表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
71/100

71ー心も守る

 ガンちゃんを起こさないように、そっと抱っこして親父の部屋へ向かう。


「ベル」

「おじょう、どちた?」

「あちたは、よろちくね。おやちゅみ」

「おー、おやちゅみ」


 ふふふ、お嬢におやすみって言われちゃった。いい夢見ろよ、なんて言ったりなんかして。


「ベル、お前はモロに顔に出るな」

「おやじ、ちょう?」

「ああ、ニヤケてるぞ」

「らって、おじょうが、おやちゅみって」

「ああ、明日はよろしくと、おっしゃってたな」

「おー」


 なんだ、親父ったら何か言いたそうだな。

 親父が部屋に戻ってからやっと話し出した。


「ベル、前の時は明日のお茶会で、お嬢様の婚約が決まったも同然だった」

「おー」

「前の時は、嫌な予感がビシバシしたものだ」

「ちょうなのか?」

「お前は前の時は、まだ知らなかったからな」


 前の時に親父は、明日のお茶会をどうにかして辞退できないものかと、旦那様に相談したことがあるらしい。そこまで嫌な予感がしていたのだそうだ。

 だけど欠席するなんて無理だ。王家主催のお茶会を、余程のことがない限り欠席なんてできない。

 それこそ、高熱を出したことにしようかとまで考えたらしい。


「あの時、一時しのぎでも欠席しておられたらと何度後悔したことか」


 それは仕方ないさ。親父の勘はよく当たると旦那様も分かっている。それでも、無理だったのだから。

 案の定、お茶会の翌日には王家から婚約者にと内々の打診があった。


「それでも旦那様は抵抗なさったんだ。それはもうギリギリまで抵抗された。丸2年も抵抗されたんだ」


 そりゃそうだろう。だって最後は王妃の『まさか謀反の意でも?』という一言で、抵抗できなくなったと俺は聞いている。

 婚約相手が悪い。第2王子だ。旦那様が城で働いていることもあって、第2王子の様子はよく知っていた。

 せめて第1王子だったらと思ったかも知れない。

 だけど王妃は、このホルハティ家の後ろ盾が欲しかったんだ。

 お嬢の能力なんて、まだ子供だから分からない。成長して、お嬢が必死で第2王子をサポートしているのを見て、これはラッキーとか思ったのだろうか?

 お嬢が補佐しないと第2王子の執務は進まないとさえ、言われるようになってしまった。

 まあ、お嬢は優秀だからな。なんでもできるし、それにお嬢は優しいから。


「おじょうは、やちゃちいんら」

「そうだな。精一杯仕えておられたな」

「おー」


 見ていられなかった。旦那様と奥様もよく我慢されたよ。


「だが、今回はそう嫌な予感はしないんだ」

「ちょうなのか?」

「ああ、ベルが余計なことをしないかとは思うがな」


 なんだよ、それ。余計なことなんてしない。

 でも第2王子がお嬢に近付いたら、俺は臨戦態勢に入るぞ。いつでも飛び出せるようにだ。


「ベル、いいか。落ち着くんだぞ。お嬢様はあれでも、しっかりとしておられる。ご自身で大抵のことは対応できるだろう。だから出過ぎたら駄目だぞ」

「おやじ、ちょん()なのかんけい(関係)ねー」

「だからベル」

「おじょうは、きじゅちゅ(傷付)いてんら。おうじが、めのまえにいたら、どうなるかわかんねー」

「それはそうなのだが」

「おれはまも()る。おじょうをまもるために、もどち(戻し)たんら」


 ここでお嬢を守れなくてどうするんだよ。

 確かにお嬢は前の時の記憶もあるから、今の年齢以上にしっかりしてる。

 だけどそんなこと、関係ないんだ。どれだけお嬢の心が傷付いたと思ってるんだ。

 お嬢の心も守る。それができないなら、大魔法を使って時を戻した意味がない。


「ベル……お前本気なんだな?」

「え? なんら?」

「本気でお嬢様が好きなんだな」

「なにいってんら。らから、おじょうはヨメにちゅる」


 今更何言ってんだよ。何回いってるんだ? お嬢は俺の嫁にするんだって。


「アハハハ! そうか、そうだったな! 頑張れ、俺は応援しているぞ!」

「おー」


 親父に応援してもらわなくても、俺は頑張るし。

 ホルハティ家全体の、運命も掛かっているのは理解している。

 だけど旦那様は、他のことは考えなくていいと言った。元からそのつもりだったけど。

 旦那様も同じだと分かった。だからお嬢の心を最優先で守る。

 ここで妥協して、前と同じことにでもなったら、家がどうこうなんて場合じゃなくなるぞ。国が危ないレベルなんだ。


「おちろ()が、ぶっとんだら、くに()がやべー」

「まあ、そうだな」


 今だとばかりに、攻めてくる国があっても不思議じゃない。

 まあ、そんなこと俺はどうでも良いのだけど。お嬢が幸せならそれでいい。


「ふわぁ〜……」


 大きな欠伸が出ちゃった。色々考えたくても、眠くて頭が回らない。


「ほら、明日はベルも大事な時だ。早く寝ろ」

「おー」


 ガンちゃんに布団をかけて、自分もモゾモゾと布団に入る。すぐに俺は眠った。

 翌朝、親父に起こされるまで爆睡だった。


「ベル、ガンちゃん、そろそろ起きろ」

「ん〜……」


 親父が、俺の身体を揺さぶって起こそうとしている。まだ眠いぞ。


「ベル、今日は大事な日だそ! ガンちゃん、料理長のスコッチエッグがなくなるぞ!」


 ん? なんだそれ?


「んー、おきる……」

「ガンちゃん! 食べてしまうぞー!」

「フガッ! なんでやねん! わいも食べるっちゅうねん!」


 ガンちゃんの起こし方はそれなの?


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