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田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件  作者: マルルン
2年目の秋~冬の件

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5つ目の“鬼の報酬ダンジョン”に挑みに掛かる件



 新年が開けて1発目の探索も、波乱はあったが無事に成功をおさめた。その勢いのまま、来栖家チームは青空市の次の週に新年2回目の探索計画を練る事に。

 何しろお泊まり組が元気に活動しているのだ、こちらも安穏とおコタに入って傍観(ぼうかん)などしていられない。いや、風邪を引くと不味いので防寒(ぼうかん)は大事だけど。


 そんな訳で、お泊まり組と土屋チームの混成チームが、お決まりの“鬼の試練ダンジョン”で特訓する流れを受け。来栖家チームも、最後の5つ目の“鬼の報酬ダンジョン”を終わらせる手筈を整えに掛かる。

 実際、チームとしては“津和野ダンジョン”のレア種戦で受けたダメージからは見事に回復を遂げている。ついでに新しい装備やスキルも得ているので、慣らし運転はやっておきたい。


 そんな子供たちの発言を受け、2週連続で近場の敷地内ダンジョンに挑む事に。探索に熱心なのは、年が明けても変わらない姫香や香多奈である。

 それはもちろん、ハスキー達を始めとするペット勢も同じく。その知らせを子供たちから受けて、テンションが上がりっぱなしの茶々丸やヒバリだったり。


「本当に元気だね、2匹とも……外はこんなに寒いのに、関係ない位に(はしゃ)いじゃってさ。まぁ、今回も近場だから移動は楽だよね、護人さん。

 それに1個だけ未踏破場所を残しておくのも、ちょっと気持ち悪いもんね」

「“鬼の報酬ダンジョン”は、報酬も凄いから期待外れって事はまず無いからねっ! “天狗のダンジョン”ばっかりやってたら、小鬼ちゃんも()ねちゃうからこっちも挑戦しないと。

 さあっ、今回はどんな仕掛けが待ってるのかなっ?」

「香多奈も負けずに元気だな、本当に羨ましいよ……それはともかく、お泊まり組もさっき出掛けて行ったみたいだね。

 それならこっちも、同じギルド員として活動しなきゃな」


 当然だねと元気な同意を示す子供達は、既に探索準備もバッチリ整えていつでも出発オーケー。そんな訳で、リーダーの言葉に先陣を切るハスキー達である。

 今回の目的地は、“鶏兎ダンジョン”から入れる5つ目の“鬼の報酬ダンジョン”だ。独特の3層構造が3つの扉に別れて存在しており、最後は大ボスの間に繋がっている構成だった筈。


 それらも既に4つ攻略済みで、何の躊躇(ためら)いもない来栖家チームの面々。ところがまさか、突入後にあんなに戸惑う事になろうとは。

 この時は誰も思いもせず、それはナンチャッテ予知持ちの香多奈も同様だった。つまり順調だったのは、“鬼の報酬ダンジョン”の前に到着するまでと言う。


 いや、その先のゼロ層フロアに突入した後も、特に異変の類いは見付からなかった。問題が起きたのは、どの扉から攻略をしようかと子供たちが騒いだ後。

 3つの扉が一斉に光を放ち、気付いたら来栖家チームはダンジョン入場を果たしていた。護人も同じく、いつの間にか長い通路に立って愕然(がくぜん)とする始末。


 ゲートを潜ってないのに、強制移動とは何ともせっかちなダンジョンだ。しかもこのエリアにいるのは、護人の他にはミケと妖精ちゃんのみ。

 他の家族チームの面々は、影も形も窺えず。


「あれっ、みんなどこだっ……? うおっ、ミケはいたけど子供達もペット達もいないな。おっと、後は妖精ちゃんもいたのか。

 それで、転移させられたのはこの3人だけ?」


 慌てる護人だが、ミケや妖精ちゃんはさほどでもなく周囲を見回す素振り。ミケは素早く護人の身体をよじ登って、肩の上の定位置をキープ。

 妖精ちゃんは、ここが例のダンジョン内だと気付いた模様。それから後ろに入り口ゲートがあるぞと、偉そうな口調で教えてくれた。


 慌ててそれを潜ると、無事にさっきのゼロ層フロアへと無事に戻って来れた。しばらく待っていると、別の扉から紗良や姫香やハスキー達も戻って来てくれた。

 それから、強制ワープに一通り文句を述べてハッといないメンバーに気付く。つまりは、一番騒がしい香多奈と茶々萌やルルンバちゃん辺りがいない。


「えっと、護人さんたちはこのゲートから出て来たって言ってたよね。そんで、私達とハスキー達はこっちの扉から出て来たから……香多奈は多分、この端の扉の奥じゃ無いかな?

