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真・恋姫†無双~三人の御使い~  作者: 泣き虫
閑話
33/35

二話(魏)一応、警備兵だからな

前話の続きになります。

三姉妹「「「専属歌手???」」」


洛陽で俺の行きつけの店に三姉妹を集め、俺は考えたプランを説明した。

つまり、彼女達を商売道具として店に貸し出すというシンプルな商い。

あんなオンボロ小屋で公演するより、百億倍マシだからな。


圭吾「そのために、最初の舞台を用意している。店主には交渉済みだ」


店主「よろしくね、嬢ちゃん達」


人和「よ、宜しく御願い致します」


圭吾「詳しい打ち合わせは、人和がやってくれ。天和と地和は俺と来い」


人和だけを店内に残し、俺は二人を連れて外に。


地和「どこに連れて行く気よ、アズマ?」


圭吾「衣装関係で来てもらいたいんだよ」


天和「衣装?」


圭吾「せっかくの初公演だ。印象的な衣装でキメたいだろ。丁度、それ関係に強い優秀な部下がいるからな」


天和「さっすが けいご~!」


地和「なるほどね~・・・って、"けいご"ー!?」


叫ぶ地和を置いておいて、俺は近場の屯所に顔を出す。

そこに俺が待たせていた"優秀な部下"が、大量の衣装をメンテしつつ待機していた。


圭吾「待たせたな、沙和」


沙和「あっ、たいちょ~。待ってたの~」


俺は二人を沙和に紹介した。

急遽、真桜と共同制作した"木製のパイプハンガー"一式を有効に活用してくれているようで、

十何着もの沙和が保存していた衣装が並んでいた。


圭吾「それじゃ沙和、後のことは頼んだぞ」


沙和「はいなの~!」


地和「え? アズマいないの?」


圭吾「アホか。俺が居たら着替えられないだろ」


天和「もぉ~、けいごのへんた~い」


「っるせぇ」と返して、屯所から退散する。

その際、沙和がジト目をしていたが、気付いてないフリしておこう。


圭吾「さて、確かこの辺に・・・おっ、おい凪!」


凪「っ!? あっ、隊長」


市場の離れ近くを警邏中だった凪に声をかける。

呼びかけたのが俺だと分かると、迅速に俺の下まで駆け寄ってきた。


凪「隊長、今日は確かお休みのはずですが」


圭吾「お休みだと、声をかけちゃいけないのか?」


凪「そ、そういう訳ではございません! 失礼致しました!」


深々と頭を下げる凪を見て、真桜と沙和がちょっかいを出すのが分かる気がする。

俺がやるのは可愛そうなのでこの辺りにし、凪にある"御願い"をした。


凪「───はい。では、・・・分かりました。すぐに警備隊全員に共有します」


圭吾「おう。言うだけ無駄だと思うけど、あんま張り切んなくていいからな」


凪「ハッ!」


返事からして張り切りすぎてるんだよなぁ・・・と思いつつも黙って、そこで凪と別れた。

これで初公演で出来る俺の仕事は終わった。


圭吾「後は、当人次第だな・・・」












そして、翌日の夕刻。

店の開店前、俺と三姉妹は店内で待機していた。


天和「見て見てけいご~」


くるっと回る天和が着ているのは、今日の公演の衣装。

中々露出が多くて、目のやり場に困る衣装だというのに、満足げに天和は喜んでいた。

それは、地和と人和も一緒だった。


人和「すごい・・・たった一日で、仕立てが完璧」


地和「あはっ! ちぃ、これ気に入っちゃった!」


まぁ喜んでくれたなら、沙和に感謝だな。

思ってたより、三人は緊張してないようだし、これならパフォーマンスに問題が起きることはないだろうな。


天和「ねぇ、けいご!」


圭吾「ぅわっ!? な、なんだよ?」


気付けば、座っていた俺の目の前に天和がいた。

うぐっ・・・前かがみの姿勢はヤバイっつうに・・・。


天和「衣装どう? って聞いてるのに、無視するんだもん。どうなの?」


圭吾「あ、あぁ。似合ってるよ」


天和「かわいい?」


圭吾「あーかわいいかわいい」


天和「気持ちが篭ってなぁい!」


圭吾「俺が、んな感想持っても仕方ないだろ。俺は警備の仕事に戻るから、本番がんばれよ」


そう言い残し、店主に挨拶をしてから店を出た。

満足な感想がもらえず、天和は頬を膨らませていたが・・・まぁ今度、飯でも奢って機嫌を取ってもらうとしよう。












圭吾が店を後にした後、地和と人和はお姉ちゃんである天和に詰め寄った。

内容は、圭吾を名前呼びにした件である。


人和「天姉さん、アズマさんといつの間に仲良くなったの?」


地和「そうよ! ビックリしたんだから!」


天和「ん~、けいごって口悪いけど、そこら辺の男よりカッコイイし~、悪くないかなぁって」


地和「・・・姉さん、本気で言ってる?」


天和「うん! 本気だよ!」


地和・人和「「・・・」」


二人は見合って、姉の態度に難儀していた。

相手は曹操の家臣とはいえ、何故か牢屋で寝泊まりしている人物。

しかも、その理由は秘匿にされ、バラすものなら打ち首とまで言われている。

そんな訳もわからない男に惚れる?なんて・・・二人の妹からすれば、気が気じゃない。


天和「さぁて、頑張るわよー!」












店は開店になり、続々と洛陽の民たちが入店していく。

その様子を、俺は凪と共に眺めていた。

凪だけではない・・・店の周囲を取り囲むように、昼番の警備兵が配置されている。


圭吾「急な依頼だったのに、よく集められたな」


凪「隊長の命であれば、招集に応じるのは当然です」


圭吾「あぁ、ありがと」


凪「っ・・・い、いえ。恐縮です」


凪は俯いて、赤面した顔を見せないようにする。

ちょっと、臭すぎただろうか・・・。


凪(よかった・・・元気になられたようで)

