表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件  作者: マルルン
2年目の秋~冬の件

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1033/1037

いよいよ“空母ダンジョン”のボスの間に到達しそうな件



 その頃、ドラゴニュート&リザードマン部隊を退けた後衛陣は、やんやの盛り上がりを見せていた。結果的には、紗良の範囲魔法の追撃で敵の大半は行動不能に。

 そこに2号ちゃんの魔銃&近接攻撃で、何とか味方に被害も無く窮地を乗り切る事に成功した。つまりは、切り札のミケを温存しての完全勝利である。


「ふっ、またつまらぬモノを斬ってしまった……」

「どっ、どうしたのかな、香多奈ちゃん……エルヴィスちゃんを持って、剣士ごっこでもしてるの? それは良いけど、剣なんか持ってたら護人さんと姫香ちゃんに怒られるよっ。

 ああっ、でもエルヴィスちゃんのパペットが破壊されちゃったのかぁ」


 要するに、損害無く切り抜けたとは言えない状況ではあった。それでもまぁ、あれだけのピンチをミケの手助けなく切り抜けたのは大きな功績だ。

 そんな事を話し合う姉妹は、他の戦況もしっかり把握済み。護人の空中戦も姫香とハスキー達の前衛陣も、無事に敵を退けて今は休憩中の模様。


 手分けしてドロップ品を拾っていたら、護人が紗良と香多奈の後衛陣に合流して来た。それから怪我はなかったかとの問いに、平気だよと()れっと返答する末妹だったり。

 どうやらエルヴィスとの共闘は隠し通す算段みたいで、まぁそれが怒られない一番の正解ルートだろう。そう思った紗良は、家族の平和のためにそのお手伝い。


 つまりミケの手を借りず、エルヴィスと自分の範囲魔法でこの場は(しの)ぎ切ったと。さすが高難易度ダンジョンだけあって、敵は強かったけど何とかなった。

 取り敢えずはその結果に安堵する、護人と紗良の年長組である。それから長女は、姫香とハスキー達のいる前衛陣に怪我チェックへと向かって行った。


 向こうも戦闘は終わったけど、ドロップ品の回収に忙しそう。パッと見た限りは大きな怪我をした者もいないようで、周囲の安全も一旦(いったん)は確保出来たみたい。

 それにしても、5層エリアで新たな敵の追加はかなりビビってしまった。竜種がいきなり2体に、加えてドローン型の魔導ゴーレムも空から襲撃して来たのだ。


 コイツ等は、オーバーフロー騒動で外にも(あふ)れ出て来たので事前に確認は為されていた。とは言え、こんなに徒党を組んで出現して来るとは想定外。

 何とか倒し切る事が出来て良かったが、実際に竜種もドローン兵器も一癖あって油断すると大変な目に遭っていた筈。護人は接敵前に、ムームーちゃんと先手を打って何もさせずに倒して事なきを得たと言う。


 そう考えると、薔薇のマントの『飛行』はかなり優れている能力かも。もちろん、肩の上の軟体幼児の魔法スキルの威力も凄かった。

 そのムームーちゃんは、現在は末妹の手伝いで落ちてる魔石や近代兵器の回収に忙しそう。護人もそれを手伝いながら、激しかった戦闘の後片付けを進めて行く。

 その合間にも、ボチボチ敵の襲撃が何度か。




「うわあっ、このエリアは敵の密度が高かったせいか、頻繁に戦闘が起きる仕様だったねぇ。お陰でドロップ品の回収に、10分以上も掛かっちゃったよ。

 でも、いい加減エリア内の敵もいなくなってくれたかな?」

「そうだな、それにしてもこのエリアにはボスの間がある筈なんだが。ひょっとして、あのドーム状の建物がそうなのかな?

 空中から見た限り、他には特に目立った施設は無かった気がするな」

「ああっ、あの建物はドロップ品を拾ってる間も、一番目立ってたし気にはなってたねぇ。それじゃあ、休憩終わったらそこに向かって出発かなっ?

