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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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13/102

13ー体育会系の元

 大きいのは身体だけじゃなく、声もリアクションも大きい。

 そして、超熱血漢だ。曲がったことが嫌いで、困っている人を放っておけない。

 自分の財産を全部、領民のために使ってしまいかねない。様子を見て先を読んだり、根回しをしたりといったことも不得手だ。

 フラン爺もそれを自覚している。だからこそ、自分は公爵家の当主には不向きだとさっさと引退した。

 実際に、旦那様の代になってからの方が領地経営も安定し、公爵家の資産も増えている。

 だが、家族のことはとても大事にする人だ。領地は遠いというのに、度々馬を飛ばしてやってくる。

 お嬢とブレイズ様を、目に入れても痛くないくらいの可愛がりようだ。


「おじいちゃま!」

「お祖父様!」


 お嬢とブレイズ様が走って行くと、フラン爺は二人をヒョイと抱き上げクルクルと回る。

 片方の腕にお嬢、もう片方にブレイズ様を抱き上げているんだ。お嬢はまだ分かる。だって3歳のちびっ子だから。

 でもブレイズ様はもう8歳だぞ。重くないのか?


「ワッハッハ! 二人とも少し重くなったか!?」


 笑いながら回っているから、平気らしい。な、こんなところが、めっちゃ体育会系だろう?


「なんだ、ベル! ちびっ子になっているではないかッ!」


 え? フラン爺のその言葉に、思わず旦那様や奥様、親父とお互いに顔を見る。

 皆、同じような表情をしているから、俺と同じことを思っていると分かる。


「ベル、どうなっているんだ?」

「だんなちゃま、おれも、わかんねー」

「ベルは大旦那様のことも思っていたのか?」

「おやじ、おぼえてねー」

「なんだ、あてにならないな」

「だって、おやじ。ギリギリだったんら」


 あの時、俺が時を戻す大魔法を使った時に、誰のことを思っていたかなんて覚えてない。確実に覚えているのは、親父だけだ。

 親父には覚えていて欲しいと願った。だって、戻ってから面倒だし。


「めんどくちぇー(さい)ち」

「こら、ベル。なんだその言いようは」


 いかん、気をつけないとまた親父にげんこつを落とされそうだ。


「てか、おぼえていちょう()だな」

「ああ、ベルがちびっ子になっていると言われたのだからな」

「おやじ、たち()かめて」

「俺か?」

「おう」


 だって俺ってちびっ子だし。超舌足らずな喋り方だし。


「大旦那様、ベルが小さくなっているとおっしゃいましたか?」

「なんだ、ゲイブも若返っているではないか! いや、皆だな! ワッハッハ!」


 ああ、もうこれって決まりじゃね? あとは頼んだと思いを込めて、旦那様を見つめる。

 え? 私か? と自分を指しながら旦那様はキョトンとしている。だって、旦那様の父親だし。


「父上、もしや未来の記憶がありますか?」

「おう! だから来たのだ! 何かあるのだろうと思ってな! おおかたベルあたりが、何かしたのだろう!?」


 え、体育会系なのに? 肉体派なのに、一番よく理解しているじゃないか。これは意外だった。


「周りの者は覚えていないのだ。私にだけ経験したことのない未来の記憶があった。この記憶は一体何だと、ずっと考えていたのだ! そしたら、大きな魔力を感じたのでなッ! これはベルだと思ったぞ! ワッハッハ!」


 いや、参った。まさか時を戻した時の、俺の魔力を感じていたなんて。さすが、ホルハティ家の前当主だ。

 見た目もやることも体育会系で、魔法より大剣で戦う人だ。だけど、ホルハティ家の血はしっかりと継いでいて、膨大な魔力量を持っている。

 この中で一番分かっているじゃないか。


「フランじい、おれが、ときをもどち(戻し)たんだ」

「ベル……ネネに何があった!?」


 なんて察しの良い人なんだ。俺が時を戻さないといけないほどのことが、お嬢にあったのだと察している。

 旦那様が、フラン爺に説明をした。戻す前に何があったのか。


「ネネェッ!! うおーッ!」


 それを聞いてフラン爺は、お嬢を抱きしめた。おいおい、号泣しているぞ。


「辛かっただろう! 12年間、我慢したのだろう!」

「おじいちゃまッ!」

「あんな王子にネネはやらん! 私がなんとしても阻止しようぅッ!」


 ヒシッと抱き合う祖父と孫娘。ちょっと感動の一場面みたいな感じになっているところ悪いのだけど。


「おなかが、ちゅいた」

「ベル! 感動の場面でそんなことを言うな!」

「だって、ブレイズちゃま。おれ、まだちょっとじゅつち(ずつし)か、くえねーんだ」

「チビだからだろう?」

「ちげー」


 だからさ、最初に言ったじゃないか。俺は今日、目覚めたばかりだって。それまで寝込んでいたんだ。

 親父、またあのパン粥スープバージョンみたいなの食べたいな。


「もう少し我慢しろ」

「ええー、はらへったじょ」

「ベル、果物なら食べられるかい?」


 お、やっぱ旦那様は優しいね。


「あい、たべられまちゅ」

「なら、これをあげよう」


 旦那様の前に出ていたフルーツの盛り合わせをくれた。りんごとオレンジ、それになんだか分からないフルーツがカットされて見栄え良く盛られている。


「ありがと!」

「こら、ベル」

「えっちょ、ありがとごじゃまちゅ。いただきまちゅ」

「ああ、たくさんお食べ」

「あたちが、いちごだけ、たべちゃったわ」


 お嬢は苺が好きだからな。そんなの全然構わないぞ。

 ニッコリとしてくれる旦那様。この中で一番優しいのは旦那様だ。俺、好き。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。


ぜひ!ぜひ☆マークで評価をお願いします!

ベルちゃんを!よろしくお願いします(人>д<*)

(書籍化したい下心が(^◇^;))

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