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田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件  作者: マルルン
2年目の秋~冬の件

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996/1011

まずは“キッズチーム”が快進撃を見せる件



 さっきチラッと見た限りでは、香多奈たち“キッズチーム”が入ったエリアはフィールド型だった。外国の森の中って雰囲気で、どちらに進むべきか迷う。

 そこを通信で呼び戻されて、(ろく)に探索も出来なかった次第である。今は堂々と、萌とルルンバちゃんを先頭に一行は探索を開始した所。


 その陣形だが、中衛には肩に軟体幼児を乗せた茶々丸が控えている。今は人型(遼)に《変化》しており、機動力より足並みを合わせる心積もりの模様。

 もちろんそれは、機動力お化けのハスキー軍団がチームにいない事も起因している。そんな場面で茶々丸が暴走したら、ヒバリがくっ付いて来て大変な事に。


 そんな考えを持てるだけでも、凄い進歩だと家族から褒められて心中複雑な仔ヤギだったり。とにかく、この位置は姫香と中衛を組んで散々身に染み込んでいる。

 後は、ちゃんと弟と妹が自分の言う事を聞いてくれるかどうかだけ。大任を押し付けられた茶々丸だが、ヤル気だけは相棒の萌以上に燃え上がってる。


 そして後衛陣は、安定の香多奈とその護衛の2号ちゃんのみ。普段の陣形からすると随分と寂しいが、今回は入場規制のあるエリアなので致し方なし。

 この選ばれしメンバーで、とにかく全力を尽くすのみ。


「そんな訳で頑張って行くよっ、みんなっ! このみんなで、他のチームより早くダンジョン攻略して、姫香お姉ちゃんをアッと言わしてやるんだから!

 萌にルルンバちゃん、アッチの方向に進んで頂戴っ」

『そんな事言って、無理しちゃダメだよっ、香多奈ちゃんっ! 入る前に約束したでしょ、無茶はしないで安全策で探索して行くって。

 まずはエリアの構成と、敵の種類を教えてねっ』


 そう辛口モードで割って入る長女に、は~いと返事をする一見良識的な末妹である。まぁ、心の中では何を考えているか分かったモノではないけど。

 そんな今回の探索も、魔法のコンパスは香多奈が所有していた。


 その指示に従って進む萌とルルンバちゃん、高い樹々の生い茂る森の中は敵はまだ出て来ない。と言うか、その一行の前を飛ぶ青い鳥は何かのテイスト?

 ダンジョンはたまに、突飛な仕掛けを用意して来る事がある。前回の“監獄ダンジョン”なんて、まさにその典型的な例ではあった。


 そう考えると、果たしてあの青い鳥について行っても良いモノか。とは言え、ゲートの方向が完全に一致しているのでそちらに進むしか手はないキッズ達。

 数分も進むと、エリアは段々と(ひら)けて敵も出て来るように。まず出現したのは、豚顔のオーク兵の群れだった。半ダースの敵は、手始めには丁度良い。


 数も少ないしサッとと倒すよとの香多奈の号令に、すかさず反応する前衛の萌とAIロボ。それから右の奴を倒すよと、茶々丸の指示で中衛陣も動き出す。

 お兄ちゃんの動きに素直に従うヒバリは、今日の探索はいつもと違う事を理解はしている模様。何しろ見ただけで分かる、いつもの頼りになるハスキー軍団がマルッといないのだ。


