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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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68/100

68ー秘密だぁッ!

「ベル! お前なんてことを思っとるねん! わいは、有能な使い魔やっちゅうねん!」


 あれ? それって前にも聞いたぞ。


「けろ、だんなちゃま。ガンちゃんのてんい(転移)は、()ってるひと()の、とこ()かだめ」

「ああ、今日殿下とお会いしたから大丈夫だろう?」

「もちろんや!」


 ガンちゃん、ちょっと調子に乗ってないか? 本当に大丈夫なのか? 俺はちょっと不安だぞ。

 転移はできてもその転移した先が、どうなっているか分からないだろう?


「あ、そうか。そういうこともあるんか」

「ちょうちょう」

「ベルが一緒やったら平気やん」

「ガンちゃんだって、まほう(魔法)ちゅか(使)える」

「そうやけどな。転移してすぐはちょっとキツイなぁ。わい、そんなに器用とちゃ()うからな」


 なんだよ、有能なんじゃなかったのか? 言いたいことは分かってるけど。

 転移してすぐはどうしても一瞬の隙ができてしまう。それは仕方ない。俺が一緒に行くさ。


「ベルもガンちゃんも頼んだ」

「おー」

「任されたで!」


 そう言って自分の胸をポンと叩いて、ケホッと(むせ)ている。めっちゃ不安じゃん。


「それは何ですか? 話せるって何ですか?」


 護衛のティムは部屋にいなかったら魔道具のことを知らない。なら、説明してあげて。念のために、ティムにも持たせるか?


「だんなちゃま、ティム」

「ん? 殿下の護衛だろう? 私は城で何度も会っているから知っている」


 旦那様の職場は城だから、そうだろう。でも俺が言いたいのはそうじゃなくて。


「そうか、ベル。ティムにも持たせるか」

「ちょうちょう」


 王子と護衛、一緒にいることが多いだろうけど、もしものことを考えて用心に越したことはない。


「ティム、これは秘密だぞ! 誰にも話してはならない! 守れるかぁッ!?」

「はいッ! 厳守します!」


 おやおや、テンションが同じだ。そんな大声で言ってたら、秘密にならないじゃないか。

 親方がティムに説明すると、めっちゃ驚いてた。目を輝かせながら。


「マジッスか!? そんな物を作れるなんて、親方は天才ッスか!?」

「ガハハハ! どうよ!」

「ティム、君はすぐに言葉が乱れる」

「あ! 申し訳ありません!」


 旦那様に注意されているし。これは何度も注意されていそうだ。


「殿下、これテストしましょう!」

「僕はさっきやったからいいよ」

「そんなことをおっしゃらずに! 私が離れます!」


 珍しいから使いたくなるのは仕方ない。ティムが、門の方へ走って行った。


「あんなに離れてもいいのかな?」

「殿下、何言ってんだ! ここと城とで話せるって言ってんだろう」

「親方、そうだったね、それにしてもこれは便利だ」


 遠くから、いいッスよー! て声が聞こえてきた。だから、魔道具で話そう。あ、しまった。


「ティムに、もち〜って、おち()えてない」

「ワッハッハッハ! ベル、そこは拘るとこではないな!」


 ええー、そう? ならいいけど。でも、王子は『もち〜』て話しかけてね。

 

「ティム、聞こえるかな?」


 あれ? 『もち〜』はどうした? 門庭の方から、凄い! 聞こえるッス! て大きな声がした。魔道具の意味がない。


「アハハハ、だからティム、普通に話せるんだって」


 それからはティムも分かったらしくて、王子と少し話していた。


「城の壁が問題なんだ」

「城壁もあるし、城内も入り組んでいるしな」

「旦那様、そうなんだよ。まだパワー不足だな」


 使っている魔石が小さいから。なら、小さな魔石をいっぱいくっつけるってどうよ?


「おやかた、ブローチのまんなかにな」


 俺は考えたことを説明した。ブローチって、真ん中に大きめの宝石を使っている物があるだろう。あれみたいに大きくする。

 なんならその表面に飾り彫りをしたっていい。アクセサリーっぽいだろう?

 そして周りの枠にも細工の飾りみたいに、小さな魔石を付けるんだ。そして耳の方にも全面に小さな魔石を付ける。それでカバーできないか?


「なるほどな、どうせブローチ型にしているんだからな」

「ちょうちょう」

「よし! 作るぞ!」


 親方は作業場に走って行った。思いついたら作ってみないと気がすまないんだ。

 それが完成して動作確認をしたら、王子に渡している物と交換することに決まった。

 その日は、夕方近くまで遊んで王子は帰って行った。護衛も一緒になって、はしゃいでいた。何回魔道バイクに乗るんだってくらい、気に入って乗っていた。

 護衛だからって、引いて見ているよりずっといい。こうして一緒に遊ぶことで、信頼感も生まれるってもんだ。

 王子の突然の来訪はあったけど、お茶会に向けての準備もしていた。

 親方がすぐに試作品を作った。俺も魔力回路を組む時にしっかり手伝わされた。お茶会まで日数がない。毎日親方に呼び出されて魔力を流し、計8個出来上がった。


「これなら王都を離れない限り使えるぞ」


 親方が太鼓判を押した。そしてお茶会前日に、また皆が集められた。


「ベル、一つ渡しておく。当日はアイレと一緒に会場に入ってくれ」

「まかちぇろ」


 俺も一つ魔道具を渡された。前のは魔力を流しながら話す。新しい物もそこは同じなんだけど、使う前に魔石に魔力を溜めておくことでパワー不足を補う。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


『よちッ!』

最近のお気に入りです(^◇^;)

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