになったぞ。

 領地なら元々魔石を設置してあるのだから、こっちで使うよりずっと性能は良くなるはずだ。

 そこにお邪魔虫のブレイズ様が突っかかってきた。俺はお嬢と二人でご機嫌にブランコに乗っているというのに。


「ベル! そろそろ交代だ!」

「ええー、いや」

「ずっとネネと一緒に乗っているじゃないか」

「だってブレイズちゃまは下手っぴだから」

「下手っぴて言うんじゃない!」


 本当だもの仕方がない。ブレイズ様ってもっと運動する方がいいよ。将来は魔術師団に入るのだろうけどさ。

 そこに作業場から親方が出てきた。


「なんだ、大奥様も来たのか!」

「親方、改良したのですって? 見せて欲しいわ」

「おう、まあ待ってくれ。先にゲイブ、これを試してくれ」


 お、できたらしいぞ。インカムが。見に行こうぜ。


「おじょう、いこう」

「ええ、こんどは、なにかちら?」

「いんかむらじょ(だぞ)


 ゆっくりとブランコを止めて、お嬢の手を取って降りる。


「こら、ベル! 手を繋ぐんじゃないッ!」

「うじぇー」

「またそんなことを言う!」


 まるで嫉妬しているみたいに見える。もっと大らかになれないかなぁ。


「おにいちゃまも、いっちょ(一緒)にいきまちょう」

「ああ、ネネは良い子だ」


 結局お嬢を真ん中に挟んで、三人で親方のところへ行く。なんだかな、これってちょっと違う。

 ほら、ヴァシリーもクスクスと笑っているじゃないか。

 なんなら、ヴァシリーも俺と手を繋ぐ? いや、それはもっと違う。


「ベル、見てくれ」

「おー」

「あら、どうしてベルなの?」

「大奥様、ベルのアイデアなんだ」

「それは凄いわね。それでこれは何なのかしら?」

「インカムだ」

「い?」

「インカム。ベルがそう言ったんだ」


 そうそう、インカム。マジで、これ今親方が作ったのか?

 親方はどんどん腕を上げてないか? こんな短い時間で作るなんて、しかも俺が適当に描いた絵のまんまじゃないか。


「これを腰に着けるんだ。ここに魔石を入れてある。こっちを耳に掛けて、話してみな」


 俺と親父とがインカムを装着して、テストだ。


「もち~」

「アハハハ。ベル、これも『もし』なのか?」

「おう、てちゅてちゅ(テステス)

「ブハハハ! クリアに聞こえてるぞ」

「ちかいから」

「なるほど、そうだな」


 俺と親父のやり取りを、理解していないのだろう。カリーナ様がキョトンとした顔をして見ている。だから交代だ。


「カリーナちゃま、これちゅけて」

「耳に付けるのね」

「ちょうちょう」


 まあ魔石は、今は手に持っていてもいいか。


「おやじ、ちょっとはなれてちゃべ()ってみて」

「おう」


 親父が裏庭の一番奥にまで移動した。よし、いいぞ~! て手を振ると、親父が何かを話しかける。


「まあ! 聞こえるわ! こんなに小さいのに凄いわね」


 だろう? 親方ったら凄いんだ。


「ベルのアイデアだ!」


 俺か? まあ俺は前世の記憶があるからな。

 だけどいくら俺がこんなのがいいと言っても実現できないと意味がない。それを実際に作ったのは親方だ。

 お嬢が使いたそうな表情をして見ている。お嬢って好奇心旺盛だ。


「おばあちゃま、あたちもはなち(話し)てみたいわ」

「ふふふ、ネネもやってみる?」

「あい!」


 なら相手は俺が……


「ネネの相手は僕だ! ふふふん」


 しまった、ブレイズ様に先を越されてしまった。親父と交代でインカムを手に持ち、少し離れた場所へ移動する。


「もちもち?」


 ひょ~、超可愛い! 『もちもち』だって! そして、ふふふと笑っている。

 まるで花が咲いたみたいだ。お嬢だけ光って見えるのは気のせいか?


「もう黙ってられへんわ。ベル、キモイって」


 ブランコに乗っていたから退屈だったのだろう。いつの間にか俺の亜空間に入っていたガンちゃんがポポンと出てきた。


「え、ええーッ!?」


 まあ、驚くよね。カリーナ様は前の時の記憶がないのだもの。


お読みいただき有難うございます!

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宜しくお願いします。

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