ティアラ状態異常?(2)
物語というものには、必ず順番が存在している。
事象を連続して並べただけでは、やはり物語とはなり得ない。主人公の成長、強敵との遭遇、親友との死別―――
こうした『展開』があってこそ成立するのが物語だ。
このような、物語の『流れ』。それを事前に読んでおくことのできるアイテムが『ストーリー・チャート』だというわけである。
俺たちの物語は―――
「つ、次のダンジョンは……ラスボス戦……?」
ちらりと見えてしまった、異世界転移の結末。他にも、多数のダンジョンがあるこの異世界―――
あまりにも多くの選択肢があるこの異世界攻略において、俺は『ストーリー・チャート』による最適ルートを見た―――というか見えちゃった。
あまりにも早すぎやしないか。王道もクソもへったくれもない。
普通なら、このあとティアラを回復させ、新たな仲間の一人でも迎えて、そいつがラスボスに関する情報を持ってたりなんたりして、少しずつこのゲームの黒幕についての情報が明るみになっていく高揚感に胸を躍らせる―――みたいな展開があると思ってたのだが。
ティアラの状態異常(?)を回復させるべく起動させたストーリー・チャート。
ちょうど俺たちが今いる場所の攻略法、ドロップアイテムの種類、敵のレベルなど―――さまざまなことがらを示したページの隣には、あまりにも唐突すぎる『次のダンジョンはラスボス戦だよ〜』との情報が。
―――まあいいや。とりあえずティアラを回復させる方法を調べないと。
俺は、隣で『早く魔法ポーション〜欲しいよ〜』と、のたまうティアラを横目に、チャートを操作し続ける。
「―――あった。モンスターの情報……『弓兵の矢には、毒が塗られているため、注意』」
なるほど。おかしいと思ったら、魔法ゲージの不足による異常ではなく、弓兵から『毒矢』の攻撃を受けたことによる状態異常だったわけか。
「……おお、可哀想なティアラ。すぐ治してやるからな」
すぐ隣に、毒から復帰させるための情報が書かれていた。
「ふむ……『口づけで、毒を吸い取る』……か。なぁんだ、簡単じゃん! はっはっはっは……」
無理じゃん。




