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スキルなどなど面倒なので《壁抜け》で異世界攻略してみます!  作者: にっこりバイアス
第3章 ストーリー・チャート使ってみよう
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ティアラ状態異常?(1)

 と、ポップアップに変化が。今までは、薄暗い光を放出するだけで、何ら反応を示すことのなかったポップアップ。


 それが―――


 『変更完了! サーバーと通信しています……』との表示に変化している。おまけに、無駄にぴかぴか光る電光オプション付きだ。中世風石畳の上に、無造作に落っこちているネオン街顔負けの光を放つポップアップ。


 一定の時間を置くと、またも表示が変更された。と、同時にお目当て『ストーリー・チャート』がドロップ。こんなに上手くいってしまっていいものなのだろうか。


 『ストーリー・チャート』というアイテムが本当に存在するかどうかということですらも、正直なところ運命の女神へ願うしか無かったわけだが―――ティアラによれば、これさえあれば異世界攻略を効率よく進めることができるらしいので、素直に嬉しい。さっさと攻略だ!


 俺は、攻略する必要の無くなった塔型ダンジョンの前で、魔法ゲージ切れで動けないティアラに再び肩を貸した。


 ここからは、色々とショートカットにショートカットを重ねて、一刻も早くこの異世界から脱出しなければ。



「ティアラ見ろよこれ。ポップアップ書き換え作戦が、どうやら功を奏したらしい―――『ストーリー・チャート』だ! じゃ〜ん!」



 異世界攻略の糸口が見えたことで、やや興奮気味の俺に対し、ティアラは微動だにせず、俯いたままで俺に体重を預けてくる。


 おかしい―――魔法ゲージは、体力ゲージと違って時間経過でも漸増する。


 だから、俺がポップアップをいじくり回している間にもティアラの魔法ゲージは微妙に回復し、状況は良くなっているものと予想していたのだが……



「お、おい大丈夫かティア……」


「う、うへ……良かったねぇ……冬太ぁ……」



 誰?


 ―――やはり、どうも様子がおかしい。


 そもそも、彼女は『良かったねぇ』などという言葉遣いはしない。いや、それ以前に俺を名前では呼ばない。大抵『おじさん』呼びである。失礼だ。


 熱を帯びたティアラが肩へともたれかかって来る―――ただごとでは無さそうだ。風邪か? 風邪なのか?


 早速、ついさっき手に入れたアイテム『ストーリー・チャート』を使ってみる。丸くて、ぷにぷにとしたエネルギー状のそれに触れ、メニュー画面を呼び出す。


 ティアラによれば、このストーリー・チャート―――『ゲームで言うところの攻略本のようなアイテムらしいですよ』……とのことだった。


 現在のティアラが、例えば何らかの魔法や状態異常によって熱にうかされている状態ならば『ストーリー・チャート』を使うことで、対処法を見つけることができるかもしれない。


 あらためてストーリー・チャートを起動すると、中世風の世界観にはそぐわない、デジタル表示の文字列がホログラムとして出現した。手探りで、攻略本の中身を紐解いていく。


 ―――しばらく探していると『森を抜けた先〜二本のそびえる塔』という項目が。これだろ。俺たちがたった今攻略してる地点。

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