斧と弓の戦士たち(3)
斧兵のアックスによる、猛烈極まりない突きが俺の胴体を直撃―――よもや膝を付いて謝るしかないと思われたその時。
俺の右方向50メートルほどの位置から、なんかキラキラした水色のエネルギー弾のようなモノが不思議な軌道で飛翔してきた。
むにゅんとしたそいつは、降り注がれたアックスと俺との間に間一髪で割り込んできた。突き技として放たれたアックスの色は、いつの間にか金色から変化している。
飛び込んできた水色のエネルギーは、俺たちの間で一際眩く光ってから―――
翡翠色の光をまとった斧を弾き返したのであった。
咄嗟に、それが飛んできた方向を見つめる。そこにあったのは、やっぱりティアラの姿であった。杖をこちらに向けている。
「何してるんですかこの下手くそ! ちゃんとパリィしてくれます? ふざけてんじゃないですよ! だいたい何処見てゲームしてんです!? 斧兵の攻撃パターンはほとんど同一でしたよね? なのに回避できないとかマジで終わってますけど! 終わってますけど! そもそも回避だけに専念―――いや回避しかできない状況の癖して、どうしてそれすらもまともにこなせないのですか?」
「えええ!? ひどいよ!」
ティアラ……君ってやつは、まさかゲーム中にミスした仲間に対して、人が変わったように責め立てる輩に分類されしゲーマーなのか? いや俺が悪いけどさ。
しかしだ。
いくらか年下のティアラから、こうまで言われて黙っているような俺ではないぞ。
前方には、ノックバックされた姿勢で大きく後退した斧兵の姿。
右方向には、ティアラ。対するは、またも数本の矢を引ききり、それを勢いよく放とうとする弓兵。どうやら、ティアラの方も楽勝というわけにはいかないようだ。
それもそのはずで、遠距離主体のティアラに対して、弓兵は背中に小さめの野太刀を背負っている。攻撃の合間を縫って、徐々にティアラへ距離を詰めて来る弓兵は、見た限り標的の半径3メートルほどまで近づくと、野太刀を振り抜くようだ。どうもそれが厄介らしく、ティアラは苦戦している。
差し込まれたその野太刀を避けるか弾くかすると、弓兵は大きく後ろへ飛ぶ。
―――その後、必ず翡翠色に輝く矢を真っ直ぐに放って来る。
その攻撃の持つ翡翠色のエフェクトは、斧兵の突いてくる攻撃のそれと同一色だ。つまり真っ直ぐ放たれる攻撃のエフェクトは、全て翡翠色?
それを見た時、俺はこの状況を体良く簡単にすり抜ける方策を見つけ出したのだった。
もうそろそろ決着です




