↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
真・恋姫†無双~三人の御使い~  作者: 泣き虫
閑話
34/35

三話(蜀)先を見越す部下は優秀ですね

蜀視点になります。


今話は、ただ一刀が調子に乗るだけです。

月「ありがとうございます、ご主人様」


一刀「大変そうだったからな。こういう時ぐらい力にならないと」


散歩中、徐州の屋敷で、洗濯物を川へ運ぶ月を見かけた。

いつも詠が一緒にしているのだが、今日は軍師郡で今後の方針を決めるため会議をしている。

そこに俺も参加しなきゃいけないわけだけど、朱里気を使ってくれたおかげで自由時間を得られたわけだ。

まぁ、夜になったら会議の結果について、俺の仕事があるわけだけど。


月「いえ、ご主人様には命を救っていただいた恩があります。これぐらい、些細なことですから」


一刀「俺としてはそこまで気負って欲しくはないんだけどね。まっ、月は良い子だから」


月「へぅ・・・」


そう言って、空いた手で月を撫でる。ここに詠が居たら、ブッコロされたかもな。

荷物で手が塞がっている月は、されるがまま川まで撫でられたまんま歩いた。


一刀「さぁて、やるか」


月「ご、ご主人様!? こういう事は私が───」


一刀「いいじゃん。正直、自由時間をもらったけど暇なんだよね、俺」


月「は、はぁ・・・」


せっせと始める俺を見て、諦めたように月も洗濯を始めた。

しばらく無言であったが、月がおそるおそる口を開いた。


月「あの、ご主人様。一つご質問よろしいでしょうか?」


一刀「ん、なんだい?」


月「あの衣服のことなのですが・・・」


俺はそれを言われ、動揺して手が止まった。

月が言っているのは、月と詠を保護したときに得た"黒ジャージ"のことだ。

以前、曹操の方が言っていた代物に違いない。


月「じゃーじ・・・と言いましたか。あれを見てから、ご主人様が執務室に篭るようになったと、お聞きしましたので」


一刀「そうなんだ。実は、愛紗にその事で怒られてね。もう大丈夫だよ」


月「そうなんですか! 皆さん、喜ぶと思います!」


一刀「そうか。喜んでくれるなら、やる価値ありだな」


月「はい!」


さて、月のお墨付きももらったことだし、行動に移すとしましょうか









一刀「と思ったけど、やっぱなし!」


愛紗と月には悪いが、せっかくの休みなのだ。

日頃の疲れを存分に部屋で取らせていただこう───


[バァンッ!!]