 私とハスキー達で、ちょっと様子を見て来るよ」

「あっ、それじゃあ私は……巻貝の通信機を、香多奈ちゃんと分け合ってるから試しに話し掛けてみるね?

 良かった、転ばぬ先の杖で用意をしておいて」


 そんな事を言い合う姉妹だが、姫香とハスキー達の試みは敢え無く失敗に終わってしまった。端っこの扉は、姫香のどんなアクションにも全くの無反応。

 護人も試してみたが、同じくどうやっても通れないと言う結果が分かっただけ。紗良と姫香が出て来た扉も、護人はやはり通れずの結果に。


 ただし、紗良の通信は繋がってくれて家族はようやく一安心。そして末妹は、やっぱりダンジョンのエリア内にいる事が判明した。

 驚いた事に、香多奈はペット達を率いてこのままエリアを攻略する気満々だった。戻っておいでと怖い声の姫香の一言で、ようやく数分後に家族はゼロ層フロアで邂逅(かいこう)を果たす。


 それから、この扉の仕掛けは何なんだと言う推理タイムの始まり。思い出されるのは、鬼の造ったダンジョンの“男女ダンジョン”の仕掛けである。

 あの時は、確かに男女別のエリアが2つずつあって、どうやっても男子禁制エリアには護人は入る事が出来なかった。同じく女子禁制エリアには、姉妹は入れず難儀した覚えが。


 ここも同じく“鬼の報酬ダンジョン”である、似たような仕掛けがあっても不思議ではない。ただし今回は、男女の分け方で無いのは明白である。

 紗良と姫香が通れた扉には、コロ助も同じく飛ばされていた。護人はミケと一緒だったし、香多奈は茶々丸と同じエリアを潜っていた。


 姫香は末妹と同じエリアのメンバーを、全員確認して何となく納得顔に。他のメンバーだと、ムームーちゃんやヒバリや2号ちゃんもこのエリアである。

 そこまで聞いて、紗良もああっと両手をポンと叩いて納得顔に。


「つまり、年齢別に振り分けられたって事かなぁ? そう言われたら、護人さんの所もミケちゃんと妖精ちゃんだもんねっ。

 妖精ちゃんも、実は100年以上生きてるって話だし」

「えっ、そうなんだっ……初めて知ったよ、リリアラと同じで妖精って長寿の種族なんだねぇ。それにしても、その分別じゃ護人さんチームが薄くない?

