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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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14/100

14ー第1王子

 俺はもらった果物をパクパクと食べる。


「ベル、美味しいか?」

「ブレイズちゃま、あげねーじょ」

「バカッ! 僕は欲しいとは言ってないだろう!」

「ふふふん」


 だって欲しそうな顔をしているじゃないか。


「そんなことより、お義父様。来週、第2王子の婚約者を選ぶための、王家主催のお茶会があるのです」

「そんなもの行かなくて良い! ネネは傷付いておるのだぁッ!」


 まだフラン爺とお嬢は抱き合っていた。もういいんじゃね? 離れようぜ。まあ、フラン爺だから許すけど。


「おじょうは、わたちゃねー」

「ベルにも渡さないがなッ!」

「ブレイズちゃま、うじぇ()ー」

「何を言うか!」

「こら、ベル。大人しく食べろ」

「あい」


 親父に叱られちゃったよ。まあ、俺は食べるけど。


「ほら、口の周りがベトベトじゃないか」

「ん」


 親父が俺のほっぺを拭いてくれる。そういえば、戻す前もちびっ子の時はよく世話を焼いてくれた。

 親父ったら本当は優しいのにさ、何度も言うけどその年でツンデレは需要がないぞ。


「また変なことを考えているだろう?」


 親父に片手で両方のほっぺを挟むように掴まれた。当然俺は、タコさんのお口になってしまう。


ちょんにゃこちょにぇ(そんなことない)ー」


 ほら、喋れてないじゃないか。みんな俺を見て笑っているけど、俺のことはいいから話を進めてくれ。


「おじいちゃま、あたちはいきまちゅ」

「ネネ! 何を言うぅッ!?」

()って、がちゅんと、()ってきてやりまちゅ!」

「おおーッ! ネネ! さすが私の孫だぁッ!」


 はいはい、それはもう話したからその先だ。ガツンと言うにしても、どっちにしろ旦那様と奥様が公の場から身を引くのは決定なのだろう?

 その案を旦那様が、フラン爺に説明した。


「なるほど、それも一理ある」

「できるだけ、我が家が後ろ盾になっても仕方ないと思わせたいのです」

「ふむ」

「ですが問題は四家ある公爵家に、年頃の令嬢がネネしかいないということです」

「それは拙い」

「ええ」

「しかし、今までに王子殿下の婚約者に公爵家以外から選ばれた例はあるのだ」

「それは公爵家に令嬢がいなかった場合でしたでしょう? 今はネネがおります」

「第1王子の婚約者は、公爵家ではなかっただろう?」

「はい、侯爵家のご令嬢ですね」


 お嬢が婚約破棄されたのは第2王子だ。当然第1王子がいる。シュテファン・ラフィーナという。

 淡く優しいブロンドの緩やかな癖のある髪を後ろで一つに結んでいて、キラキラとしたシルバーの瞳をしている。

 無属性魔法の使い手は、瞳がシルバーになる。それが顕著に現れている。第1王子は王家が誇る魔力量や無属性魔法を、しっかりと継いでいた。

 第2王子は勉学では天才と言われているが、この兄王子は努力の人だ。

 コツコツと読み込み理解し自分の知識にする人だと教師陣が褒めていた。自分のものにした人は応用にも強い。

 だが王妃殿下が、将来は王太子になるのだからと、必要以上に厳しく育てた所為で王妃とは折り合いが悪い。

 時を戻す前には、第1王子自身が王妃に親の愛情を求めるのを早いうちに諦めていた。父である王とは良い関係らしいけど。

 教師陣を頼り理解できるまで努力をしていた。それに王妃との確執で悩んだ経験から、気遣いもできる人だった。

 なので第1王子の評価は高く、周りの官吏からも一目を置かれている人だ。

 だけど実の母親と折り合いが悪いということで、心に寂しさを持っていた。

 そんな第1王子に献身的な愛情を注いだのが、婚約者である侯爵家の令嬢だ。

 第1王子の心を愛情で温め癒した。幼い頃から第1王子に寄り添い、仲睦まじい二人だったそうだ。


「あの令嬢はなんといったか?」

「クァンイン侯爵家の令嬢でブリジット嬢ですね」

「なら第2王子だって、ネネじゃなくても良いはずではないかッ!」


 そこだよ、そこ。そこに王妃が拘ったんだ。

 第1王子は幼馴染だったブリジット嬢と婚約したいと、王妃の意見を聞かずに王に進言した。

 そして王も、その令嬢なら良いだろうとあっさりと承諾してしまった。

 なにしろ幼馴染だ。王もよく知っていて、王子と仲良くする家なのだからと調査も済んでいた。

 社交に重きを置く家ではなく、派手でもない。だが、外交に精通し誠実な両親とそれを継いでいる兄がいた。領地経営も安定していて、仕えている伯爵家などもしっかりと管理している。

 しかも水属性魔法の家系で、しっかり回復魔法が使えた。

 第1王子は無属性魔法が主だが、聖女だった初代王妃の血を継いでいるからか回復魔法も使えた。

 そのことから令嬢とは話もあったらしい。それでさっさと婚約者に決めてしまった。

 だけど王妃は、公爵家の令嬢から婚約者を選びたかったんだ。四家しかない公爵家と懇意にしたかった。

 王家を盤石にしたいと、王妃なりの思いなのだろう。なのにまさかあんな、えせ聖女に心を奪われるなんて、王妃だって予想外もいいとこだっただろうな。


「ではさっさとその自称聖女の令嬢に、会わせてしまえばよいではないかぁッ!」


 それはね、さっきも話していたことだ。だけどあのえせ聖女の家は子爵家だから、お茶会には呼ばれない。


「なにもそのお茶会でしか、会ってはいけないわけではあるまいッ!」

「父上、その前に会わせてしまうということですか?」

「ああ! それができれば良いなッ! あとはなんとかならないか!?」


 なんだよ、そこまで言っておいてその先はノープランなのかよ。やっぱ体育会系だ。勢いはあるのだけど、先が続かない。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


今回のベルちゃんは、ちょっぴり口が悪い時があります。

貴族のちびっ子とか、可愛いロロとかを書いている反動です(^◇^;)

ベルちゃんも可愛がっていただけると嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)ꕤ*.゜

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