 迷子ちゃん、いよいよ最後の戦いになるかもだよっ!」


 相変わらず“知性を持つ剣”を抱えて離さない香多奈は、そう言って大ボス戦を見据えて意気込んでいる。ここは既に5層目なので、そうなる可能性はとっても高い。

 そんな感じで話し合う一行は、ペット達の怪我チェックも終えての休憩中。散らかったドロップ品も、途中で寄って来た敵もあらかた倒し終えてまったり模様。


 とは言え、さっきみたいな奇襲が無いか周囲の見張りは欠かさない面々。特に空中から、音もなく忍び寄るバルーン型モンスターはとっても厄介である。

 それなら、まだ飛行音のするドローン兵器の方が存在感があって幾分かマシ。ただしそちらは、魔玉のばら撒きや銃火器も備えているので、戦力的には遥かに上で対処も大変だ。


 そんな感じで話し合う内に、休憩時間も終わっていよいよ怪しいドームへと進む事になった。突入から既に3時間が経過して、そろそろお昼休憩もしたい所。

 ただし、5層で終わりなら探索を終わらせてゆっくり食事にしたい。悩ましい所だが、怪しいドーム状の建物はもう一行の目の前である。


 ところが近付くにつれて、似たようなドームがもう1個その奥に見えて来てビックリ。色合いは銀と黒で微妙に違うけど、ドームの形はそっくりである。

 あれっと不思議そうな子供達は、どっちがボスの間かなと不思議そう。先頭を行くハスキー達も、どっちに入るべきかなと足を止めて悩んでいる。


 その時、ドームの入り口からモンスターが看板を手に飛び出して来た。その看板には『ようこそ!』と書かれていて、持ってるのは派手な衣装のカエル男である。

 どうもカエル男は、その手の派手な服装を好む傾向があるのかも? それを見た香多奈は、何故かその呼び込みに感動して奇声を上げている。


 大集団に驚いたのか、派手な呼び込み衣装のカエル男は、手にした看板を落として出て来たゲートに引っ込んでしまった。それを本能で、待てゴラァと追いかけようとするハスキー軍団。

 慌てて制止の声をあげる姫香だが、何となく罠って雰囲気でも無さそう。そんな訳で、後ろを振り返ってリーダーにお(うかが)いを立てる少女である。


「むうっ、客引きをするお店って言うのは、ほとんどぼったくりだからなぁ。あからさまに怪しい仕掛けだな、ってか普通モンスターが客引きするかな?

 中は一体、どうなってるんだろうね?」

「ああっ、お酒飲む所とかはそう言う感じのお店が多いのかなっ? まぁ、叔父さんはほとんど飲まないから、そう言うお店には行かないよねっ?」


 もちろんだと答える護人の、声はやや上ずっていたかも……それは末妹から、意外な角度から飛んで来たパンチに驚いたからに他ならないのだが。

 姫香辺りは、怪しいなって視線で家長を観察などしていたり。それはともかく、ハスキー達は逃げたモンスターを追っ駆けたい本能が爆発寸前。


 それに引きずられる形で、手前のドームへと入る事に決めた来栖家チームであった。つまり最初に見つけた巨大施設で、中身は何なのか外側からは窺えない。

 その確認にと、一団となって暗い色のゲートを潜った一行は中身を目にしてビックリ仰天。何とその室内は、各種バルーンに(いろど)られて物凄い景色。


 地面もバルーンで、所々に何故かトランポリンが設置されている。進み入ったハスキー軍団は、その地面の頼りなさに挙動不審な動きになっていた。

 それは他のペットや子供達も同様で、ルルンバちゃんも沈みそうな自身の体重を持て余している感じ。そんな地面に慌てている一行に、宙を飛んでバルーン型モンスターが忍び寄る。



「みんなっ、慌てないで取り敢えず態勢を整えて……バルーンは接近される前に、手分けして全部破壊するぞっ!」

「奥の大きなバルーンの上には、巨大蛙とカエル男がいるねっ。てっきりボスはドラゴンかと思ったけど、ここはボス部屋じゃないのかなっ?

 ルルンバちゃん、危ないからヨタヨタしないでっ!」

「無茶言ってルルンバちゃんを(いじ)めるんじゃないわよ、香多奈っ! こんな不安定な足場じゃ、バランス保つのは大変でしょ!

