表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
34/100

34ー大型の魔道具

「ああ、それは魔石が入ってないんだろう」


 ちょっと降りてみな。と親方が言って、俺が座っていたところをパカッと開けた。そこに小さな窪みがあって、何か回路っぽいものがあった。


「おー!」

「な、ここに魔石を入れるんだ」


 親方がズボンのポッケから小さな魔石を出した。


「おやかた、ちっちゃ(小さ)くね?」

「手持ちがこれしかないんだ、我慢しろ」

ちかた(仕方)ねー」


 窪みにカチンと魔石をはめて、またパコンと閉じる。


「乗ってみな、これは大型の魔道具だな。もう動くと思うぞ」

「おー」

「けど、チビしか乗れねーじゃないか」

「おやかた、のるか?」

「乗らねーよ!」

「ワッハッハッハ!」


 俺はそれに乗り、短い足でキコキコと漕いでみた。すると親方が言ったとおり、ゆっくりと動き出した。

 ああ、本当に魔道具なんだ。足の力はほとんど必要なくて、とっても楽に進める。いいな、これ。お嬢を乗せてやりたいぞ。


「ちょっ()いっちゅう(一周)()てくる!」


 ――キコキコキコ


「アハハハ! ベル、ええやんそれ!」


 ガンちゃんが俺の肩に乗ってきた。


「ガンちゃん、ここにのったら?」

「おー、先頭やん!」


 俺が握っている物の真ん中に、ガンちゃんはチョコンと乗っている。小さいから丁度いいな。ガンちゃんだけの特等席だ。


ちゅっぱーちゅ(出発)ッ!」

「おー!」


 ――キコキコキコキコ


 作業場を出て邸の広い裏庭を走る。いや、走るってほどのスピードではないんだけど。俺がトコトコ歩くよりは、ほんの少し速いかな~って程度だ。


「ベル、おせーな! アハハハ!」

「こういうもんらって」


 俺が何に乗っているか教えてあげよう。

 ハンドルを軽く握り、ペダルをキコキコと漕いで進む。目線は真っ直ぐ前だ。まあ、ちびっ子の俺だからお似合いなんだな。

 そう、三輪車だ。しかも魔道具だから、ほとんど力は必要ない。言うなれば、電動三輪車みたいなんもんだ。

 だからってスピードは出ないんだけど。風を感じて走るなんてことはできない。これって魔石が小さいからパワー不足なんじゃないのか?

 これを大きくすれば、大人が乗れる電動自転車が作れるのじゃないか?


「ワッハッハッハ! ベル! お似合いだぞ!」


 親父がそう叫ぶから、俺は片手を上げて応える。


 ――キコキコキコキコ


 それにしても、裏庭広いな。こんな小さな三輪車だと結構遊べるぞ。

 でも一つ残念なことがある。俺が邸の中を走りながら吹いていたおもちゃのラッパ。あれを付けたい。ぷぷー! と鳴らしながら走りたい。よし、親方に相談だ。

 そう思って方向転換して親方と親父がいる方へ向かうと、いつの間にか一緒にブレイズ様が立っていた。


「ベルは何をしているんだ!?」


 あれれ? 怒っている? なんでだ? 俺のこの超可愛い姿を見ろよ。

 あ、もしかしてブレイズ様も乗ってみたいか? ちょっとブレイズ様は似合わないんじゃないかなぁ。だってもう8歳だし。


「ベル! フラン爺に言われた魔道具はどうした!?」

「あ、やべ」

「ワッハッハッハ!」


 親父は笑ってるけど、共犯だぞ。親父だって何もしないで笑って見ていたじゃないか。

 よし、ここは逃げよう! またまたクルッと方向転換をして、俺は一目散に逃げ出した。


「ワッハッハッハ!」


 また親父が笑ってるけど、そんなの気にしていられない。だってブレイズ様が激オコなのだから。


 ――キコキコキコキコ


「こら! ベル! 止まれ!」


 ――キコ……キコキコ


「止まれと言ってるんだ!」


 ――キコ……キ……


 やべ、逃げられないじゃないか。ここはなんとか誤魔化さないと。クルッと顔だけ振り返って俺はシレッと言った。


「ブレイズちゃま、のる?」

「乗らない!」


 あら、そう? 楽しいのに。それよりこの場を、なんとか乗り切らないと。


「おやじ、おれのらっぱ」

「ああ、あのおもちゃのか?」

「ちょう、ちょれをちゅ()けたい。ここに、ぷぷーって」

「アハハハ! お前は本当に馬鹿だな! どうやって吹くんだよ」

「あ、ちょうか」

「なんだ、ラッパを付けたいのか?」

「おやかた、ちょうら」

「なら、手で鳴らすのをつければいいじゃないか」

「おやかた、てんちゃい!」

「ワッハッハッハ! ワシに掛かれば作れない物なんてないぞ!」


 三人でわちゃわちゃとそんな話をしていると、ブレイズ様が割って入ってきた。


「親方は、作れない物はないんだね?」

「おう、ブレイズ様! あたぼーよ!」

「じゃあ、お祖父様がおっしゃっていた魔道具も、当然もうできているよね?」


 おっと……すっかり忘れてた。親方を見ると、ダラダラと汗を流している。だって何も考えてないって言ってたもんな。

 そんな親方をブレイズ様が追い詰める。ブレイズ様の方が実際の身長は低いのに、目の錯覚か? ブレイズ様の方が大きく見えるぞ。


「ね、親方。できているんだよね? 見せてもらおうかな? 楽しみだな~」

「いや、ブレイズ様。それがだな」

「ん? どうしたの? できているんだよね? ほら、今すぐ見せて」


 おふ、ブレイズ様ってお嬢と話す時と全然違うんだな。なんて呑気に見ていた。


「ベルもだよ。お祖父様に協力するように言われたよね?」

「え……」

「ほら、できているから、二人でそうして遊んでいるんだよね? そうだよね?」


 おっと、ブレイズ様の目が怖い。表情は微笑んでいるのに、目が笑ってない。しかも、圧が強い。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