 或いはその事実に、自然と慎重になっているのかも。意外と内弁慶と言うか、頼みのハスキー達のいない事実は仔グリフォンの心境にも大きく作用していた。

 ともかく、慎重なのは悪い事ではない……茶々丸(遼)も、自分が暴れるだけでなくヒバリの行動にも気を遣っているようで進歩がみられる。


 そして萌とルルンバちゃんに関しては、安定の盾役で心配する暇もない程。対面したオーク兵は、二合と掛からず致命傷を受けて魔石へと変わって行く。

 さすが、A級ランクのチームで揉まれ続けた戦士だなってレベル。


 それを後押しする末妹の応援は、後衛陣に護人や紗良がいなくても元気そのもの。カラ元気なのかも知れないが、案外と深く考えていないってのが正解か。

 それはともかく、最初のオーク兵はチビッ子軍団の頑張りであっという間に倒されて行った。そして魔石を拾うルルンバちゃんと、少し先を見に出掛ける萌。


 そして前方に変な建物があったよと、報告に戻って来た仔竜である。ヘンって何と、一行はそちらを全員で見学に向こう流れに。

 チビッ子軍団は、香多奈を中心にとってもアグレッシブ――





 一方の、紗良と姫香とハスキー達のチームは、これまた風変わりなエリアに出ていた。恐らくは広いエリアなのだろうが、丈の高い布で間仕切りされている。

 天井は複雑な紋様が描かれて、どこかの遺跡風なのだがそれ以外は不明。白い布は薄い造りだが、高さは4メートル以上あって天井から糸で釣らされていた。


「うわっ、なにこれ……布の迷宮って感じかな、どっちを向いても白い布しか見えないよっ。これって、下からめくって進んだらやっぱり反則なのかなっ?」

「えっ、これって迷宮なの、姫香ちゃん? ただの間仕切りなのかと思ってたよ、目的までは考えてなかった……ええっ、これって迷宮なのっ?」


 前後左右に拡がる白い布は、パテーションの役割を果たしていてそれはもう壮絶な景色。紗良はこれが迷宮だとは信じれないようだが、ハスキー達も同様らしい。

 布の下から抜けようとして、壮絶に顔にバッテンを貰っている。


「あっ、ハスキー達がズルをしようとしたら、鼻先に赤いバッテン貰っちゃった! 大丈夫、コロ助……そのバッテンにダメージってついてるの?

 ツグミも、闇渡りとか無理しないで良いからね。普通に歩いて、ルートを確定すればいい話なんだから。

 序盤から無茶して、変な仕掛けを作動させる方が不味いよっ」

「うわっ、本当にコロ助ちゃんの鼻に赤いバッテンついちゃってる……布をめくって下を通るのは、明確にダメな行為って禁止されてるんだね。

 変なエリアだけど、まぁルールの1つは確定したのかな?」


 そうだねとコロ助の鼻を撫でる姫香は、ダメージは無いみたいと長女を安心させる。それからツグミに、どっちに進もうかと改めて相談の素振り。

 レイジーは、いつもより圧倒的に少ないチーム員にやや神経質になっている感じ。それは姉妹も同じで、勘が狂うと言うかソワソワしてしまって仕方がない。


 それでも探索を進めて、最低でも3層はクリアしないと。“鬼のダンジョン”はどれも3層構造なので、ここも恐らくそれでクリアになってくれる筈。

 そして鍵をゲットすれば、大ボスの間の挑戦権を得るって流れが毎回のパターン。それが3つ必要なのだが、今回はそれぞれ年齢制限が課されている模様。


 つまりは、キッズとアダルトとミドルのエリアがあって、その年齢に沿()ってないとどうやっても侵入不可みたい。さっき散々試してみた姫香だが、キッズ&アダルトエリアにはどうやっても入れなかった。

