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ちょっと世界を救ってくる〜神さまに保険で雇われた業界人はとんでもチートで無双する!現世と新天地を縦横無尽に飛び回る保険救世主の物語  作者: opocho


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ツバメたちの偉業



クルマを直したあと、改めてその時の話を詳しく聞いた。


まず結論からいうとツバメは私と同じ日本ではなく、「違う日本」からきた人物だ。

ブラウから聞いた話ではその出来事は今からもう何十年も前の出来事だ。

そして、私の世界にそのようなモンスター騒動はなかった。

おそらく世界線は多重構造なのだろう。


モンスターの伝承があるのも、また神隠しといった出来事があるのもきっとそういうことなんだろうな。



それにしてもすごい人だ。

自分の世界を救うだけではなく異世界も救うなんて。

混ざる世界がどちらかの侵略ではなくお互いの不幸だとすぐに見極めて両方を救う手立てを考えたそうだ。


よくよく話を聞けばブラウも教科書に載っている偉人のひとり。

ツバメ世界の仲間たちとともにこの国の国王たちも一緒に困難に立ち向かったのだという。


魔王を倒し、ラスボスは悪魔だったそうだ。


「ってことはやっぱり国家的な企みではないんだな」

「今の国家は一緒に世界崩壊の危機を乗り越えた同志だ。有り得ぬよ」

「参ったな。アテなしか」

「あるとしたら、魔王や悪魔の残党だな」

「生き残りがいたってことか」

「またあるいは……ラスボスが別にいたかだな。まあその類のナニカだ」


魔王に悪魔。

最悪はその後ろにいた真のラスボスか。

ふむ。


「……って激ヤバじゃねーか!!!」


そんな奴ら相手にしたくないわ!


「そんな大したもんでもないぞ。ウミなら楽勝だろ」

「は? 魔王だそ? 悪魔だぞ?」

「あの時は流れでツバメが出て瞬殺したけどな。たぶんワシでもいい勝負はできたと思うぞ」

「マジ?」

「そこまでのやつじゃなかったな」

「ブラウはそうでもオレじゃ無理だよ」 

「だから手合わせをしようといっておるだろ。自分の強さを知っておくのは大事なことだぞ」

「何だよその言い方。なんか説得力あるのがズルいだろ。ブラウと戦うのは嫌だからな」


魔王だ悪魔だなんてのがチョロいはずないだろ。

……でも確かに取ってくる手段が姑息なんだよなあ。

意外とイケたりして。

いやいやあかん。 

異世界から早く帰ってあっちの世界を救うのがオレの身の丈に合った役目だろ。


「だとしてもどうするかな。帰る方法もわからないしな」

「ん? 来たばかりだろ? もう帰りたいのか」

「当たり前だ」

「何しに来たんだよ」

「いや、観光じゃねえし。来たくて来てねえから」

「そういやそうか。残念だが仕方ないな。そういえば異世界の転送装置なら持ってるぞ」

「は?」

「ツバメの仲間がくれたやつがある」

「ほんとか!」

「壊れてるけどな」

「なんで全部壊れてんだよ!」

「それに繋がってるのはツバメ世界だ」

「使えねえじゃんか!」

「理屈は同じじゃないか?」

「ぬ。確かに」


ウチの天才に送れば大きなヒントになるはず。 

転移装置をコピーさせてもらってアイテムボックスであっちに送ることにした。



「……というわけで頼んだぞ掛川くん。失敗してもいいように100個コピーしといたから」

「それはすごい!」

「ウミさんのクリエイトで直せなかったの?」

「理屈がわからないからかね。いくら想像しても無理だった」

「クルマは直せるのに」

「イメージできないんだよ。必殺の『どこでも転移〜」って歌いながらやったんだけどな」

「あららー」

「それだけ異世界転移は難しいんだろうな」

「大丈夫です! まかせてください!」

「頼んだぞ!」

「おいウミ!」

「ん? アキラか?」

「お前がいるのはこっちでいうアメリカの首都なんだよな?」

「ああそうだ。それがどうした?」 

「いや。別に」

「なんだよそれ。それよりそっちはどうなんだ?」

「歪みのペースはやっぱりあがったよ。でもジビエが抑えてるあいだにオヤジと親父さんがバンバン転移させてるからノーダメージだ」

「そうか! よかった。その調子で頼んだぞ」

「お前はそこでのんびり待ってりゃいいよ」

「そんなわけにもいかねえだろ。仕掛けたヤツを探すよ」

「……無理すんなよ」

「ありがとうな。大丈夫だ」



とりあえずあっちの心配はなさそうだな。

帰る手段もひとつ見つかった。

なんとかなりそうだ。


「なあブラウ。ツバメさんには会えないのか?」

「ヤツはもう神になったからな。あちこち飛び回ってるからあれから何回も会えてないな」

「すげえ。神になったんだな」

「お前も半神なんだろ?」

「実感ないけどそうみたいだな」

「まあワシも半神だけどな。ツバメファミリーもみんな神になったり半神になったぞ」

「え、そうなのか? なんか変わるのか?」

「何も変わらんぞ。長生きできるくらいだな」

「それだけなら良かったよ」



その日は王宮メンバーが私たちのためにキャンプを開いてくれてアーメリの名物料理をご馳走になった。

ビュッフェスタイルだったのだが、そこにはなんとカレーやラーメンなどこっちの世界の料理も並んでいたのには驚いた。

これもツバメたちが広めたそうだ。  


そういうことならクルマや武器なんかもありそうなものだったが、広めたのは文化的なものだけで、そっち方面の技術は意図的に広めなかったらしい。

ツバメ世界にも魔法に目覚める者は増えたそうだがそのスピードは何世代かかかるものだったそうで、お互いのバランスも考えたそうだ。


もちろんツバメ世界とブラウ世界はお互いに気楽に生き来できる環境だから、それぞれの技術や魔法を身近に体感はできるし、そういう特区も作ったらしいが、あくまでそれだけで、それぞれの世界観を大事にしょうという取り決めがなんとなくだけどあるらしい。


お互いに世界の危機を乗り越えたことで、かつてのような国家間の争いもなくなった。

なのでコソコソ新技術を悪用したり、利権に使おうとするような輩もそこまで多くはないという。

神の存在が証明されたからかと聞いたが、それもごく一部以外には伏せられたままにされているそうだ。


自然とそうなるなんてすごいことだ。

世界の危機を乗り越えればそんなことも成立するんだな。


うん。いいことを聞いた。

私たちが目指すのもきっとこんな世界だ。



「楽しかったよ。ありがとうな」

「まだ初日だ。アーメリにはまだ面白いところはたくさんあるからまあのんびりしていけよ」

「いや、やっぱり仕掛けたヤツを探そうと思う」

「……そうか」

「ここにいて迷惑もかけたくないしな。みんないいヤツばっかりだ」

「わかった。まあ止めんよ。なんかあったらいつでも転移で戻るといい」

「そうさせてもらうよ」


楽しいキャンプだった。

学ぶことも多かったしいい経験をした。

今日は休んで明日からのワルモノ探しに備えよう!



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