表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキルなどなど面倒なので《壁抜け》で異世界攻略してみます!  作者: にっこりバイアス
第3章 ストーリー・チャート使ってみよう
29/46

激レアアイテム『ストーリー・チャート』(2)

 激レアアイテム『ストーリー・チャート』がドロップするらしいモンスターの寝ぐらには、比較的簡単に辿り着くことができた。


 道中、レベル差が30もあるスライムみたいな魔物たちに何度か襲われたが、火炎放射器でことなきを得た。


 でもなんか可哀想だ。気持ち悪いスライムみたいな見た目の敵ならまだしも、今後めちゃくちゃ可愛い動物型モンスターとかが襲って来たら、対抗できる自信がない。


 もちろん、レベル差がどうとかそういう話での意味合いでもあるのだが、シンプルに可愛い犬とかに火炎放射なんてできるワケない。


 ―――そういう類のモンスターが出現したあかつきには、戦わずして逃亡しよう。そもそも、目的は『ストーリー・チャート』とかいう攻略本みたいなアイテムの回収なんだから。別に経験値集めをしに来たワケでもあるまいし。



「何をボーッとしているのですか? さっきから、私の問いかけに一切応じませんが」



 いかん、ティアラの話を無視してしまっていたらしい。


 俺は、高いという言葉では表現できないほどの高さを持った塔型ダンジョン『グレート・チョップスティック一号棟』の前に並んで立ったティアラの方を向いた。



「すまん考えごとしてて……どうした?」



 昨夜、洗浄に便利だという水属性魔法で洗濯を施していた『魔法使いのローブ』の隙間から、青い目が見えた。



「この塔の名前からして、間違いなく二号棟もありますよね、このダンジョン」


「まあ『一号棟』って書いてあるくらいだしな……ちなみに二号棟は何処にあるんだろうか」


「全くもって分かりません」


「これは面倒だな」



 二人してため息を吐いた。


 ただでさえバカ高い背丈を誇るこのダンジョン。もしも『ストーリー・チャート』をドロップするモンスターが、どちらか一方にしかいなかった場合……二択を間違えると、二度手間を食らうこととなる。


 一日や二日で攻略できそうなダンジョン……それこそ、先日の『地下』みたいなのならまだしも、このダンジョンは一筋縄ではいかないだろうからなぁ……



「どうする? ティアラ」


「考えられる方法としては、一人ずつ『一号棟』『二号棟』へ入って、同時に攻略することですね」


「このダンジョンの推奨レベルは何だっけ?」


「43です。私は、さっきの森を抜ける中で経験値を手に入れましたので、推奨を超えていますが……おじさんは15周辺ですよね」



 お恥ずかしながら、俺のレベルは12である。多分、一人でこのダンジョンを攻略するとなると、間違いなく5分ももたない気がする。


 しかしだ。俺は高難易度ダンジョン『地下』を、単独クリアしている。『地下』の推奨レベルは、確か75。火炎放射器(無限燃料)とボス部屋処理落ちの恩恵にあずかった形とは言え、あれを突破しているのだから、何とかなるだろう。


 そもそも、二人で一緒に一棟ずつ攻略していては、とてもじゃないが来月にある綺羅羅ちゃんのライブに間に合わない。



「ティアラ。悪いが、俺には来月、絶対に外すことが許されない用事があるんだ。それに間に合わせるために、分裂攻略作戦といこう」



 俺の言葉を聞くと、ティアラが『え……』と言ってこちらへ振り向いた。



「奇遇ですね。私も来月に外せない約束があるんですよ……」



 なるほど、それであんなにダンジョン『地下』の攻略法を知りたがっていたのか。


 にしても、ゲームの序盤であんな推奨レベルの高い負けイベントに挑み続けるティアラって―――


 一体、どんな大事な約束をしているんだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