 だって、前衛は護人さんだけじゃん……ウチは丸々ハスキー軍団がいるから余剰気味だけどさ。レイジーも一応、まだお嬢さんの年齢って扱いなのかな?」

「子供いっぱい産んでるのに、ダンジョンの判定は不思議だねぇ。まぁ、ウチのチームもルルンバちゃんと萌がいるから前衛も中衛も平気だよっ!」


 アンタの所が一番不安なのよと、香多奈の言葉には各所から一斉にツッコミが。さすがに護人が甘くても、このままキッズチームの探索を許す訳には行かない。

 ところが香多奈も、ダンジョンの設定を盾に自分の我が(まま)を通す構え。つまりは、このまま放置だと永遠に鍵が揃わないじゃんと。


 どうやら、自分だけ家で大人しく待っていると言う選択肢は、少女の中には無い模様。ただまぁ、キッズ組はムームーちゃんとヒバリと言う爆弾も抱えている。

 軟体幼児は割と大人しいが、その扱う魔法スキルはかなり凶悪だ。ちゃんとした指示出し役がいないと、戦況が破綻する恐れも大いにある。


 いつもは護人(父ちゃん)がすぐ側にいるので、探索中も安定した精神状態で臨めているのだが。これが末妹となると、代わりが勤まるかは(はなは)だ疑問。

 キッズ組には茶々丸と2号ちゃんもいるが、この2名の話題には誰も敢えて触れず。茶々丸はある程度、自分で考えて戦えると言う利点はもちろんある。

 ただしそれは、猪突猛進を含んでとってもリスキー。


 2号ちゃんに至っては、ルルンバちゃんの操作なので完全に指示待ちである。それでも破綻なく動かせている、ルルンバちゃんの《並列思考》は凄いスキルかも。

 そんな訳で、問題は末妹のルートをどうするかの1点に。護人のルートは、無理なら戻って助っ人を呼べば済んでしまう話でもある。


 例えばムッターシャやリリアラなら、恐らくこのアダルトエリアへ入れる筈。つまりは、その一時撤退の判断が香多奈に出来るのなら、キッズチームの探索許可は出そうな雰囲気。

 それを察した末妹は、定期的に報告を入れるからと駄々っ子モードに突入。自分に甘い保護者に狙いを定め、お得意の渾身(こんしん)のおねだりを発動する。


「仕方ないわね、こうなったらこの子テコでも動かないから。下手に目の届かない所で突入されるより、萌とルルンバちゃんを信じてこの時間に一緒に探索させようよ、護人さん。

 その代わり、巻貝の通信機は紗良姉さんと常時接続させればいいんじゃない?」

「なるほど、指示出し役を紗良にするって事か……それならまぁ、危険度はかなり低くなってはくれるかな? まぁ、ヒバリとムームーちゃんの問題はあるけど、そこは思い切って茶々丸に頼もうか。

 何しろ茶々丸は、立派なお兄ちゃんだからな」

「そうだね、お兄ちゃんは弟と妹の面倒はしっかり見ないとね! ヒバリとムームーちゃんが暴走しそうになったら、ちゃんと叱ってチームを(まと)めるんだよっ」


 いきなり家族からそう言われた仔ヤギは、えっと言う表情で驚愕の顔付きに。自分だって暴れたいのにと、その瞳は語ってるけどマルっと無視の面々である。

 こうやって茶々丸を抑えておけば、年少ペット勢のヤンチャも多少は減る可能性が。そんな目論見(もくろみ)を含みつつ、何とかゴーサインを貰えた香多奈であった。

 ただまぁ、今回の3面同時攻略は色々と波乱含みなのは確かな模様。




 その頃、萌は実年齢がバレなくて思いっ切り安堵していた。本来なら“意思を持つ宝石”時代を含めば、この場の誰よりも長生きしている自覚のある仔竜である。

 ドッキドキの口論タイムだったが、どうやら焦点は末妹の香多奈を探索に同行させるかどうかって事のよう。確かに3チームに強引に分離されると、チーム力は否応なく下げられてしまって不味い事態ではある。


 そして香多奈のいる“キッズチーム”は、萌とルルンバちゃんが代表して引っ張る事に。萌の相棒の茶々丸は、チビ共のお世話と言う妙な役割を与えられる始末。

 確かにそれは大事かも、何しろチームと言うのは統率力が大事なのだ。勝手に動く者が2名もいると、簡単に破綻してチーム全員が迷惑を(こうむ)ってしまう。


「そんな訳で、萌は今回は茶々丸に騎乗しないでソロで前衛ねっ。そんでルルンバちゃんが斥候役で、罠とか敵の待ち伏せをチェックするんだよっ。

 茶々丸は……あらっ、(りょう)ちゃんの姿になったんだ?」


 仔ヤギも大任を与えられ、色々と自分なりに考えたらしい。『王者の王冠』に『ヴィブラニウムの槍』と言うスタイルで、機動力より統率力を重視した模様。

 その肩には軟体幼児を乗せて、ヒバリをここにおいでと足元に招く仕草。どうやら家族に言われた事を、真面目に(とら)えて成長(いちじる)しい仔ヤギである。

 ただまぁ、それを信じ切れるかと問われればやっぱり不安かも?





 ――それでも、3面同時攻略は満を持してスタートの運びに。







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