 とは言え、味方を巻き込んで倒れないでね、ルルンバちゃん」


 不遇なAIロボだが、すぐに自前の《重力操作》スキルの存在を思い出し、何とか姿勢制御に成功した。ただしこれは、ツグミの《アビスドーム》程に万能ではない。

 精々がバランス操作の補助程度で、それでもすぐに対応出来るセンスはさすがかも。その間に、護人や軟体幼児は敵のバルーン型モンスターの討伐に必死。


 何しろコイツ等は、破裂の際に周囲に何を()き散らすか分かったモノでは無い。うっかり頭上を取られたら、毒や爆破を覚悟する破目に(おちい)ってしまう。

 それをエルヴィスも手伝って、地盤安定に成功したAIロボも加勢を始める。20体近く浮いていたバルーンは、その甲斐あって全て近付く前に処分出来た。


 その間、半ダース程いるカエル男の挑発が割と酷い……奴らはトランポリンで次々跳ねながら、前方宙返りや(ひね)り飛びを披露している始末。

 まるでサーカス団みたいで、着ている服もどことなくピエロチック。もっとも、ボス級の奥の巨大蛙みたいに、首にリボンはつけていないけど。


 空の安全確保に成功した来栖家チームは、次は奴らだとおふざけが酷い連中をロックオン。ところが末妹は、アレを挑発とみなし姫香に対抗してとの無茶振り。

 そのリクエストに、何故か乗ってしまう茶々萌コンビの両名。


「ああっ、茶々丸ちゃんってば楽しそう……人の形態に変身しただけはあったかな? 萌ちゃんも器用だね、バク転とか普通にこなしてるよ」

「うん、向こうのカエル男達も何故かムキになってるな……やっぱり今までのアレは、挑発の類いだったのかな?」

「あっ、カエル男が潰れた……空中制御に失敗して、1匹がトランポリンの金具部分にぶつかったのかな?

 茶々萌コンビは、調子に乗って怪我しないでねっ?」


 呑気にそんな解説をする子供達は、何だかヤル気も()がれて楽しそうな両極の技の掛け合いを眺めるのみ。たまに大技が出ると、おおっと嬉しそうに拍手なんかしちゃったりして。

 敵のカエル男達も、同じトランポリンで2体が跳ねてのコンビ技など披露する。アレは難易度高そうと、香多奈が感心した途端に失敗して追加で消えるカエル男。


 そんな技があるのかと、真似する茶々萌コンビは器用にそれをクリアしてみせる。このチビッ子コンビ、何気に息もピッタリで運動神経も物凄く高い。

 そんな盛り上がる子供達とは対照的に、冷めたハスキー軍団はバルーンの床を伝って敵陣へ。取り敢えずついて行く姫香だが、改めて近付いた敵のボス蛙は本当に大きかった。


 頬の空気袋を膨らませ、どうやらこのボスの間のコンセプトは風船で統一されているらしい。そんなの関係無いハスキー達は、コイツは自分達の獲物と定めて襲い掛かって行く。

 それに反撃する、ボス蛙の毒のブレスは広範囲に飛散して熾烈極まりない。それを押し返す、レイジーの炎のブレスも同様に物凄い威力。


 そんなブレス合戦から、既に優位は決まってしまった。ブレスを押し返され、炎ダメージを受けたボス蛙は、苛立(いらだ)たしそうにハスキー達を(にら)みつける。

 それから、巨体に似合わぬ数メートルのジャンプを披露。その目的は、もちろん敵の踏み潰しにある……つまりは、自重を使ったボディプレス攻撃だ。

 ただし、それもアッサリ(かわ)されて万事休す。





 ――その後の反撃の狩りは、熾烈で3分も持たないボス蛙であった。







『ブックマークに追加』をしてくれたら、香多奈が歓喜のダンスを踊ります♪

『リアクション』をポチッてくれれば、姫香がサムズアップしてくれます!

『☆ポイント』で応援すると、紗良が投げキッスしてくれるかも?w

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