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田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件  作者: マルルン
2年目の秋~冬の件

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第3層のホラー館で死霊の群れと戯れる件



 それから来栖家チームは、紗良の言っていた死霊エリアへと足を踏み入れる事に。こちらは銃持ちの敵はほぼいないみたいで、文字通りゾンビやスケルトンが遊園地の歩道に(あふ)れ返っている感じ。

 ただし、ゴーストが不意を突いて出現して来る可能性もあるので注意は必要。中衛に上がった護人は、相棒のAIロボに浄化ポーション入りの水鉄砲を用意して準備はバッチリ。


 後衛陣も、姉妹でわちゃわちゃしながらその辺の準備を進めている。仲は悪くは無いのだが、子供達だけで戦闘判断となるとちょっと怖いかも。

 姫香はサブリーダーに慣れているとは言え、実質指示を与えているのはペット達だけである。生意気盛りの末妹や、年上の長女が相手だといつもの調子とは行かない恐れが。


 そこにゲストのエルヴィスも混じって、場は割とカオスな気も。そんな事など気にしない、前衛のハスキー達は悪臭を放つ死霊軍目掛けて果敢に戦いを挑んで行く。

 ファーストアタックはレイジーの炎のブレスで、途端に隊列を崩す死霊軍団。そこにツグミの(むち)が飛んで、燃えているゾンビの数がどんどん減って行く。


 コロ助も近付かず、まずは『牙突』での数減らしに貢献している。その背後から、護人とルルンバちゃんとムームーちゃんの遠隔部隊がフォローを頑張る。

 茶々萌コンビも、ハスキー達が接近戦に入るタイミングを見極めて待機してくれている。この辺は、ヤン茶々丸を(ぎょ)している萌の手腕が凄いのかも。


 死霊軍は、着ぐるみを着ているゾンビやスケルトンを含めて30体以上とかなり多い。1層の閑散とした雰囲気から、大きく変化を果たした2層の探索である。

 そんな戦闘をこなす前~中衛陣に、後衛から頑張れとの末妹の声援が飛んで来る。周囲は完全にテーマパークで、相変わらず長閑(のどか)な音楽が流れている。


 そんな中での激しい戦闘は、ある意味とってもファンタジーと言うかファンシー。それでも、ゴーストの途中参戦で場はかなりの盛り上がりに。

 紗良もここぞとばかりに、《浄化》スキルでの討伐のお手伝いに踏み切る。


「やっふーっ、さすが紗良お姉ちゃんの《浄化》スキルは凄い威力だねっ! ゴーストを含めて、一気に5体以上が魔石に変わって行ったよっ!

 残りあとちょっとだよ、頑張れみんなっ」

「それは良いけど、あの建物の入り口は何だろう……まるでゲートだな、また新鮮なゾンビが数体ほど湧いて出て来たぞ?

 まぁ、ホラー館の入り口だから、ある意味正しいのかも知れないが」

「あっ、本当ですね……まるでウチの敷地内の“ダンジョン内ダンジョン”みたいだけど、新造ダンジョンに限ってそんな事は無いですよねっ?」


 でもこの件には、うっすらと天狗が鼻を突っ込んでるよねと末妹の鋭い指摘が。飛んでいた影をチラッと見ただけなので確証はないが、だとしたら複数のコアの仕様もあり得るのかも?

 いや、元からアメリカ軍が用意していた騒ぎを起こす用のコアが、複数だった結果なのかも知れない。例えば“米軍基地ダンジョン”とか“広大ダンジョン”みたいな、予期せぬ複合化が起きてしまったとか。


 だとしたら、この敵の数の多さや種類の混ざり具合も何となく納得してしまう。そんな推論を後衛がしている内に、前衛陣の活躍で死霊軍は全滅していた。

 新たにホラー館から出て来る敵影は、今の所いないみたい。それは良かったが、子供達の推理だとあのホラー館の入り口の奥はとっても怪しい気が。


 萌やルルンバちゃんと一緒に魔石を拾っていた姫香も、それが終わって後衛に合流して来た。それから話に混ざって、なるほどと納得顔に。

 ハスキー達も警戒してるんだよねと、姫香は噂のホラー館を改めて振り返る。あれがまた別種のダンジョン入り口だとすると、事態は少しややこしくなるかも?


