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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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47ーお邪魔虫

「あー……」

「ベルちゃんは、まだちびっ子ですからね」


 え、それって関係あるのか? ちびっ子でもお嬢が好きだぞ。


「ベル、それは関係ないで」

「え、ガンちゃん。ちょう?」

「おう。アイレに任せとき」


 仕方ねーな。どっちにしろ、もう外されちゃったし。


「おじょう、もち~って」

「もち〜なの?」

「ちょうちょう。もち~」

「ふふふ。もち~」


 ああ、可愛い! なんて可愛いんだ! 『もち~』て言っただけなのに、こんなに可愛いのはきっとお嬢だけだぞ。

 ちょっと動機がするんだけど、俺ってまだ回復してないのかな? それともお嬢のあまりの可愛さに、とうとう心臓までやられちまったか!?


「ほんまに呆れるわ。もう好きに思ったらええで」


 ガンちゃんったら冷たいじゃん。ちょっと乗ってくれてもいいと俺は思う。


「あら、おにいちゃま!?」


 そうだった、相手はブレイズ様だった。しまったな、お嬢の可愛らしい声を聞かせてしまったじゃないか。

 それからこの魔道具を使う時には皆、『もち~』と言うものだと思われてしまった。

 いやいや、本当は『もしもし』なんだけど。俺の舌足らずが、こんなところで影響するなんて。まあ、面白いからこのままでいいや。

 それから旦那様とフラン爺にお披露目して、使い方を親方が伝授した。伝授なんてものじゃないのだけど。

 旦那様もフラン爺も魔力量は多い。ホルハティ家だからな。

 だからずっと魔力を流しっぱなしでも半日は持つだろうってことだ。


「おやかた、おれもスマホがほちい」

「あん? なんだって?」

「スマホ」


 魔道具を指して言った。おっと、これは俺の前世での話だ。しかもスマホってほどの物じゃない。

 だってネットなんてないし、SNSだってない。アプリ入れてね~なんてこともできない。

 だけど、俺にとっては魔道具と言うより、スマホと呼ぶ方がしっくりくる。『話せる魔道具』て言うよりいいじゃん?


「変なネーミングだな」

「えっちょぉ、ほんちょは、スマートフォン」

「ああ、略したのか」

「ちょうちょう」


 でもこの世界には電話なんてない。だからそんな言葉はないんだけど。

 旦那様とフラン爺がさっそくセッティングしている。

 旦那様はこれから王城でお仕事だ。その合間に王に拝謁するという。そしてフラン爺は公爵家を回る。


「よし、じゃあこの魔道具はスマホと呼ぼう!」


 フラン爺がそう断言しちゃった。ならそれでいいや。


「それでベル、『もち〜』は挨拶みたいなもんか?」

「えっと、『は〜い』みたいな?」

「それがなんで『もち』なんだ?」


 だから、違うんだって。面白いからいいのだけど。正しておこうか?


「おやじ」

「ああ、分かっている。旦那様、大旦那様、ベルは舌足らずなので……ベル、『もし』でいいか?」

「ちょうちょう。『もちもち』」

「『もしもし』か? 変な挨拶だな」

あいちゃつ(挨拶)ってより、おへんじ? よびかけ?」


 まあ、なんでもいいじゃん。『おう』でも『はい』でもさ。なのに、これを使う時は『もし』が決まりになってしまった。

 そしてフラン爺が大きな声で言った。


「良いかぁッ! これはこの家の秘密事項だぞッ!」


 え、そうなの? これを普及させたら超便利なのに。この家だけの物にするのか。


「これがもし、他国の諜報員の手に渡ってみろ。とんでもないことになるぞッ!」

「そうですね、使う時は慎重にしないといけない」


 そんなことまで考えてなかった。この世界では、とんでもなく便利な物なんだ。

 前世みたいに情報が溢れていて、即時になんでも伝えられるってことはないのだから。


「だから態々アクセサリーに見えるように、装飾してあるんだ」


 親方ったら、本当にそこまで考えていたのか? 怪しいなぁ。


「ベル、ワシは考えていたぞ!」

「ええー」

「アハハハ! 父上に言われたからだろう?」

「旦那様! それだけじゃねーって! ワシだって考えてる! 魔石もなるべく多く着けたかったんだ!」


 ほら、すぐにそんな嘘はバレるんだって。いいじゃん、どっちにしろ親方の才能のお陰なのだから。

 俺が命名したことになった『スマホ』を旦那様とフラン爺は着けて、出掛けて行った。

 今日が最初の山場だ。二人に頑張ってもらわないと。

 俺もすぐに出られるように、準備しておこうかな?


「おやじ、なんかあったら、おれ()ぶじょ」

「ああ、頼む」


 それまでお嬢と三輪車に乗って遊んでいようかなって、お嬢はどこ行った!? お嬢! 俺の天使! もしかして神に連れて行かれちゃったのか!?


「なんでやねん! そんなわけないやろ」

「ガンちゃん、おもったらけ」

「分かってるっちゅうねん。ついツッコミたくなるんやって。魔モモンガの血が、スルーしたらあかんって訴えるんや」


 意味の分からないことを言ってるけど、なかなか良いコンビだよね。

 そんなことは良いのだけど、お嬢はどこ行った? 裏庭を探してみようかな? そう思って裏に行くと、あらやだ! やっぱ天使がいたよ!

 お嬢がキコキコキコキコと三輪車に乗っていた。同じ三輪車なのに、お嬢が乗るとキラキラと輝いて見えるのは何でだ!?


「あ! ベルー!」


 俺の名を呼びながら手を振ってくれる。お嬢の周りに花が咲き乱れているように見える。

 ああ、お嬢が俺の名前を呼んでるよ。こんなの走って行くしかないじゃないか!


お読みいただき有難うございます!

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宜しくお願いします。


いつも遅くなって申し訳ないです。

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