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十四話 惚れ薬
彼の顔…記憶できたからしら…
私は彼の顔をしっかりと脳裏に焼き付けた。
「…」
微かに彼の息が私の指にかかる。
温かくて心地よくて、少しくすぐったい…
今指を避けたら、私はそのまま唇でその温かくて心地よい彼の吐息を独り占めしそうだった。
彼の唇はその体の中に続く入り口…そこを私が唇で塞ぐ事は、きっと彼の全てを占領したいという欲求の現れなのかもしれない…
しかし、何で急にそんな気持ちになったのだろう?
イチゴパフェの中に惚れ薬でも入っていたのかしら…
こんな気持ちになるなんて…
待って…今、私惚れ薬…惚れ…る…惚れてる…
私が…?
誰に…って、目の前の彼よね…
顔立ちは確かに整っていて…でも、顔形の好みで言ったらもっとたくましい方が好みのはずなのに…
どうして…
私は彼を好きになっている理由を探しだそうとしていた。
「お待たせいたしました」
私の鼓膜に突然、聞き覚えのある声が届いた。
「えっ…」
振り向くとそこには如何にも、無理につくった笑顔を両面テープか接着剤で強引に着けた早苗が立っていた。