 それを含めて、護人は別れたばかりの岩国チームに通信を入れる。要するに、少し攻略時間が掛かるかもと、あらかじめ伝えておいてこの件は終了。

 何にしろ、この新造ダンジョンは間引きからコア破壊までは行なう予定なのだ。それが複合化で増えたからって、気にしてなどいられない。


 それは子供達も同様みたいで、紗良もペット達の怪我チェックを終え出発の準備は整ったと報告して来た。それを受けて、香多奈もレッツゴーと明るく追従する。

 それをお黙りと、怖い顔で制す姫香は護人に進むルートの確認。


「それじゃ、あのホラー館に突入するでいいのね、護人さん。あれって入り口がゲートっぽいから、どこに出るか分かんないのがちょっと不安だけど。

 まぁ、死霊軍がわんさか出て来てたし、中にいる敵はある程度はネタバレしてるかな?」

「そうだな……それじゃ、なるべくチームで(まと)まって入ろうか。それから紗良は、すぐに《浄化》魔法が撃てるように準備しておいてくれ。

 みんな、出た先で何が待ち構えてもいいように備えておくように」

「うわおっ、楽しくなって来たねっ……空母の上に出来た遊園地、その中のホラー館には一体何が待ち受けているのでしょうかっ!?」


 そんなナレーションで場を盛り上げる末妹は、ヘッドカメラで順次チームメイトを映して楽しそう。迷子ちゃんも映っていいよと、新入りのインテリジェンスソードにも気安く語りかけている。

 変なチームだなぁと、まともな思考の持ち主のエルヴィスはやや引いた表情。もっとも、操るパペットは当然ながら顔色一つ変えていない。

 そんな客人を交えた来栖家チームは、いざ揃ってホラー館のゲート内へ。




 そこが実は3層だったと言うオチは、どうやら無かったようで一行が出たのは暗くて広い一室だった。広くはあるが、障害物があちこちに置かれて雑多な感じ。

 置かれている物に関しては、古井戸だったり障子(しょうじ)だったり、手術台だったりと統一性はまるでナシ。十字架の墓とかギロチン台もあって、洋なのか和なのか室内なのか室外なのかも判然としない。


 それを指摘する子供達は、この統一性のなさに批判的な視線を投げかける。そんなの関係無いハスキー達前衛陣は、うろついてる死霊軍の退治に余念がない。

 とは言っても、(あふ)れ出た数が多かったせいか、このエリア内は割と閑散としている。茶々萌コンビも張り切って戦闘参加して、気付けば周囲のゾンビは全ていなくなっていた。


「あれっ、エリアのコンセプトは何となく分かったけど……ダンジョンのホラー館って、和洋折衷(せっちゅう)が酷くてあまり怖くないねぇ。

 もうちょっと頑張ってくれないと、合格点を上げられないよっ」

「何を採点してんのよ、香多奈……それよりオーバフローを起こしたせいか、エリア内にはあんまり敵が残ってないね。あっ、向こうにいるのはマミーかな?

 ちょっとは歯ごたえある敵が残ってたみたい、みんな行くよっ!」


 そんな姫香の号令で、ヨシ来たと動き始めるハスキー達&茶々萌コンビ。そちらは遺跡風と言うか、地下墓地風の(しつら)えで凝った造りには見える。

 後衛陣と言うか末妹は、逆に和風テイストのエリアが気になる様子。そちらは古い家屋風の庭先で、ガラス張りの縁側や庭の奥の古井戸など物悲しい雰囲気だ。


 いかにもどこかに宝箱が隠されている感じがして、軒下(のきした)を覗き込む香多奈はさすが『天啓』スキル持ちである。何かあったかもと騒ぎ始めて、それを聞いたエルヴィスも興味を()かれて移動中。

