表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
76/100

76ー分解はだめ

 しばらく作業場の中をゴソゴソと探していた親方なのだけど。


「おう、あったぞ。これだ」


 親方が出してきたのは、少し大きな楕円形の魔石だった。ガンちゃんのお顔くらいの大きさがある。

 これはペンダントなのか? 存在感のあるチェーンが付いていて、魔石の周りに飾り枠が付いている。楕円形の大きなペンダント型の魔道具だ。

 もうチェーンが錆びているから、かなり前の物かも知れない。


「これに魔力を流すと、魔石の正面にあるものが記録されるんだ」

「ほう、じゅっと?」

「ああ、魔力を流している間ずっとだぞ」

「ちゅごいじゃん!」

「だろう? こんなものよく考えたと思ってな、全部分解して回路を見ようと思ってたんだ」


 待って待って。分解するのは待ってくれ。今日のお茶会に、それを持って行きたいぞ。動作確認はしたのだろう?

 魔力を流している間ずっとか、いいなそれ。俺なら一日中、魔力を流せるぞ。


「ベル、それはやめとき」

「ちょう?」

「そこまでするのは、さすがにやめとき」

「わかっちゃ」


 ガンちゃんに真顔で止められちゃった。一日中、お嬢を撮りたいなんて思ってたから。

 でもこれっていいじゃん。今日のお茶会に使えるぞ。


「な、ガンちゃん」

「ああ、そうやな」

「おやかた、これかち(貸し)て」

「それがな、今は動くかどうか」

「え、なんれ?」


 だって今魔力を流している間ずっとって、言ってたじゃん。


「ワシがちょっと分解しかけたからな」

「なんらよー!」

「ワッハッハッハ! だってこんな珍しいもん、分解したくなるだろうよ!」

「なんねー」


 ガンちゃんはそれを聞いて、お腹を抱えて笑っていた。ああ、俺の夢が。


「おじょうを、ぴこんて」

「ベル、そのピコンってなんだ?」

「おと」

「それは分かってるってんだ! なんでその音なんだって聞いてんだ」

ちゃちん(写真)とるときに、なる(鳴る)おと」

「ガンちゃん、そうなのか?」

「ちゃうって、ベルが勝手にそう思ってるだけやって」

「なんだそりゃ」


 スマホで写真を撮る時に、鳴る音じゃん。

 そんなことはどうでもいい。それより、その魔道具が動くかどうか試してみようぜ。


「おやかた、ためちゅ」

「そうか?」


 親方に貰った魔道具に、そっと魔力を流す。これしかないから、俺も慎重になる。前に一気に魔力を流して魔石を割ってしまったらいけない。

 そうだ、魔眼を使いながら流してみよう。


「おー!」

「ベル、今更なんでびっくりしてんねん」

まがん(魔眼)って、ちょうべんり(超便利)

「ほんま、今更やわ」


 忘れちゃうんだって、この国だとそんなの必要ないから。


「おう、使われへんもんばっかやもんな」

「ちょうちょう」


 俺とガンちゃんの会話内容が理解できないのだろう。親方が側でキョトンとしている。

 魔力を流したらすぐに動くのか? それともある程度魔力を溜めてから流すのか? どっちだ?


「おやかた、これって、ためる?」

「おう、満タンにしないと駄目だぞ」


 やっぱそうか。だってどんどん魔力が入っていくから。

 あんまり一気に流してまた割れたら嫌だからゆっくりと魔力を溜めていく。ちょっと面倒だ。


「ベル、こんなところで何をしているんだ?」


 面倒なブレイズ様が来ちゃった。また何か文句を言われそうだ。


「ベルはお茶会の準備をしなくても良いのか?」

「おれは、おひるね(昼寝)のあと、きが(着替)えるだけ」

「そうか」


 ん? なんだ? いつもより大人しいじゃないか。もっと突っ掛かって来てくれないと調子が狂う。


「ベル、今日は頼んだ」

「おー」


 俺が魔道具に魔力を流しているのを、ブレイズ様が側でじっと見ている。

 どうした? いつもの元気がないぞ。


「ベル、僕は不安なんだ。ネネが辛い思いをしないかと思って」


 あー、それはな。でも今考えても仕方ないだろう? まだ起こってもいないことは、どうしようもできないし。

 それに今回は俺も付いて行く。何かあったら、すぐにお嬢の側へ飛ぶ。


「おれが、ちゅいてる」

「ベルがもう少し大きかったらな」


 なんだよ、確かにちびっ子だけどブレイズ様より年上だ。お嬢を思う気持ちだって、誰にも負けないぞ。


「前の今頃は、まだ僕はネネとこうして過ごすことなんてできなかった。だから余計に思うんだ。こんなに小さくて可愛いネネが、どれだけ我慢していたのかってな」


 ああ、そう思うのか。前の時だと、確かにブレイズ様はまだ別邸から出ることはできなかった。

 この頃のお嬢と触れ合うなんて、とても無理だった。今回初めてのことも多いのだろう。

 ブレイズ様は前の時にできなかったことを、取り戻そうとしているのかも知れない。


「ベル、飛べるんだよな?」

「おー、りゅうじょく(竜族)らからな」


 羽だけを出して飛ぶこともできるんだ。親父は普通の服ではやめろと言っていたけど。万一の時は飛ぶぞ。


「お嬢にも魔道具を渡してあるだろう?」

「親方、そうなんだけど。僕はあの魔道具を持たせてもらえないから」


 そっか、お邸にいる人だとフラン爺と親父が持っているのか。二人と一緒にいれはいいじゃん。

 そっか、魔道具だ。お嬢に王子が近寄ってきたら、ずっと魔力を流すように言っておこう。そうしたら、会話も聞ける。


「ベルは持っているのだろう?」

「おー。おじょうにいっとく」

「何を言うんだ?」

じゅ()っとまりょく(魔力)ながち(流し)てって」

「そうだな、その方がいい」


 それを録音できたら、証拠になって良いのだけどな。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


今はもう『写メ』て言わないのですって!

知らなかったΣ( ̄□ ̄;)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