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溺愛は最上級爆裂魔法のあとで〜ちびっ子従者は運命を巻き戻す〜  作者: 撫羽


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101/112

101ー召し上がれ

 俺は風魔法にしているけど、氷魔法でもいいよ。ただし、ゆっくりとだ。


「ほう、なるほどな。そうしたら早く固まるのか」

「ちょう。れも、やりちゅぎたら、ちっぱいちゅる」


 プルンとした硬さになったらオッケーだ。食感や喉越しも大事だ。

 出来上がったゼリーとフルーツを盛り付けよう。


「かためたのを、フォークでくだ()くの」

「フォークでか? ボロボロになるぞ?」

あら()~くれいい」

「こんな感じか?」

「ちょうちょう」


 うん、良い感じだ。ゼリーの大きさが不揃いな方がいいんだ。食感に変化をつけてってな。

 透明な容器があるといいな。見ていた料理人が、冷たいものだからとガラスの器を用意してくれた。気が利くね。

 少し深さのある涼し気なガラスの器に盛ってもらおう。


「ふるーちゅ、じぇりー、ふりゅーちゅ、じぇりーっていれる」

「へえー、よく考えたもんだな。可愛いじゃないか」

「うん、おじょうのは、おれのらぶ()れて」

「アハハハ、分かってるって」


 良い感じじゃないか? ミントの小さな葉を飾ったりして。


「おう、お洒落じゃないか」

「ベル、味見させてや」

「俺も」


 はいはい、どうぞー。みんな食べてみて。


「同じゼリーなのに、食感が違っていいな」

「うめー」

「カリーナちゃま、じゅっとばちゃ(馬車)だったから」

「そうだな、果物だと優しくていいな」

「ちょうちょう。おひるごはんまえ()だち」


 これを持って行ってもらおう。もう、メイドさんがスタンバっていた。もしかして、食べてみたい? と出すと、嬉しそうな笑顔になった。


「これいいな、果物を変えたらまた味も違ってくるだろうし」

「ホイップとか、あいちゅ(アイス)とかも」

「おー、そうだな」


 そうそう、良い感じにデコレートしてくれるといいよ。

 俺のラブが入っているのはお嬢に。メイドさん間違えないでね。そう思って見ていると、ニッコリされちゃった。

 そのゼリーをみんなに食べてもらう。見た目もいいだろう?


「どーじょー、めち(召し)あがれ」

「まあ、綺麗ね」

「ベルは色々考えるわね」


 今日は旦那様は登城していて留守だ。カリーナ様と奥様が二人で器を持って眺めている。


「カリーナちゃま、たべて。ちゅか()れてるだろうから」

「ベルは優しいのね」


 だって何日も馬車に乗ってきたのだから。


「ベルは点数稼ぎが上手いんだ」

「ブレイズ、そんな言い方は駄目よ」

「はい、母上」


 良い返事をしているけど、俺にはフンッてお顔をしている。なんだ? 文句があるならブレイズ様は食べなくてもいいぞ。


「どうせあれだろう? ネネには入っているのだろう?」

「おれのらぶ」


 よく分かるな。さすが俺のストーカーのブレイズ様だ。


「ブレイズちゃまは、おれのちゅとーかー(ストーカー)

「ベル、なんだって? そんなわけないだろう!」


 はいはい、テレなくてもいいよ。俺はドンと受け止めてやるから。ふふふん、俺はブレイズ様より大人だからね。


「なあに? ラブなの?」

「ちょう、おれのらぶ」

「おばあちゃま、いちごをハートにかわいく()ってくれているのでちゅ」

「それでラブなのね。ふふふふ」


 いや、だから俺の気持ちだって。お嬢は分かってる? 分かってくれてないと困るんだけど。


「それより、あなた。ちゃんと話してくださいな」

「お、おう……」


 ゼリーを食べていたフラン爺の目が泳いでいる。これって、ちゃんと説明できそうもないぞ。

 仕方ないな、俺が助け船を出してあげよう。


「フランじいは、おじょうのぴんち(ピンチ)かん()じとったんら」

「そ、そ、そうなのだ!」

「ネネがピンチだったの?」

「ちょうちょう」

「お義母様、実は……」


 奥様が上手く記憶のことに触れないで説明してくれた。第2王子の婚約者を決める目的だろうお茶会があったって。

 王妃様が主催だから断れなくて、でもお嬢は婚約者に選ばれたくなくて。


「そうなのだ! 私はネネが心配だったのだ!」


 急に元気になったフラン爺。機転が利かないってどうなの? あー、だから領主に向いてないのか。

 でもさすがに、未来の記憶があることは話してはいけないと思っている。

 それを自分だけあるのはどうしてだ? と戸惑っただろうに、よく黙っていたと思う。

 フラン爺なら、カリーナ様に話していそうだもの。いや、カリーナ様なら話してもいいと思うよ。

 時を巻き戻したなんてとんでもない話でも、ドンと受け止めてくれそうだ。


「第2王子殿下は……まだ幼いのに優秀な方だと聞いているけど」

「そうなのですが……少し、傲慢な一面もあるのです」


 奥様ったら結構ハッキリ言った。確かに傲慢で自分は偉いと思っている。

 下手に頭が良いから余計なんだ。そして、王妃もそれを注意したりしない。

 王子の教育係はどうなのだろう?


「でもネネに決まるとは限らないでしょう?」

「カリーナ、それが他の公爵家に同年代の女の子はいないのだ」

「それは……困ったものね。それでネネは、婚約者になりたくないのね?」

「あい、おばあちゃま。じぇったい(絶対)いや()なのでちゅ」


 お嬢の訴えに、カリーナ様は真剣に耳を傾けてくれた。

 まだ3歳の子供の言うことなのに、ぞんざいに扱うこともなく。お嬢の気持ちを理解しようと、ちゃんと向き合ってくれた。

 あの時何があったのか実際に見てもらう方が早いと、奥様はあのお茶会の時の映像をカリーナ様に見せた。


お読みいただき有難うございます!

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