八十二話 慰めて
「私は大丈夫…ちょっと無理してたかも知れないけど…」
心配そうにわたしの顔を覗いてくる早苗の潤んだ眼が子猫の瞳ようで可愛らしい、…思わず笑みがこぼれていた。
「でも、何で早苗がここに?」
「電話もらったんです…先輩が倒れたって、…」
「誰から…」
「先輩の彼氏さんから…」
「へっ?」
「電話番号私もこっそりメモしてて…心配と激励を兼ねて、一度、電話しちゃって…人の恋路に邪魔をするのは、良くないなぁ…とは、思ったんですが、先輩に幸せになって欲しくて…一度だけ電話しちゃったんです…つい…番号非通知にするの忘れてしまって…」
「…」
「大切に思われているんだなって、その時、感じたんです…先輩を大切にしてくれそうだなって、でも、今はちょっと許せないかも…裸の先輩に手を出さないなんて!」
「へっ?早苗?」
「私だったら、触り尽くして、舐めまわして、少なくとも三回は…」
「おい…早苗ちゃん?」
「いっぱい愛でて!しっかり頂くのに!」
「恥ずかしいから止めてって、言うか…どうしてそういう話になるの?」
「私、先輩に憧れて、先輩に追いつきたくて、…」
「話が見えないんですけど…」
「先輩の演技を何回も見直して…何回も見直して…追いつきたくて、追いつきたくて…気がついたら、手が勝手に動いてて、凄く気持ち良くなっちゃったんですから!」
「は…い」
「その先輩に手を出さないなんて考えられない!私が私が先輩を気持ち良く?っね…」
「ね!じゃない!ね!じゃない…これ…嫌、やめ、止めて、早苗!胸に手を手を置かないで!」
「痛いのは最初、だけ…すぐ気持ち良くなりますから…私が慰めて」
「違う!なんか違う!慰めるの意味が違うから!早苗!早苗ちゃん?ちょっと、ちょっと」




