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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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77/100

77ーふざけてねー

「おやかた、おとをのこちぇ(残せ)ない?」

「ピコンか?」

「ちげー」

「アハハハ! あの話せる魔道具の会話をか?」

「ちょうちょう」

「それは無理だな。あれは話すだけの物だ。魔石が足らねーぞ」

「なら、おやかた。これにおと()のこちぇ(残せ)るのか?」

「あんだって?」


 もうじれったいな。今俺が魔力を流している魔道具は、正面にあるものを記録できるのだろう?

 その時に、会話も一緒に記録できないかって聞いてるんだ。


「親方、ベルはそれに会話も残せないかって聞いているんだ」


 そうそう、ブレイズ様さすがだね。伊達にいつも絡んでない。


「会話も一緒にか? 離れた場所に音を飛ばさないといけない訳じゃないから、魔石自体はこれで対応できるだろうが難しいな。回路を組み直さないといけないぞ」


 それは残念だな。証拠を残したかったのだけど。ちょっとダメ元で言ってみよう。


「おやかた、いま()から()よう」

「何言ってんだ!? そんなに急ぐことはないだろう!?」


 それがあるのだよ。今日のお茶会に持って行きたいんだ。

 王子がどんなことをお嬢に言うか、王妃がどんな対応をしてくるのか、残せるのなら残しておきたい。


「ブレイズちゃま、きろく(記録)できたら、ちょうこ(証拠)になる?」

「なんだって? 証拠と言ったか?」

「ちょう、おうじ(王子)おうひ(王妃)が、いったことのちょうこ(証拠)


 ブレイズ様に、今俺が魔力を溜めている魔道具の話をした。

 この正面にあるものを記録する。一緒に話している内容を記録できたらいいなって。それって完璧な証拠にならないか?


「それは良い考えだ。親方、僕も手伝うから今からそれを修復しよう!」

「なんだと!? どういうことだ!?」


 だから話を聞いて読んでくれ。今日のお茶会で、お嬢と王子の会話を記録したいんだって。

 俺がじれったくて口ごもっている間に、ブレイズ様が説明してくれた。

 いいよな、ちゃんとハキハキ喋れる人は。


「お嬢に持たせるのか!? ならこんなゴツイ物は似合わないだろう!? 目立つぞ」

「あーちょっか」


 その上お嬢は話せる魔道具のブローチも付けている。ちょっとそれって目につくぞ。

 目立たないに越したことはないのに。どうしよう?


「ベル、母上だ」

「ちょっか!」


 いや待て、奥様だって話せる魔道具を着けているぞ。それはどうするんだ?


「ネネが魔道具を持っているのだろう? それにベルも持っている。なら母上はこっちの魔道具を持ってもらおう」

「ほうほう、いいのか?」

「僕が話す。僕だってあの魔導具を持ちたいんだ。リアルタイムで何が起きているのか知りたい!」


 じゃあ、頼んでみて。といっても、修復できるか分からないけど。とにかく親方やってみようぜ。

 お、魔石の色が変わってきたぞ。もう少しじゃないかな?


「おやかた、いろ」

「おう、変わってきたか? ならもうすぐだ」


 俺とブレイズ様が今からやろうと言うから、親方は仕方ねーなと言いながら準備してくれた。

 魔道具を作動させるにはまず魔力を流す。

 その魔力が目的通りに作動するように、回路を組む必要がある。

 それって本当は魔道具師の仕事なのだけど、ドワーフの親方ができて良かった。

 何気にとっても頼りになる親方だ。

 お茶会が無事に済んだら、カートを作ってもらって俺の武器も作って欲しいな。

 前の時も親方に作ってもらったし。まだちびっ子だけど、持っていたい。今度こそお嬢を守るために。


「おやかた、もういい」

「おう、じゃあやってみるか!」

「おー」

「親方、ありがとう!」


 作業場に移って、親方は魔道具の魔石をパカッと外した。

 魔石を嵌めてあった台座に、とっても精密で訳の分からない模様が書いてある。これを魔力回路と呼んでいる。前世だとPCの頭みたいなもんだ。

 魔力回路を、専用のペンを使って書いていく。この作業を魔力回路を組むと言っている。

 鍛冶が専門のドワーフの親方が、どうしてこんなことができるのか知らないけど。


「ベル、このペンに魔力を流すんだ」

「わかった」


 これは前にもやった。俺は親方が持っているペンに向けて、短い人差し指を出した。


「ベル、ふざけてんじゃねーぞ」

「ふじゃ()けてねー」

「指一本かよ!」

「いける、らくちょう(楽勝)ら」

「そうかよ」


 はぁーッと呆れたみたいに、親方が大きなため息をついた。

 なんでだよ、俺の人差し指じゃ不満か? 確かに短いけど。


「ベル、そんな問題とちゃうな」


 おや、そうかよ。親方はペンでジジジと回路を書いていく。

 まるで基板のようになっている回路をよく見ると、模様の一部が途切れていたり消えている箇所がある。そこを親方は修復していく。


「これは……なんだ?」

「親方、分からないのか?」

「ブレイズ様、ワシは魔道具専門じゃないからな。見たこともないぞ。だけど待てよ、ここがこうなっているから……」


 親方はブツブツと言いながらペンを動かしていく。

 全く分からない俺からは、迷いなく書いているように見える。親方って天才じゃないか?


「おやかた、てんちゃい」

「ガハハハ! 褒めてもなんも出ねーぞ!」

「ああ、親方! 笑ったら駄目だって! ベルも笑うようなことを言うんじゃない!」


 ふふふ、ブレイズ様に叱られちゃった。

 笑うとこじゃないもん。褒めたのに。それに俺も、一応集中して魔力を流しているんだぞ。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


また地震ですって!

皆様ご無事ですか!?

どうかお気をつけください。

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