 「そういえば、あの三人は何者なのですか?」


圭吾「魏の看板になる三人さ。今日の公演がうまくいけば、大将から正式に紹介されるはずさ」


凪「そうですか。では、私は巡回してまいります」


圭吾「ああ、俺は入口でずっと見張ってるから、何かあったら来てくれ」


凪「ハッ!」


相変わらず真面目なことだ・・・。

走り去っていく凪の背中を見送って、再び入店する客を監視する。

そこに見知った人物が声をかけてきた。


秋蘭「今日は警備隊の仕事ではなかったはずだが?」


圭吾「夏侯淵こそ、こんな所で何してるんだよ? まさか俺の監視か?」


秋蘭「ふっ、どうだろうな。ただ感心しているよ。お前は、私や華琳様の予想を簡単に超えてくる」


圭吾「伊達に平和ボケしてないから。戦争が終わったら、あのクソ猫耳以上に頭がキレるかもな」


秋蘭「面白いことを言う・・・楽しみにしておこう。さて私も、あの三姉妹の晴れ舞台を見せてもらおう」


圭吾「何でも、書き溜めた歌を全部披露するらしい。聴き入って、大将の元に帰れないかもな」


秋蘭「それは困るな」


微笑みながら入店する夏侯淵は、ブレずにクールであった。

おそらく大将に言われて評価しに来たのだろうな。


圭吾「・・・はぁ、暇だ」





人拐い1「で、どうだった?」


人拐い2「上玉でしたで。しかも三人ときた!」


人拐い3「よし。何としても成功させるぞ」





後日・・・。俺は、三人とオンボロ小屋に集まっていた。

そして、大将に渡された小袋を三人に配る。


天和「けいご、これは?」


人和「・・・お給金ですか?」


圭吾「そうだ」


夏侯淵の報告を受けた大将が、どうやら絶賛してくれたようだ。

初公演の後も色んなお店でも活動し、それに見合った給金を用意してくれたのだ。


圭吾「あれから、三人の依頼が殺到してる。これが軌道に乗れば、他の地域でも出ても心配はないな。

さすが張三姉妹と言ったところか」


地和「あ、当たり前でしょ! ふんっ!」


人和「ちぃ姉さん。報酬がもらえるのは、圭吾さんのおかげなんだから」


地和も人和も、徐々に打ち解けてきたようで、俺のことを認め始めている。

かくいう俺も、三人のカリスマ性を俺は認めつつあったのだ。


圭吾「今日は休みをもらったから、一日ゆっくりしてくれ」


天和「ほんと!?」


地和「圭吾のくせに気が利いてるじゃない!」


圭吾「"くせに"は余計だ。俺は警邏があるから、何かあったら近くの警備兵に言えばいいから」


人和「ありがとうございます。ここまで、良くしていただいて」


改めて礼を言われると恥ずかしいもので、俺は適当に答えて小屋を出た。











天和「けいご照れちゃって、可愛いなぁ~」


れんほーちゃんにお礼を言われた途端、顔を真っ赤にするあたり、けいごは初心なのだと思う。

普段、ぶっきらぼうな態度と相反して、余計に可愛く思えてくる。


人和「・・・私、圭吾さんのこと見方が変わりました」


れんほーちゃんも、けいごの魅力に気付いたみたい。

だって、けいごを見る目が完全に惚れてるんだもの。


地和「ま、まぁ、ちょっとは認めてやってもいいかな」


ちぃちゃんは、こう言ってるけど明らかに以前よりは好印象を持っている。

もっと素直になれば、けいごも優しくしてくれると思うのになぁ・・・。


天和「さぁて久々に三人で遊びに行こ! どこ行く?」


地和「あっ、沙和が前に言ってた呉服屋に行きたいと思ってたの! せっかくお給金があるから、贅沢してもいいわよね!」


天和「さんせ~い! れんほーちゃんもいいでしょ?」


人和「うん。私も新しい服ほしかったから・・・でも、私達だけで大丈夫? 最近は人拐いが出てるって噂よ」


天和「だいじょうぶ だいじょうぶ! だって───」










人拐い1「な、何故ここがバレたんだ・・・?」


ある空家に潜伏していた人拐い三名。

三名とも、屈強な警備兵によって取り押さえられ、それを指揮をする凪が人拐いリーダーの髪を掴み上げた。


凪「"隊長"は、既にお前らの存在を嗅ぎつけていた。隊長の目が黒いうちは、勝手なことができないと思え」









天和「かっこいい警備兵様だもの♪」

天和ってこんなに良い子だっけ・・・いや、良い子だよね!

だって、お姉ちゃんだし!



次回は、蜀側の閑話になります。

投稿は明日中に行いたいと思っております。

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