 それは護人や香多奈も同じで、各エリアでそれぞれ鍵を入手する必要があるって事。このミドルエリアは、ハスキー達がいるからまぁ攻略は平気だろう。


 問題は、実質的な探索者が護人とミケしかいないアダルトエリアである。それから香多奈のキッズエリアも、ちょっとだけ心配かも。

 何しろあの破天荒(はてんこう)娘は、たまに身勝手に暴走する癖があるのだ。真面目な萌やルルンバちゃんが付いてるけど、苦労を掛けていなければ良いのだが。


 とか思うが、この“布の迷宮”も何だか癖が強くて厄介そう。ハスキー達も、どっちへと進むべきか決めかねていて、ひらひらなびく布に神経質になっている。

 取り敢えず進んでみようかとの紗良の言葉に、姫香はそれじゃこっちに進もうとルートを指差す。その指針に従って、仕事だと動き出す真面目なハスキー達。


 そして、数分も進まない内に最初の襲撃が訪れた。それは巨大な人の形の陰で、左右の布をスクリーンに脅すように一行を挟み撃ちにしようとして来る。

 うわっと驚く姉妹だが、ハスキー達の斬撃はそんな襲撃を軽く撥ね返していた。レイジーとツグミの剣で斬られたのは、恐らくはシャドウ族だった。


 それ以上に驚きなのは、全く切れもほつれもしない白い布の頑丈さである。一体どんな素材で出来ているのか、感心する事しきりな長女だったり。

 仕舞いには、触ったり(つま)んだりと独自に分析を始める始末。


「いいなぁ、この布素材……ハスキー達の戦闘ベストに使えるんじゃないかなぁ? たまに出る布素材は、伸縮性が無いからコロ助ちゃんやレイジーちゃんの巨大化に耐えられないんだよねぇ。

 ほら見て姫香ちゃん、この布こんなに伸びるし頑丈なんだよっ!」

「本当だ、ハスキー達の斬撃にも耐えてたと思ったら、そう言う仕組みだったんだねぇ。もう少し実験してみようか、紗良姉さん」


 そう言う姫香は、紗良に《氷雪》の準備を頼んだ後に、レイジーに軽く炎のブレスを布に向けて頼む。この燃焼実験は、想像通り焦げ1つ付かずに終了の運びに。

 感心する両者だが、今度は風の斬撃を試してみようと姫香はノリノリ。そうして《豪風》スキルを発動させた途端、周囲は布のはためきで大変な事に。


 具体的には、たわんだ布に左右から襲い掛かられて、ダメージを受けてしまう一行であった。それ程の凄まじいしっぺ返しは、さすがに姉妹は想定しておらず。

 慌ててスキルを取り止めて、今度は『圧縮』スキルで防御に励む姫香。そのせいもあって、白い布のはためきは何とか止んでくれた。


「ビックリしたっ……こんな事になるって、全く思ってなかったよ。ゴメンね、紗良姉さんにハスキー達。

 このエリアじゃ、使うスキルは考えた方がいいかもね?」

「そうね、でもレイジーちゃんの炎も延焼しないって分かったのは大きいかな? それからこの布の存在自体が、かなり厄介なギミックだって事も理解出来たよ。

 本当にダンジョンって、多種多様で面白いよねぇ」


 姫香は面白いとは思わないが、物事を多面方向から見るとそうなのかも。ハスキー達も、少なくともこの白い布にちょっかいを掛けたらダメと理解はした模様。

 それから破壊は不可能で、下を潜っての移動も無理みたい。光の加減で向こうが透けて見えるけど、それも当てにはしない方が良さそう。


 つまりここは、敵が隣の通路にいても間接的に仕掛けて来れると言う変なエリアなのだ。これを面白いと取るか厄介と判ずるかは、確かに微妙な所ではある。

 それを頭に入れて、ミドルエリアの探索は続行されるのだった――





 そして“アダルトエリア”に排出された、護人とミケと妖精ちゃんの凸凹(でこぼこ)トリオである。そこは室内エリアで、真っ直ぐなルート設定である意味分かりやすそう。

 ただし、何だかどこかで見たような仕掛けが各所に散りばめられて護人は一気に顔色を無くして行く。例えば水に浮かぶ浮き島とか、ジャンプや腕力で移動を余儀なくされるコースとか。


 要するにアスレ仕様の仕掛けが盛りだくさん、例えて言うなら『サスケ』のトライコースである。まぁ、幸い薔薇のマントもこのエリアに連れては来れた。

 しかし果たしてダンジョンが、飛行スキルを見逃してくれるかは疑問が残る。





 ――悩ましい表情の護人だが、まずは真面目に取り組むべき?







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