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田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件  作者: マルルン
2年目の秋~冬の件

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遊園地のアトラクションを楽しみながら進む件



 どうやら絶叫を放っていたのは、髪の長い女性のゴーストだったようだ。他にもリッチなのか、暗い色のローブを着たドクロ顔の霊体が浮遊している。

 女性のゴーストはサブボスなのか、なおも絶叫しながら人魂を次々と生み出している。その場は冷気にまみれていて、雰囲気から結構強そうなボス級みたい。


 一方のリッチは、巨大な鎌を手にどうやら前衛的な動きをして来そう。装備こそローブと大鎌のみだが、意外と俊敏に宙を駆けている。

 そんなボス級リッチをロックオンして、まずはコロ助の『牙突』が放たれた。その奥ではススキ野原に炎が立ち上がっていて、どうやらレイジーが冷製ゴーストと対峙している模様。


 なかなか派手な戦闘だが、後衛陣はススキの障害物に視界を(さえぎ)られ確認は不十分。その後ろからは、やっとこさ姫香とAIロボが合流を果たして来た。

 そして浮遊して来た人魂を相手に、さっそく戦いを始めてこちらも派手な様相を呈して来た。それらに対して、後衛陣もようやく応援やフォローを飛ばし始める。


 それにしても、この枯れたススキ野原は背丈も高くて厄介なギミック。幸い、レイジーの炎のブレスでも延焼はしないようだが、煙は周囲に立ち込めている。

 それが視界を更に(ふさ)いで、奥の戦いはちょっと厄介かも。


「うわっ、奥の方は煙が立ってちょっと大変そうっ……レイジーってば、加減を知らないから困っちゃうよね。でも冷気を操る敵が出たら、まぁ仕方が無いのかも?

 このエリアは、あの2体がボス扱いなのかな?」

「確かに、骸骨顔の大鎌持ちと絶叫ゴーストがメインみたいだな……おっと、左のススキに(まぎ)れて何かが待ち伏せしているな。

 これは死霊系とは、ちょっと違う感じがするぞ」

「えっ、ススキ野原に隠れてる敵がいるのっ? それは大変……2号ちゃんに迷子ちゃんっ、力を合わせて引っ張り出して来て!」


 そんな場当たり的な末妹の号令に、ほい来たと素直に従う2体の魔導ゴーレム&パペット。エルヴィスも意外と素直で、この家族との探索を楽しんでいる模様。

 そうして進んで行った先で、いきなり飛び散るススキの枯れ葉。綺麗な斬撃は、どうやら敵の仕業だったみたい。そして2号ちゃんとエルヴィスは、野原に潜む大カマキリを発見。


 その2本の大鎌は、昆虫界の死神の名にふさわしい切れ味を備えていた。それを見た異界の迷子は、ライバル出現だと俄然(がぜん)張り切り始める。

 呆気に取られている2号ちゃんを尻目に、ススキ野原でチャンバラを始めるエルヴィスと大カマキリ。今やこの最奥エリアは、3ヵ所で派手な戦いが繰り広げられている始末。


 香多奈も忙しくあちこちに声援を送り、もはや収集が付かない有り様。その矢先、まずはレイジーと茶々萌コンビが絶叫ゴーストを見事仕留めるに至った。

 これで人魂の召喚が無くなって、姫香とルルンバちゃんもフリーとなりそう。それからコロ助とツグミの戦況も、近接のやり合いに持ち込んで白熱していた。


 この戦いもツグミのフォローが秀逸で、もうすぐ終わりそうな雰囲気。敵がゴースト系でも、スキルでダメージを叩き出す戦い方はさすが探索慣れしている。

 ついでに潜んでいた大カマキリだが、盾役の2号ちゃんと剣での直接攻撃のエルヴィスの即席コンビは息もピッタリ。何と3メートル級の大カマキリを、完封する勢いで討伐に至ってしまった。


 それを見て、やったねと興奮する香多奈に鼻高々の異界の迷子ちゃんである。赤い刀身がキラリと光って、演出なんかも凝り始めたりしちゃってる。

 その頃には骸骨顔のリッチも倒されて、コロ助もやってやったぜと得意顔。これにてホラー館の最奥エリアは、どうやらクリアとなったっぽい。


「ふむっ、どうやらこのエリアの敵は全部やっつけたかな? 意外と手間取ったけど、ススキの影に宝箱と退出用のゲートも置かれているね。

 このエリアは、何だか宝箱も多くて得した気分だな」

「そうだね護人さん……ついでにボス級の敵のドロップも、魔石(中)やオーブ珠とか豪華な感じがするね。ここは“ダンジョン内ダンジョン”って推測だったけど、コアも次の層のゲートも無いしどうなんだろうね?