 どれどれと近付く特殊パペットと、それに何となくついて行く2号ちゃん。面倒見の良い所は、さすがルルンバちゃんの操作だなって感じ。


 その時だった、軒下から大蜘蛛と大ムカデの襲撃が先行した2体へと襲い掛かる。同時に古井戸からは、巨大な青い手がニョッキリと這い出て来た。

 ホラー感が満載の演出だが、2号ちゃんは手にした水鉄砲でそれを難なく撃退。エルヴィスも、近付いて来た蟲系モンスターをあっという間に細切れに。


 即席ながらなかなかのコンビプレーに、やったねと香多奈は大いに褒めそやす素振り。それを受けて、何だかとっても嬉しそうな“知性を持つ剣”だったり。

 フォローにと駆け寄っていた姫香は、見せ場も無く後処理のみ手伝う事に。つまりは転がった魔石を拾う手伝いと、それから軒下に隠された宝箱の回収作業など。


「おっと、さすがに宝箱は小振りだね……でも、中身は魔石や薬品系や小判やらがぎっちり入ってるよ。ついでにメンコやビー玉も入ってるのは、いかにも軒下の宝箱らしいよねっ。

 さてと、狩り残しの敵はもういないかな?」

「多分いないと思うな……叔父さんとハスキー達も、向こうの討伐終わったみたい。こっちとあっちが終わったから、後はこの奥だけだね、姫香お姉ちゃんっ。

 それよりエルヴィスちゃんって、思ってたより強いかもっ?」


 興奮気味にそう話す末妹に、紗良も凄いねぇと臨時の同伴者をヨイショする。こっそり見てた姫香も感心するが、間違ってもそれじゃ前衛へなどと言えない。

 何しろ異界の迷子ちゃんは預かりの身、おいそれと危ない場には出せない。しかも末妹と随分気が合ってるので、お調子者の性格な気がしてちょっと怖い。


 今の所は後衛陣と行動を共にして、突飛な事はせずにいてくれて本当に助かる。なので、これ以上は調子に乗せるような事は言わないで欲しい。

 そんな事を思う姫香だが、ホラー館の間引きは至って順調に進んでいた。このエリアは、死霊モンスターの他にも蟲系や大コウモリなども普通に出現する模様。


 それらを片付けて戻って来たハスキー達は、護人にもっと奥に向かって良いかとお(うかが)い。ちなみに姫香と2号ちゃんは、また別の宝箱を発見していた。

 その回収に時間を使っているようで、暇になったハスキー軍団&茶々萌コンビが新たな敵を求める素振り。収集が付かなくなる気はするが、圧に負けた護人は近場までねとオッケーを出す。


 残った方角のエリアは、薄暗いススキ野原って感じでかなり不気味な雰囲気。と言うか、既に青白い人魂だか何だかが幾つか宙空を揺蕩(たゆた)っている。

 それを見た末妹も、うわぁと呟いて演出に対しての反応は上々。果たしてこの最奥のエリアには、どんな敵が待ち伏せているのやら。


 人魂が演出オンリーで無い限りは、やはり死霊系かなぁと紗良の想像に。姫香の合流を待つ後衛陣は、ハスキー達がはっちゃけないかと心配しながら見守る素振り。

 いや、ハスキー達は大丈夫だろうが、問題は茶々丸である……その姿は、今は背高いススキに(さえぎ)られて子供達からは確認が出来ない状態。


「あらら、見えなくなっちゃった……姫香お姉ちゃん、早く戻って来て! ハスキー達が、待ちきれなくて次のエリアに入っちゃったよっ。

 奥はススキがこんもり生えてて、視界が悪くて心配だからっ」

「ちょっと待ってて、浄化ポーションをゲットしたから水鉄砲に補充してるから。それにしてもハスキー達もせっかちだね、まだ2層目の寄り道の最中だってのに。

 ところで、このエリアってばどんな終わり方するのかな?」


 姫香の疑問に、そんなの行けば分かるよとせっかちな末妹の返しである。つまりは香多奈も、ハスキー達と変わらず短気な性格には変わりなさげ。

 などと思っていたら、ハスキー達が進んで行ったススキの中から物凄い絶叫が引き渡った。それに驚く子供達、どうやら来栖家チームの前衛陣が敵と遭遇した模様。

 驚く後衛陣は、慌ててフォローにと動き始める。





 ――予期せず入ったこの特殊エリア、最奥は一体どうなってる?








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