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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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37/100

37ーお邪魔虫

 俺だって捕まりたくて捕まっていた訳じゃない。不可抗力だっての。


「だって、ちゅばちゃ()()られたんだ」

「ああん? なんて言った?」

「ワッハッハッハ! 翼を射られたらしいぞ」

「そりゃ、そんなことされたら、飛べねーなッ!」


 そうそう、だから捕まっちゃった。それに、あの首に着けられてた魔道具だよ。あれがなかったら魔法でチョチョイと逃げたんだけどさ。


「隷属の首輪を着けられたのか?」

「ちょうら」

「あれはいかん、あんな物を使うなんて、けしからん!」


 あの隷属の首輪は、主人になった者にしか外せなくなっている。

 着けられた者が無理矢理外そうとすると、首に極太の針が刺さって命を奪うって代物だ。

 そんなの人権無視もいいとこだ。人の命を何だと思ってるんだ。


「ベル、料理長には話してあるからさっさと調理場に行って食べてこい」

「おー」

「ベル、わいも行くで」


 ガンちゃんがそれまで親父の肩に乗っていたのに、ヒョイと俺の肩に乗ってきた。食べ物には弱い。


「なんか美味いもん食いたいわ」

りょうりちょう(料理長)()う?」

「そうやな」


 そんなことをガンちゃんと話しながらお邸に入ると、そこに天使が舞い降りた。キラキラと光の粒子を纏いながら……と、俺には見えた。背中に真っ白な翼はないか?


「まあ!」


 ここに天使がいるぞー! 早く隠さないと神様に連れて行かれちゃうぞー!


「ベル、何あほなこと言うてんねん」

「いってねー」


 こっそり心の中で思っただけだ。そこにはお昼寝から起きてきたお嬢がいたんだ。

 お嬢は立っているだけで可愛い。周りがキラキラ輝いて見えるってもんだ。


「ガンちゃん! ひちゃちぶりだわ!」

「おー! お嬢!」


 俺の肩から、ピューッとお嬢の肩に乗りに行くガンちゃん。ガンちゃんは一応俺の使い魔だよな? 変わり身が早すぎないか?


「お嬢は、ちびっ子になってしもても可愛いな!」

「ふふふ、ガンちゃんは、いちゅ()も、かわいいわ」


 お嬢の可愛い指で喉を撫でられて、ガンちゃんはご満悦だ。

 いいな~、代ってくれよ。俺もお嬢に撫でてもらいたいぞ。そのまま抱きしめてくれないかなぁ?


「ベル、お前キショイって」

うっちぇ(うるさい)ー」


 ほら、行くぞ。とりま、今はオヤツだ。小腹が減ったら力が出ない。


「ベル、お前ほんまにヨワヨワやな」

「ベルはガリガリになっちゃったから、はやくたいりょく(体力)を、ちゅ()けなきゃね」

「おじょう……!」


 なんて優しいんだ! 俺は感動だよ! いや、このまま抱きしめてもいいかな? いいよな? 今はお邪魔虫なブレイズ様がいないし。


「ベル! 僕は見ているぞ!」


 あー、いるじゃん。つまんねーの。いつの間にかブレイズ様がやって来て叫んでいた。

 なんだか見張られているみたいじゃないか。俺ってそんなに信用ない?

 ブレイズ様がツカツカとやってきて、お嬢と俺の間に立ちはだかった。


「おれは、おやちゅを()べにいく」

「おう、なら早く行くんだな!」

「おー」


 仕方ない。ほら、ガンちゃん行くぞ。


「え、わいはお嬢といるで?」

「おやちゅはいいの?」

「そうやったわ、行く行く!」


 現金な奴だ。また食べ物に釣られている。ま、今回は仕方ないか。ブレイズ様が来ちゃったし諦めよう。


「ベル、何を諦めるねん?」

「なんでもねー」


 本当、余計なことは読むんだよ。


「おじょう、またあとで!」

「ええ、ベル」

「いいから、早く行け。しっかり食べてこい」


 本当、ブレイズ様はお邪魔虫だ。ちょっとお嬢に抱きつきたいな~なんて、思っただけじゃないか。行動には移してないのにさ。


「だからな、ベル。そう思うのがもうキショイねんて」

「おもっただけ」

「まあな、前の時からやもんな。ベルのお嬢好きはさ」

「おー」


 そうだよ、前の時は諦めたんだ。あんな王子と婚約してしまったから。さすがに王族に逆らったら駄目だと思ってさ。


「久しぶりやな、料理長のおやつ。楽しみやわ」


 もうおやつのことを考えている。切り替えが早いな。

 でも、何を作ってくれてるかな? 俺も楽しみだ。


「りょうりちょう」

「おう、来たか」


 親父が話してくれていたからだろう、ちゃんとおやつを用意してくれていた。


「おやちゅ、なんだ?」

「俺特製、フワトロなフレンチトーストだ」

「おー、うまちょうだ!」

「わいも食べるで!」

「なんだ? その小さいのは?」

「おれのちゅかいま、ガンちゃん」

「使い魔? そんなの持ってるのか?」

「おー、よろちく」

「アハハハ、ガンちゃんか。たくさん作ってあるから食べな!」

「やったぜ!」


 ガンちゃんは本当に現金だ。何度も言うけど、俺の使い魔だよな? なのに、もう料理長の肩に乗ってるじゃないか。


「りょうりちょう、ちろっぷもある?」

「シロップか? 蜂蜜でいいか?」

「おー」


 蜂蜜も良いのだけど、この世界では蜂蜜ってまあまあ高価な物だった気がする。


「りょうりちょう、はちみちゅって、おたかい?」

「ん? 高いって言ったか?」

「おー」

「そりゃな、そこそこのお値段はするぞ」


 ふむ、それならあれだ。カラメルシロップの作り方は知らないのか? 本当はメープルシロップがいいんだけど、おれはそれでも十分だぞ。

 この家で使っているのは領地から運ばれてきたきび砂糖だから、風味とコクがあっていいと思うんだ。


「りょうりちょう、ちゃとう(砂糖)みじゅ()でちゅくる、ちろっぷ」

「あ? なんだって?」

「アハハハ! ベル、言えてないやん!」


 笑いながらガンちゃんが通訳してくれた。くっそー、ガンちゃんにまで負けるなんて!


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


申し訳ありません!遅くなってしまいました(*>ㅅ<)՞՞

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