 ひょっとして、捜せばどっかにあるのかな?」

「どうだろうね、ハスキー達に探して貰おうか、お姉ちゃんっ? イレギュラーで発生したダンジョンみたいだし、ウチの敷地内のとはまた違う造りなのかも?」


 それはあるかもねぇと、末妹の推測に紗良も同意の構え。一方の姫香は、ルルンバちゃんを従えて宝箱の回収を始める。ハスキー達は、末妹に言われて追加で周囲のチェック中。

 護人も《心眼》で怪しい場所を確認するが、特に目立った感じの場所は無いみたい。と言う事は、やはりこのエリアは1階層でお(しま)いみたい。


 腑に落ちない護人だが、姫香の宝箱チェックが終わればここでする事はもう何も無い。ちなみにその中身は、定番の鑑定の書や魔玉や薬品系のほか、魔結晶(中)が8個にお饅頭(まんじゅう)やお酒やビールなどのお供え物がゴッソリ。

 これもダンジョンの慣習によるモノか、もしくはブラックジョークなのかも。取り敢えずは持って帰るねと、姫香は気にせず魔法の鞄に詰め込んで行く。


 あとは線香やロウソクや、数珠や水(おけ)とひしゃくのセットなど。それを見た妖精ちゃんが、水桶は魔法アイテムだなと反応して末妹がやったと喜んでいる。

 それ以上の盛り上がりは特に無く、素直に魔法陣でエリア外へ退出する来栖家チーム。出た先は空母型の遊園地で、明るい日差しと呑気なBGMが出迎えてくれた。

 周囲を見回すと、まだエリア内に敵の姿もボチボチいるみたい。




 2層で狩り残した、バルーン型の敵や地上の銃持ちオーク兵を退治しながら進む前衛陣。中衛~後衛陣も、それをフォローしつつ周囲への注意に抜かりは無い。

 何しろ、このダンジョンは浅層でも平気でワイバーンが出現するのだ。気を抜いていては、不意打ちでタッチダウン攻撃を受けて大惨事となってしまう。


 ついでに、銃持ちの敵部隊もうろついているので本当に厄介(きわ)まりない。そんな敵たちを駆逐しながら、本物の次の層のゲートを探し回る一行。

 その労働は10分後に(むく)われて、今回は遊園地の端っこのアーチ橋の下に隠されていた。そこに辿り着くまで、倒したモンスターの数は実に10体以上。


 これはホラー館の敵を省いた後半戦の数字で、2層にして既に結構な密度である。オーバフローを起こしたダンジョンだと言うのに、相当な活気には違いない。

 これはいよいよ、ダンジョンコアの複数説が現実味を帯びて来た。そう口にする紗良だが、それはあるかもねと香多奈も同意の素振り。


「どういう経緯か知らないけど、厄介なダンジョンが妙な場所に出来ちゃったよねぇ。これはこの先も、探索はきっと大変だねっ!

 でも儲けが出るなら、深く潜る甲斐もあるよねっ」

「さっき雑魚からもスキル書落ちたし、ワイバーンも追加でお肉落としてくれたしね。銃持ちの敵と飛行型の敵のコンボは怖いけど、新造ダンジョンだけあってドロップは良いよね。

 この調子で、迷子ちゃんも一緒に探索を楽しもうっ!」


 異界の迷子ちゃんことエルヴィスは、後衛の末妹と馬が合うようで楽しんで探索に挑んでいた。もうちょっと出番が欲しいってと、翻訳係の香多奈を通じてそんな事まで行って来る始末。

