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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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18/100

18ー皆の能力

 いつも賑やかな、体育会系の元であるフラン爺も食べる時は静かだ。


「ベル、美味いぞ!」

「久しぶりに食べたら、とっても美味しいわね」

「ああ、甘さ控えめなのがいいな」

「ベル、とってもおいちいわ!」

「ふふふ、いっぱいたべて。おれのも、たべる?」

「ちょんなに、たべられないわ」


 おふ、食べてるお嬢も超可愛い。天使ってパンケーキも食べるんだな。


「ネネの苺だけ、形が違うぞ」


 ブレイズ様が、ハート形に切った苺を目敏く見つけて言った。いいところに気がついたね! 教えてあげよう、それはだね。


「おれの、らぶ」

「何言ってるんだ! ベルが切ったのじゃないだろう!?」


 切ったのも焼いたのも料理長。でも、俺のラブも込めてあるのだもの。

 お嬢は、ふふふと笑っているけど、綺麗に食べるなぁ。俺は大きな口を開けて食べていても、ほっぺにもれなくついてくる。どうしてだ?


「おれは、ほっぺにちゅ()くのにな」

「手だ。ベルはまだ力が出ないのだろう」

「おやじ、フォークぐらいもてるって」

「けど、ブレブレだぞ」


 え、そう? そうなのか?


「色々変なことを考えているからだ」

「かんけいねー」


 本当、親父は口が悪い。


「久しぶりに、ベルのハンバーグも食べたいぞぉ!」


 やっぱ体育会系は肉なんだね。今はハンバーグなんて作れないだろうな。パンケーキだって作れないのだから。料理長に相談するか。


「あたちは、おむらいちゅ(オムライス)がいいわ」

「いいね。ネネ、兄様がトマトソースでハートを描いてあげよう」


 いやいや、ちょっと気持ちわりいぞ。


「きっしょ」

「ベル、なんだと!?」

「ブレイズちゃまは、めっちゃししゅこん(シスコン)

「それのどこが悪い? 天使の妹を愛でるのは当然だろう?」


 うわ、マジで言ってるよ。前の時はこれほどじゃなかったぞ。あれか、お嬢が婚約破棄されてキレたのを見たからか?

 まあ、気持ちは分かるけど。だってお嬢はマジ天使だと思うもの。

 ふむふむと、そこは俺も同意だと思いながらパンケーキを食べる。


「うめーな」

「自分で作っておいて言うか?」

「ブレイズちゃま、いまのおれは、ちゅくれねー」

「チビだからな」

「だから、りょうりちょうが、ちゅくってくれた」

「ああ、なら美味しいのは当然だな」


 けど俺が全部教えたんだ。だから俺のレシピなんだぞ。

 お腹が膨れたら、眠くなる。このちびっ子の身体はなんとも融通が利かない。やっぱ体力がないんだ。これからいっぱい食べないと。


「おやじ、ねみー(眠い)

「おう、私の部屋で昼寝するといい」

「おー」


 親父に抱っこして連れてってくれと、両手を出す。


「なんだ、一人で行けないのか?」

「だって、もうねみー」


 パンケーキを食べて、お茶を飲んでいた奥様が言った。


「そんなに体力がないなんて、よほど酷いことをされたのね。ガリガリだもの」

「奥様、奴隷ですから」

「そうだけど……そこまで時が戻らなかったら良かったわね」

「アグニール、仕方のないことだ。皆無事に戻っていることが不思議なくらいだと私は思う。奴隷になっていたベルには悪いが」

「いや、ちゃーねー(仕方ない)


 そんな話をしている側で、お嬢も眠そうだぞ。やっぱちびっ子だってこともあるんだって。

 奴隷だったからってだけじゃない。ちびっ子にお昼寝は必要なんだ。


「おじょう、いっちょ(一緒)に、ねんねちよ」

「ベル! 何を言ってるんだ! 駄目に決まっているだろう!」


 もう、本当にシスコンのブレイズ様は……


「うじぇ()ー」

「こら、ベル! 行くぞ」


 親父に抱っこされて強制退場だ。だから俺はお嬢と一緒に寝るって。そんなことを思っていたのだけど、口に出す前に睡魔に負けてしまった。

 親父の大きな腕に抱っこされ、歩くたびに揺れるのが丁度良くって俺はすぐに眠りについた。

 気付くと親父のベッドの中だった。部屋には誰もいない。親父は仕事なのだろう。あれでも一応有能な執事だから。

 それにしても、これからどうするかだ。お嬢はああして強気なことを言っているが、本当は嫌なはずだ。行きたくないと言っていた。それは当然だ。

 もうお嬢にあんな思いはさせたくない。そのために俺はなんでもすると決めたんだ。

 なんだったら、お嬢と二人で領地に行ってもいい。それはブレイズ様が許しそうもないけど。

 ブレイズ様は今の時点でどれくらい魔法を使えるのだろう? 当のお嬢は? 色々確認しなきゃなと考えていた。


「おう、起きたか?」

「おやじ」

「またちょっと腹に入れとけ」


 そういって、料理長特製のパン粥を持ってきてくれた。粥といってもクリームスープの中に小さく切ったパンを入れてあって、今回はしっかりパンの形が残っている。

 最初に食べたのはドロドロだったから、少しだけ進歩だ。本当ならハンバーガーとかを、ガッツリ食べたいものだけど。


「いくら回復魔法で回復したと言っても、まだ食えないぞ。胃がびっくりするだろう」

「え、なんでわかるんだ?」

「だからお前は、思っていることが丸わかりだ」


 まあ、それだけ素直なんだよ。ツンデレさんの親父と違ってさ。


ちょ()れより、おやじ。みんなの、のうりょくなんだけろ」

「ああ、能力か。戻す前とは年齢が違うからな」

「ちょうちょう。だから、かくにん(確認)ちとかねーと」

「ああ、大旦那様が同じことをおっしゃっていたぞ。万一の時に備えてと」


 おう、さすがじゃないか。やっぱフラン爺が一番分かっているな。


お読みいただき有難うございます!

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宜しくお願いします。


早くモフを出したい。

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