鈴々「お兄ちゃん! 大変なのだー!」


と思ったけど、やっぱ無理そう・・・。









一刀「おおぉ、これはすごいな」


鈴々に連れ出されてみたら、城の離れに"噴水"が・・・これは間欠泉か。

よく掘り当てたものだ。


一刀「これ、鈴々が掘り当てたのか?」


鈴々「そうなのだ!」


一刀「まじか・・・」


胸を張る鈴々がどうして離れを掘ったのかは聞かないでおこう。


星「ほぉ、本当に掘り当てるとは」


どうせ、この人が関わってるんだ・・・。

星はメンマをつまみながら、偶然を"装う"ように現れた。


一刀「鈴々に何を吹き込んだんだ?」


星「人聞きの悪い。私はただ「疲れている主のために、温泉でも掘り当てたらどうだ?」と」


一刀「ありのまま伝えてるよね!? 完全に誘導してますよね!?」


星「言葉のあやですよ。ほら主殿、鈴々が報酬を待っておりますぞ」


鈴々「鈴々、ダメなことしちゃったかな?」


一刀「そ、そんな事はないぞぉ! よーしよしよし! よくやったな、鈴々!」


鈴々「にゃ~~」


わしゃわしゃと頭を撫でてあげると、気持ちよさそうに目を細めた。

くそぉ・・・星は何を考えてるんだ。


星「では、主。せっかく鈴々が掘り当てたのだ。ここは、主殿の天の知識を使って良い案を思い浮かべてくだされ」


一刀「そりゃ勿論、ここを大衆浴場に整備して───まさか、今やれと」


星「ここに主殿がいるということは、手が空いていると見受けられる。家臣の努力を、このような形で残すのは悲しいではないか」


一刀「もっともなこと言って、ただ自分が早く温泉に入りたいだけでしょ」


星「おや? 良いではないですか。そうなれば、乙女のあられもない姿を拝めるのだぞ・・・勿論、私も主のために人肌脱ごう」


一刀「・・・」


いや、こんな誘惑に惑わされるな。

星はいつもこんなやり方で俺を───


一刀「やる気にさせてくれるからなっ!」


気付けば、陽は水平線近くまで降りてきていた。

御使いという立場をフルに使い、協力的な民に頼み込んだりして、

急ピッチではあるが、大衆浴場(混浴)施設が完成した。

何より、一番貢献してくれたのは、お昼寝後で通りかかった恋である


一刀「恋、ありがとな! すごく助かったよ!」


恋「ん・・・ご主人様の、役に立てた・・・嬉しい」


星「さすが主殿。その人徳の高さは、家臣である私にとって鼻が高いですぞ」


一刀「あーはいはい。嬉しい嬉しい」


星「おや、冷たい。では───」


一刀「おわぁっ!?」


恋「?」


突然、星が脱ぎだした。

慌てて背を向けて、首を傾けている恋と向き合ってしまった。


星「安心されよ。以前、主殿が贈ってくださいました"みずぎ"というものを、着ておりますゆえ」


一刀「そ、そうか・・・」


星「鈴々と恋の分もある。勿論、主の分もあるぞ」


コイツ・・・ここまで用意周到だと、突っ込む気力も失せるわ。

だが、そんな星に感謝しか湧いてこないのは、男の性なのだろうか。


鈴々「でっかいお風呂なのだぁ!!」


ざっぶ~ん!と鈴々が浴場に飛び込む。

今日は、愛紗はいないし大目に見よう。せっかくの一番風呂だ。


一刀「ってなわけで俺も!」

[ざっぷ~ん!]


星「はぁ、愛紗にバレた雷が落ちそうだな・・・ふぅ~、中々の湯加減だ」


恋「あったかい・・・」


おおぉ、美少女三人の入浴なんて見られる日が来ようとは・・・眼福眼福。

と思っていると、鈴々が俺の懐に背中を預けてきた。


鈴々「お兄ちゃん、あたたかいのだ~」


一刀「暖かいのは温泉と鈴々でしょ~」


鈴々「にゃはは~」


星「では、私も失礼して」


一刀「せ、星!?」


ピトっと俺の左肩に頭を乗せてきた。

丁度、上から見下ろす形になるから、自然と瑞々しい胸元が───


星「気になりますかな?」


一刀「・・・もう星きらい」


星「あっはっは、それは困りましたな」


完全に遊ばれている。

星は自前の熱燗(あつかん)を傾けて、おちょこでチビチビ飲み始めた。


一刀「はぁ・・・[ピトッ]・・・ん?」


この自由人にため息をついていると、反対の肩にさらさらな髪の感触。

そちらを向くと、いつも無表情の恋が顔を仄かに赤らめていた。


恋「ご主人様・・・あったかい」


一刀「あ、あはは~、そだね・・・」


これまた視線に困る状況に。

丁度、上から見下ろす形に(以下略


一刀(でもまぁ、こういうのもいいなぁ)


休みは突貫工事で無くなってしまったが、こういう平和な一日が一番だ。

この世界に来て初めて、こんなにゆったり出来たと思う。

しかも、三人も少女と一緒に入浴とか、偉くなったもんだ・・・あっ、今の俺は偉いんだった。


恋[ノソッ]←さらに密着度を上げていく。


一刀「れ、恋?」


恋「・・・だめ?」


一刀「いや、ダメって訳じゃないけど」


・・・ォォォォ


一刀「ん?」


・・・ォォォォォドドドドドドドッ


一刀「何の音───」


音々「ちんきゅーキィックゥ!!!」


気付いたら、俺の視界は音々の靴の裏で埋まっていた。


一刀「ぶほぉっ!?」


俺は痛みを感じぬまま、意識が途絶えた。











一刀「ん・・・」


桃花「ご主人様!」


目が覚めると、見慣れた俺の部屋の天井と、涙目の桃花が視界に入ってきた。

確か、三人で温泉に入っていたら・・・あれ、何があったんだっけ?


桃花「よかったぁ。一日経っても起きなかったから、みんな心配してたんだよ」


一刀「一日も眠ってたのか。それは悪かった」


桃花「ううん、大丈夫だよ・・・ただね」


一刀「ただ?」


何かを言いかけた時、部屋の扉が開け放たれた。

入ってきたのは、愛紗・・・なのだが、何故か青龍刀をお持ちです。


愛紗「ご主人様、お目覚めになられたのですね。よかったです」


柔和な笑顔。だが今、その笑顔が怖い。

後に聞いた話だと、俺が気絶して運ばれた当初は過保護になるほど、心配してくれたらしいのだが、

まぁ・・・理由があれだし。


愛紗「では、ご主人様。こちらが眠られていた間の執務でございます」


一刀「はい・・・?」


愛紗がそう言うと、朱里、雛里、詠が順々と部屋に入ってきて、俺の机に山のような資料を持ってきた。


一刀「あ、あの~、愛紗さん? こんなにあったら、ぼく死んじゃう」


愛紗「では私達はこれで失礼致します。桃花様、他のみんなも参りましょう」


桃花「あ、あはは~、ごめんね。ご主人様」


朱里「し、失礼致します」


雛里「・・・ごめんなさい」


一人ずつ、また一人ずつと部屋を退室していく。


一刀「待って! 見捨てないでぇ!」


詠「自業自得でしょ」












ちなみに、俺が仮建設した大衆浴場は、愛紗と音々の指示のもと完璧に完成させたようだ。

今でも武将や軍師たちが毎日のように通っているそうだ・・・。


俺だけ、出入り禁止されたのは、とても悲しい。

次話は、"独編"になりますが、更新は不定期となります。

申し訳ございません。


閑話につきまして、ご希望等がございましたら

メッセージの方、お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。