斧と弓の戦士たち(2)
ティアラが詠唱をし終えると、杖から光線のようなモノが発射され、それが弓兵の方に命中した。
緑色の鎧で身を固めた弓兵は、ティアラを感知すると翡翠色に輝く三発の矢を真っ直ぐ発射。ティアラはそれを見て直ちに上空へ回避。続けざまにこちらも三発の光線を射出―――って、何だこりゃ。
二人の戦闘に触発されたのか、斧兵も金色に輝くアックスを上段に構えた状態のまま、こちらへ地を這うように突っ込んで来た。
「ぎゃあああああああ! 待て、まだ『骨粉』の準備がだな……」
俺の悲鳴も虚しく、周囲に撒き散らされた骨粉たち。これを使って、再び処理落ちを発生させるつもりだったのだが、簡単にはいかせてくれないらしい。
振り下ろされた斧が、俺の目前へ叩きつけられた。
その影響で地割れが発生。俺と斧兵を中心とした、巨大な裂け目ができた。
こんなのまともに食らったら真っ二つになってしまう。そもそものレベル差が絶望的なのに、俺の火炎放射器はどうして使用不可能になってしまったんだ。勝ち目がないじゃないか。まさかこれも負けイベントなのか?
しかし、斧兵がティアラの方へ向かってしまわないように、タゲだけは取っておかなくてはならない。その辺にある石ころを投げ付け、ひとまずは目的達成だ。
―――とは言え、攻撃手段のない俺は、ティアラが弓兵を倒してくれ、さらに俺の方を手助けに来てくれるまでは逃げ回ることしかできない。
ティアラが相手取る弓兵の体力ゲージは、未だ三割ほどしか減少していない。対して、さっき斧兵の攻撃がちょこっと掠っただけの俺の体力は、既に六割減。
そう簡単に壁抜けを使わせてもらえるワケでもないし―――どうしたもんかな……
考えていると、今度は斧兵のアックスが翡翠色に輝き出した。マズいのでは? これ、マズいのでは?
一秒ほどのインターバルをおいて、斧兵は輝くアックスを真っ直ぐに突く攻撃を仕掛けてきた。鍛え上げてきた動作―――スクワットの動きで、何とか攻撃を避け続ける。
しかし、攻撃の回数が30を超えようという時に、先に限界が訪れたのは俺の足腰であった。
バランスを崩した俺の胴体へ、容赦なく襲い来るアックスの突き。今から壁抜けしたって間に合わない。これ死ぬやつ……