 そんな会話を楽しむ後衛陣は、3層に辿り着いても好調をキープ。周囲の遊具を眺めては、アレは楽しそうと(はしゃ)ぎながら指差している。


 そんな3層のテーマパークだが、まず目につくのは中央の高台にあるメリーゴーランドだろうか。それから空母の海側に設置された、フリーフォール遊具も高さ的に目立っている。

 末妹はその遊具を知らなかった様で、アレはどんな遊びと長女に問うて来た。紗良も良くは知らないが、形状を見て落下を楽しむ遊具じゃないかなと返答する。


 それって何が楽しいのと、香多奈はあまり納得していない模様。とは言え、ジェットコースターやバンジージャンプは、その恐怖感を含めて楽しむ遊具である。

 そう長女に(さと)され、そんなモノかと改めてフリーフォールを見上げる末妹。その周辺には、バルーン型モンスターやコウモリ獣人が飛び回っている。


 一方の地上では、ハスキー達が銃持ちオーク兵とバチバチにやり合っていた。ルルンバちゃんも前に出て、盾役に貢献しながら魔銃を撃ち返している。

 その進攻に合わせ、後衛陣もサポートの為に遊園地の派手なタイルの歩道を進んで行く。現在中衛の護人は、末妹の言うフリーフォールとの距離が気になる所。


 ああいった仕掛けは、こちらが近付くと勝手に発動する事が間々あるのだ。どんなギミックかは、発動するまで分からないのが困った点である。

 そんなリーダーの心配は、程無く実現する流れに……急に海際のフリーフォール遊具が動き出し、派手な音を立てながらシートが凄い勢いで振って来た。


「うわっ、何か落ちて来たよっ、叔父さんっ! ああんっ、見逃しちゃったなぁ……何が面白いのか確かめようと思ってたのにっ」

「多分、見てる方はそんなに面白くないんじゃないかな、香多奈ちゃん……それより、エルヴィスちゃんはずっと香多奈ちゃんが持ってる事になったの?

 あっ、フリーフォールのシートには最初からモンスターが乗ってたんだね。律儀に安全ベルトを締めてたから、それを外すのに手間取ってるよ」

「おっと、それは僥倖(ぎょうこう)だな……あれは銃持ちのアザラシ獣人かな? こっちに来る前に戦線を構築しようか、ルルンバちゃん」


 ガッテン承知と、中衛陣も次第に(あわただ)しくなって来た。紗良も魔法で手伝いたいのだが、もし仕留めそこなった時に反撃の銃弾が怖過ぎる。

 そんな理由で、護人も無理をしないよう通達するがミケには関係ない。連動してこちらをタゲったワイバーンの群れが、次々と雷撃によって魔石に変わって行く。


 途端に派手になる周辺の戦闘風景に、調子乗りの異界の迷子も参戦する意向。末妹の持ってた剣を隣のパペットが受け取り、護人と共にアザラシ獣人に対峙する。

 頑張ってとの『応援』を受けて、エルヴィスの刀身が紅く光を輝き始める。その威力は、飛んで来た銃弾も真っ二つに斬り捨てる程。


 隣で戦う護人も驚くその精密な動きは、飛来する剣戟(けんげき)が混じって更に派手に。さすが戦闘の為に産み出された武器である、そのセンスはやはり並ではない。

 護人とAIロボも負けずに、銃持ちのアザラシ獣人を押し返す。中にはマシンガン持ちもいて厄介だったが、何とかムームーちゃんの魔法で倒す事に成功した。


 護人はもっぱら防御役に徹して、このコンビ振りは最近とっても安定して来た。そんな感じで、何とか途中参加の敵の群れも無事に一掃出来て何より。

 それと同時に、前衛陣で相手していた銃持ちオーク軍団も撃破完了。ちなみに、空の敵はバルーン型モンスターも含めてミケが全てお掃除してくれていた。


 紗良も後半は手伝って、これで周囲に動く敵の影は皆無に。後は魔石を拾うだけだが、実はこっちの作業の方が大変だと言うオチ。

 特に飛行型モンスターのドロップ品は、あちこちに散らばって回収も大変。





 ――さて、後に残ったのはメリーゴーランドの仕掛けのみ?








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