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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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75/100

75ー作れない?

「おくちゃま、きがえる」

「もう着ていればいいのに」

「奥様、ベルは汚しますから」

「あら、そうね」


 そうそう、汚しちゃうからね。それに親方とまだ遊び……いや、相談したいこともあるし。行く直前に着替えるよ。


「じゃあ、お昼寝は早めに起きなさいね」

「あい」


 はいはい、お城に行くってだけで大変だな。

 あんな奴に会うのに、いつも通りでいいって。とか思いながら、俺はもう一度お嬢を見る。

 お嬢の可憐な姿を、しっかり目に焼き付けておかないと!


「ぴこん」

「またやってんのか」


 だからお嬢の可愛い姿を、心に焼き付けてるんだって。


「ベル、おやかたとあちょ()ぶの?」

「うん」

「ちょうなのね、かえ()ってきたらまたあちょ()びまちょう」

「おう」


 お嬢って肝が据わっているのか? それとも開き直ったのか?

 行きたくないって、最初は泣いていたのに。今は吹っ切れたのかな?

 いやいや、用心しておかないと。お嬢は、心配かけたくなくて無理をする子だから。

 さて、俺は親方のところに行こうかな。


「おやじ、おやかたのとこにいってる」

「おう、今日は暴れるんじゃないぞ」

「あばれねーっての」


 失礼だな。まだそう暴れる気にもなんねーって。

 親父に言われてみれば、そんなに食べられないのに早く腹が空く。一度に食べられる量が少ないんだ。

 これってまだまだ回復してないってことだよな。早く体力を戻さないと。

 そんなことを考えながら、親方のいる裏庭に出てきた。いたいた、またあの魔道バイクを磨いている。


「おやかた」

「おう、ベル。どうした? 今日はお茶会だろう?」

「うん、おひるね(昼寝)ちてから」

「そうなのか?」


 だから親方、あれ作ってよ。俺が欲しいって言ってたやつだ。


「おやかた、かーと」

「ああ、あれな。まあ設計図は書いたんだ。だけどな、ちょっと難しいな」

「えー」

「三輪車とは訳が違うだろう」

「ちょう?」

「そうなんだ。でもあれ、面白いな! どうせベルは、あれにお嬢を乗せて走りたいんだろう!?」

「あたりまえ」


 そうか、考えてくれてるのか。なら待とうかな。

 親方が磨いているのをしゃがんで見ていた。良い天気だね。今日のお茶会は中庭らしいから天気になって良かった。

 いやいや、雨とか嵐になって中止になる方が良かったか? 今からでも嵐を起こせないか?


「ベル、なに無茶なこと言うとんねん」

「おとんなら、できちょう?」

「あー、どうやろなー」


 おとんとは、俺の本当の父親のことだ。

 ちょっと偉いらしいのだけど、普通にうるさい父親だ。

 もう俺の魔力を感じ取っていることだろう。まあ、生きているなら帰ってくるまで泳がすか? とでも思っていそうだ。

 かーちゃんがなぁ、心配してないといいのだけど。


「そら心配してるやろ」

「ちょう?」

「当たり前やんか。母親なんやから」

「けど、ガンちゃん。おうひ(王妃)も、おうじ(王子)たちのははおや(母親)だじょ」

「そうやったわ。自分の権力とか立場の方が優先なんやろな」


 いや、それよりも親方にもう一つ作って欲しい物があるんだ。

 今は遠くにいる両親よりも、近くのお嬢ってな。


「ベル、お前めっちゃ薄情なこと言うてんで」

「ちょんなことない」


 ちょっと目が泳いでしまったけど。それよりも、親方。


「おやかた、ちゅくってほちいのがある」

「またなんだ?」

「あのね、ぴこんって」

「なんだ?」

「アハハハ! ベル、そんなんで伝われへんって」

「ちょう? ガンちゃんはわかる」

「わいはずっとベルといるからや」


 そっか、ならちょっと頑張って説明しよう。


「おじょうを、のこち(残し)たい」

「残すってか?」

「ちょうちょう。ちゃちん(写真)

「あん?」

「あかんわ、ベル。わいに任せとき」

「おう」


 分からないかな~? めっちゃ分かり易いと思ったんだけど。


「ベルはお嬢の映像を残しておきたいねんて」

「えいぞうってなんだ?」


 え、そこ? そこからなのか? だってガンちゃんは知っていたぞ?


「ベル、あれやな。竜族の国やと普通にあるもんでも、この国やと分からんねんな」

「ちょっか」


 そうか、そういえば映像を残す魔道具って竜族の国にはあったな。

 大事な会議とか、決闘とか映像で残していた。物騒だけど決闘があるんだ。偶にだけどな。竜族って強さが一番ってとこあるから。


「あれや、例えばお嬢の姿をそのまま記録するものやって言うたら分かるか?」

「おう、それはあれだ。エルフの国だとあったんじゃないか?」

「だから竜族の国でもあるねんて」

「ベル、お前はその回路が分かるのか?」

「わかんねー」

「なんだよ! 分かんねーのかよ!」


 けど、親方なら作れそうだろう? こう魔石を利用してパパパッとさ。

 今日のお嬢を残したいんだ。まるで女神様だぜ。いや、まだちびっ子だから精霊さんかな? 俺は思わず息を飲んだからな。


「ちょっと待てよ。確かこの辺りに――」


 親方がゴソゴソと作業場の中を探し出した。


「前に使っていた奴が、多分魔道具師だったんだろうな。いろんな物が残ってたんだ」


 ほうほう、やっぱ魔道具師ってドワーフとは違うのか?


「おやかたと、ちげーの?」

「俺はドワーフだからな。本職は鍛冶だ」

「ちょっか」


 そのわりに、色々作ってるけどな。いや、作らされていたりして? フラン爺の所為で。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


地震に遭われた方、ご無事でしょうか?

九州地方の方、台風の被害は大丈夫でしょうか?

台風だけでも大変なのに、地震まで。どうなっているのでしょうね( ߹ㅅ߹ )

どうか皆様ご自分や大切な方の命を守ることを最優先になさいますよう。

被害に遭われた方には、お見舞い申し上げます。

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