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スキルなどなど面倒なので《壁抜け》で異世界攻略してみます!  作者: にっこりバイアス
第3章 ストーリー・チャート使ってみよう
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激レアアイテム『ストーリー・チャート』(1)

 何の素材で造られたのかも分からない、高くそびえる塔。


 そこが、本日の俺たちが目指すダンジョンだ。


 ―――そびえる、という説明だけでは不十分な可能性もあるため、一応追加で解説をしていただこう。ティアラから。



「高さは2670メートル。階層数は856―――その頂上に、アイテム『ストーリー・チャート完全版』をドロップするモンスターがいるとか、いないとか」



 ストーリー・チャートというアイテムの存在は、バグの申し子こと俺さえも知らなかった。


 転移、周囲の散策を終えた転移直後の俺は、正規ルートたる他の道のりを避けて壁抜けをし、魔王城へと到達した。


 しかし、ゲームのプログラムが感知した『俺のバグ使用』。全てをショートカットしようとした俺に対して、プログラムはミアというNPCをあてがうことで、おかしくなってしまったストーリーの辻褄を合わせようとしたのである。


 そんな中で、不器用ながらも正規のストーリー開拓を続けてきたティアラ。彼女は、最短で最後のダンジョン『魔王城』へ向かった俺とは異なり、有意義な情報を幾らも入手していた。


 時折、高い木の隙間からこちらを窺う謎の目線モンスターたちによるものがチラつく森の中を歩く俺。その後方10メートルほどの位置を着いてくる魔法使いティアラ。


 何故だか、低級装備、低レベル、そして低戦闘センスの三拍子揃った俺を、モンスターたちが襲って来ないのには、背後にいるティアラさんの存在が大きいのだろう。


 基本的に壁抜けのみで、窮地を脱したり、かわしたりということを繰り返してきた俺とは異なり、ティアラには『ジョブ』が与えられている。しかも魔法使いだ。かっけー。


 そのため、転移してからの10日余りでティアラのレベルは37にまで達していた。ちなみに、俺は11だ。


 絶対に君の方が戦闘的な面で有利だよね。俺なんて、襲いくるモンスターを壁抜けすることくらいしかできないよ?


 何しろ、今俺たちが歩みを進めているこの森とて『ダンジョン』の一部。開けた場所にあるものも、この異世界では『ダンジョン』判定らしく、場合によってはその辺にある通路やら道でさえも、モンスターの寝ぐらとして押さえられている―――ということもあるようだ。


 俺が『ティアラ、君が前歩いてよ』と情けなく、男らしくもないことを言うと、魔法使いは『何言ってんですか』と、俺に刺すような視線をくれた。



「自分のアイテムストレージの中に何が入っているかも把握していないんですか? そんなんだから腹筋がへにゃへにゃなんですよ―――昨日、私と共有したおじさんのバグについて思い出してください。その話には……」



 ティアラが怪訝そうにそこまで話すと、俺の脳内に()()の存在がよぎった。


 ―――すっかり忘れていた『火炎放射器(無限燃料)』の存在が。


 そうだった。前回は色々あってバグ火炎放射器使えないでいたけど、今回は違う。

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