表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
102/116

102ーラブは大事

 俺はあの場にいたけど、この映像を見るのは初めてだ。

 でも待って、これってお嬢に見せても大丈夫なのか? お嬢は思い出して怖くならないか?

 俺はそう思ってお嬢を見ていた。だけど、お嬢は真剣な表情で映像を見ている。

 自分が覚えているあの時のことを確認するかのように、瞬きもせず。膝の上に揃えて置いた自分の手をギュッと握りしめて。

 映像が終わると、やっと息を吐いた。ゆっくりと、吐いて吸った。身体の隅々にまで酸素を行きわたらせるみたいに。

 お嬢は何を感じて何を思ったのか? ふと心配になった。

 怖くないはずないじゃないか、不安になっていて当然なんだ。それなのに表に出さない。

 なんて健気なんだ。今すぐにお嬢を抱きしめたい。ギュッて抱きしめてヨシヨシしてあげたい。

 俺だけはお嬢のそんなところに気付いて、甘やかしてあげたい。


「よちよち」

「ベル、なんだ?」


 親父にしたいわけじゃない。


「なんれもねー」


 重い空気を吹き飛ばすように、カリーナ様が優しい声で言った。


「ベル、助けてくれたのね。ありがとう」

「おー」

「かっこいいわよ」

「ふふふん」


 カリーナ様はふぅ~ッと大きく息を吐いた。

 それまで、誰も言葉を出さずに部屋は静まり返っていた。フラン爺のドキドキしているだろう心臓の音が聞こえてきそうなくらいだ。

 誰も責めていないのに、フラン爺ったらずっと冷や汗を流している。

 カリーナ様がいるだけで、フラン爺はとっても小心者になってしまう。これって大丈夫なのか?


「話は分かったわ。そうね、まずはあなた」

「お、おう」


 今フラン爺の身体がビクンと跳ねたぞ。

 何を言われるかと怖がってないか? フラン爺、堂々としていようぜ。


「どうして私に話してくださらなかったのですか。知っていれば私も一緒に来ましたわ」

「す、すまん」


 カリーナ様は理解がないわけじゃない。フラン爺が考え過ぎちゃっているんだ。

 ちゃんと相談すれば良いのだけど、今回は自分にしかない記憶がネックだったのだろう。

 きっとフラン爺は、どう話していいのか分からなかった。いや、そもそもそんな記憶があると話して良いのかも判断できなかった。

 そして悩んだ挙句、黙ってこっちに来ちゃったってとこじゃないかな?

 ブレイズ様とお嬢をとても可愛がっているフラン爺だから、心配で仕方なかったのだろう。


「私もネネが可愛いのですよ?」

「あ、ああ。すまない」


 カリーナ様が、フラン爺のゴツゴツとした大きな手にそっと自分の手を沿える。

 良い夫婦だ。フラン爺の奥さんは、カリーナ様じゃなければ駄目な気もする。


「でも、婚約者が公爵家の令嬢じゃないと駄目なわけじゃないわよね?」

「お義母様、そうなのですが……どうやらネネは王妃様に注目されているらしくて」

「そんな感じだったわね。真っ直ぐにネネのところに来たもの。でも私はあの王妃様はどうも……」


 ん? その先を話してほしいのだけど。


「おれは、ちゅ()きじゃない」

「これ、ベル」


 親父に叱られちゃった。だってあの王妃は俺は好きじゃない。

 今は謹慎中らしいけど。あの王はずっと王妃を謹慎させるつもりだろうか?


「おくちゃま、じゅっとかな?」

「ベル、王妃様かしら?」

「ちょう。じゅっと、きんちんちゅう(謹慎中)?」

「どうでしょうね。陛下のお気持ちは分からないわ」

「一国の王妃ですもの、ずっとというわけにはいかないでしょうね」


 今は側妃が代行という形で表に出て、問題なく熟している。よくできた人らしいし。

 そういえば、第1王子の婚約者の家と仲がいいって言ってたっけ。


「このまま側妃様で良いのじゃないかしら?」

「カリーナ、それを言ってはおしまいだ」

「あら、そう?」


 カリーナ様ったらはっきり言っちゃった。俺もそう思うけど。


「おばあちゃま、あたちはだいじょぶ(大丈夫)でちゅ。ベルもいまちゅ」

「ふふふ、信頼しているのね」

「あい。いちゅも、まもってくれまちゅ」

「そうね……ベル、これからもお願いね」

「おー、あたりまえら」


 だってお嬢は、俺がいるから大丈夫だって言った。どうだ? て顔してブレイズ様を見た。

 さぞかし悔しがっているだろうと思ったんだ。なのに、ブレイズ様ったら。


「ベル、僕からも頼む。ネネを守ってくれ」


 ええぇッ!? びっくりしちゃった。ブレイズ様なら、『ベルには任せられないな!』なんて言いそうだろう?


「何を驚いてるんだ!」


 いやいや、いつもと違うだろう? ここは突っ掛かってきてくれないと、なんだか調子が狂ってしまう。


「ふふふ、おにいちゃまも、わかっているのよ」

「おれのらぶ?」

「ばか! ベル、そこじゃない!」

「ええー」


 だって俺のラブは大事だもの。


「あらあら、ふふふ。とっても仲が良いのね」

「だからお祖母様、仲が良いわけじゃありません!」

「おれのおかげ」

「ベル!」


 さて、そろそろお昼ご飯じゃないか? 小腹が空いてきた。お昼ご飯を食べたらお昼寝しよう。

 この小さな身体はまだガリガリで体力がない。お嬢と一緒にお昼寝したいな~。二人でくっついてスヤスヤ~と眠りたい。


「おじょう、おひるね、いっちょにちゅる?」

「ベル! それは駄目だ!」

「ちっ」

「また舌打ちをしたな!」


 はいはい、ブレイズ様のいないところでまた聞いてみようっと。


お読みいただき有難うございます!

応援して下さる方、続けて読んで下さる方は是非とも下部↓の☆マークで評価をして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