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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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35/100

35ー要改良

「えっちょぉ……」

「何? 僕、なんか変なことを言ったかな? 間違ったことを言ってるかな?」

「いってねー」

「ん? ベル、なんて?」

「ブレイズちゃまが、ただち(正し)いでちゅ」

「父上とお祖父様は、明日必要だと言っていたのだぞ! 二人とも何をしているんだ!」

「あい、ごめんなちゃい」

「いや、すまねー」

「ぐふッ!」


 笑いを堪えているのは親父だ。いつの間にかガンちゃんまで親父の肩に乗って知らん顔をしている。ズリーな。


「爺も、ちゃんと見ていてくれないと!」

「アハハハ! いや、まあ面白かったもんで」


 まいったね、ブレイズ様に叱られちゃった。めっちゃ眼が怖かったよ。

 取り敢えず、作業場に戻ろう。


 ――キコキコ


「……」


 ――キコキコキコキコ


「……ベル、ずっとそれに乗って行くのか?」

「おー」

「歩く方が早くないか?」

「ちょんなことねー」

「……ベル」

「お()()りら」

「はぁ~、そうか。もういい」


 なんだ? ブレイズ様ったら、なんでため息ついた? 俺のこの超プリティーな姿を見て見ろよ。三輪車がお似合いだろう?

 なんだかブレイズ様に白い目で見られた気がするけど、気にしない。お嬢を乗せるんだ~。


「で? どこまでできているんだ?」

「それがブレイズ様、中継する魔石を立てられないから王都では無理なんだって」

「え? だって親方に作れない物はないんだろう?」


 あ、これはまだ怒っている。


「ちかたねーな」


 親方が期待を込めた眼で俺を見てくる。だけど、これって作ったことにならないんだ。それでもいいか?


きんきゅう(緊急)らからな」

「ベル、何か考えがあるのか!?」

「おやかた、ガンちゃんをかち(貸し)てやるじぇ」

「ガ? ガンちゃんだって?」

「ちょうだ!」


 ジャジャジャーンと親父の肩に乗っている、魔モモンガのガンちゃんに注目だ。


「え? わいなん? なんでやねん?」

「ベル、ガンちゃんなのか?」

「ちょうら、ガンちゃんは、てんい(転移)()きる」

「あー、そんなこともできたな」

「だから、ガンちゃんが、だんなちゃまといっちょ(一緒)にいく。ちゅがた(姿)けち(消し)て」

「なるほどな、それで?」

ちょ()れから、てんい(転移)ちて、フランじいのとこにいく。また、ちゅがたをけちて」

「なんだ、それだとリアルタイムじゃないぞ」

「おやじ、ちょれでも、ないよりまち(マシ)

「まあ、そうだな」


 フラン爺が、今旦那様がどんな話をしているのか、分かれば良いんだろう? なら今の時点ではそれしかないじゃないか。


「待て待て。それだとワシが作ってないじゃないか!」

「えー、()らねー」


 そこまで今すぐに考えられないっての。だって俺はさっきそれを聞いたばかりなんだぞ。

 なのに、ゼロから考えるなんて無茶だ。俺は魔道具を作る才能なんてないのだから。


「親方、領地では使っているとお祖父様に聞いたよ?」

「だからさっき言ってた魔石が問題なんだ」


 親方はブレイズ様にも、魔石のことを説明した。まさか王都に立てるわけにもいかない。


「仕方ないな。今はそれしかないか」

ちょうちょう(そうそう)


 でもそのスマホ擬き、作りたいな。それも前世みたいに手に持つのじゃなくて、手が塞がらないのがいいな。

 ほら、前世だってヘッドセットとかあったじゃん。まあこの世界にはブルートゥースとかないんだけどさ。

 魔石である程度中継できると、領地で実証済みなんだ。だからそれを移動しながらとか、魔石が設置できない場所でも使えると良いな。要改良だ。


「おやかた、りょうち(領地)ちゅか(使)ってるの、もってる?」

「おう、あるぞ」


 そう言って親方はポケットから出した。


「え……まじ? ちっちぇー(小さい)な」

「なんだ? 初めて見るか?」

「おう」


 それはとっても小さな物だった。小さいというか、俺が考えていたように一々手で持たなくて良い物だ。

 これってブローチになってるのか? 装飾もしてあって、楕円形のブローチみたいになっている。

 後ろにピンが付けてあるから、洋服のどこかに着けるのだろう。


「これはワシの傑作品の一つだぞ! いいか、これをこう胸とかに付けるんだ。それで声を拾う」

「じゃあ、()くほうは?」


 話す声を拾うのは十分だろう。だけど、これって耳から遠いじゃないか。そこはどうなっているんだ?


「ここから相手の声が出るんだ。どうだ、スゲーだろう!?」


 え? それってハンズフリーみたいなもんか? スピーカーみたく声が出てくるのか? それってどうなんだ?


「奥様が大きな声で話さないといけないからと言うから、まだ改良しているんだけどな」

「あー……」

「それに周りに、話していることが丸聞こえだ」


 そりゃそうだろう。そこから声が出てくるのだから。


「大奥様に叱られてるのが、周りに丸聞こえだから恥ずかしいと、大旦那様が言うんだ」


 ああ、それはフラン爺がかわいそう。いや、そんなにフラフラ出歩かなきゃいいんだけど。

 話している声を胸の辺りから耳まで届けるには、そこそこの音量が必要だ。

 音楽なら未だしも、声だぞ。普通に話している声をだ。それはちょっと不便だな。

 ん~、なら耳に掛けるものと口から声を拾う物、それぞれを作って接続できたらいいんだ。


「おやかた、きくのと、しゃべるの、べちゅべちゅ(別々)にちよう」

「なんだと?」


 意味が分からないか? それとも俺の言葉か? どっちだよ、超めんどくせー。


お読みいただき有難うございます!

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