十八話 一人ぼっち
私は駐車場で彼を待っていた。
会計を済ますだけの彼はなかなか現れなかった。
私は自分の車と彼の車の間で交互の車を見比べながら、どうにかもっと彼と仲良くなれないものかと、考えていた。
出来たら…恋人になれないかな…恋人?ノミの心臓の、見た目格好いいけど…頼りなさそうな彼…を恋人かぁ…恋人ねぇ…
私は確かに彼の事が気になっている…自覚もある…………やっぱり、あれかしら…私の正体と言うか、AV女優ということを知っていても、それでも、普通に接してくれたから?…まさかソッチに余り興味がない…いや…興味がなかったら、業界でも、そこそこの人気しかない私の事を知るはずもないし…猫を被っていて…親密になったところでセフレにでもしようとか?
でもセフレにしようとか考えてる相手のサインとか普通は欲しがるはずもないわよね…
思いきって私からハニートラップを仕掛けちゃおうかしら…
ついでに、既成事実をネタにいただいちゃうとか…
でも、それじゃ私からセフレになるようなものよね…
いくら体を重ねたって…心のない営みは…仕事だけで十分…
ただ行為をする事は嫌いじゃない…何て言うか…いま、生きてるって感じがする…
ただ…それが終わった後の心地好い疲れのその後にやって来る…なんとも言えない…む…な…し…さ…
急に襲ってくる一人ぼっちな…あの感じが…どうしても嫌だった。
そう、もう一人ぼっちは嫌…
私はそんな事を思いながら彼が来るのを待った。




