四十二話 呪いのパフェ
「はい!フルーツパフェ」
「うぁ…すご…」
私の前に彩り豊かなフルーツパフェが現れた。
しかも、かなり大きかった…
「ママ、これちょっと大きすぎない…?」
「何言ってるの?うちのフルーツパフェは二人前からよ…だから二人前!」
「二人前?」
ママがカウンターの上に置いてあるメニュー表の端を指差した。
私はその指先をじっと見ると、なるほどフルーツパフェの文字の下に小さく二名様からと書いてあった…
「そんなの聞いてないし…」
「あら?私もそんなこと言ってないわよ…書いてはあるけどね…」
「ママのイジワル」
「意地悪何てしてないわよ♪むしろ親切なくらいよ」
「親切???」
「そうよ」
「これのどこが親切なわけ?」
「今日もだけど…私はいつも親切よ…」
「親切の押し売りは、迷惑に変換されるって話、ママ知ってる?」
「失礼な事を言う、お客様だこと…例えば今、お店の立札が準備中になっていて、あなた一人のために営業していても、迷惑な話かしら?」
「えっ?どういう事…?」
「はぁ…お客様にこういうこと言うのはサービス業として良くないことだと思うけど…うちのフルーツパフェ…呪いがかかっているのよ♪」
「ごくっ」
私は思わず、生唾を思いっきり飲み込んだ…
それが、ママの呪い話の恐怖心からなのか、はたまたフルーツパフェの甘い誘惑からなのか判断できないでいた。
「うちのフルーツパフェを食べると…恋人同士になれると言う言い伝えが…」
ママは何処かのおとぎ話に出てくる魔女のような口調で凄みを効かせた。
一瞬の寒気の後に、…ゆっくりと考え直した…
「なにそれ都市伝説か何か?」
「都市伝説なものですか!早苗ちゃんだって、彼氏とラブラブみたいだし…」
「へっ?そ、そなの?」
「そうよ♪さぁ、とけないうちに召し上がれ♪」
「は〜いって!?…ママ…私…相手がいないし…そもそも私一人で食べるし…」
「あら?そうだったの…では、私と一緒に食べる?」
「いくらママが美人でも結構です」
「そうですよ!それなら私が頂きます!」
突然背中越しにかけられた声に驚きながら、私は思わず振り向いた。
「早苗…?あなたバイトは、ど…?」
と、言いかけて、私は固まった。
早苗の横に健二さんが立っていた…。




