七十二話 振り出し
大変お待たせ致しました。
不定期とはいえ間が空きすぎてしまいました。
ごめんなさい
相変わらず短いです
「ねぇ…突然こんなこと言ったら、困るかなぁ?」
私は彼を試すように問かいかけた。
「えっ?なに?」
道路脇で抱き締められたまま、言葉は出来るだけ冷静に、友達とは違うバイト先の同僚に話しかけるような分別のある優しい口調で彼に話した。
「少し体…臭いよね…」
「…」
少し間を置いてゆっくりと彼が離れていく…
わたしは咄嗟に彼の体を抱き締めた。
離れていくのが寂しかったから…思わず強く抱き締め、彼の胸元に顔を押し付けた。
「ちょっと、えっ?」
彼は困惑しながら、わたしから離れようと私の腰骨の辺りに手をいれようとしてきた。
わたしは素早く彼の体から離れた。
彼に無理矢理離されるぐらいなら、自分から潔く離れる方が、精神的なダメージが少なくなると、一瞬そう思ったから…
「でも…離れたくない…って、やっぱり無理…匂いきついよね…わたし仕事帰りだし…」
「はっえっ…」
「わたしの身体、匂うよね」
「いや…そんな事…」
「今すぐシャワー浴びたいんだけど…いい?」
「えっ…そ…」
「何処でもいいから連れてってよ…だめ?」
「…日帰り温泉かサウナ…みたいな?…」
わたしの突然の提案に彼の思考は追いついていないらしく、挙動不審になっていた。
何気に可愛らしくて思わずクスっと笑ってしまった。
「二人きりで休めるところがいいなぁ」
「ふぇ?」
「連れてって?良いでしょ?」
再びわたしは彼の車の助手席に乗り込んだ。




