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ちょっと世界を救ってくる〜神さまに保険で雇われた業界人はとんでもチートで無双する!現世と新天地を縦横無尽に飛び回る保険救世主の物語  作者: opocho


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新展開になった



エンシェントドラゴンのシビエは私たちと一緒に新天地リゾートに住むことになった。


自宅を用意すると言ったけれど「親父殿と離れるわけにはいかぬ」と真剣な顔で言ってた。

涎を拭きながらだけど。

うん、やっぱり異世界のやつらはメシに弱いな。


翌日から彼は親父殿に古代魔法の授業をしてくれるようになった。

全属性がある私と伊東さんにもそれは強要された。


シシTVのプロジェクトからはいきなり離脱だ。


「すまないな。当面映画は任せるよ」

「はい! 任せてください! ある程度進んだら都度確認だけはお願いします!」


夜ごはんのあとは異世界の聞き取りだ。

これは私と親父、伊東さんに三花くんと掛川くんも加わる。


「ってことはこの環境は悪くないってことか」

『少し魔素が薄いくらいであるな』

「モンスターたちはどうだ?」

『不思議なくらい大人しいな。こんなに人間と仲良くしているのは見たことがない』

「やっぱりウミの加護か」

『知性も格段に上がっておるぞ』

「話せる個体も増えてるよな」

「知恵の実でも実ってるんじゃないか?」

「そんなわけないだろ」


伊東さんのこのつぶやきが正解だと判ったのはその言葉を聞いた掛川くんのその後の研究による。  

果物を食べ続けたものと食べさせなかったものとでは明らかに知能が違ったのだ。

ほんの1週間でその違いは明らかだった。


ちなみに知恵の実は私の好きな梨だった。


その後の調べで果物ごとに効果があることも判明する。


バナナは体力回復。

リンゴは怪我の治療。

その他の果物やキノコなど山の恵みはすべて鎮静化と魔素回復。

そしてなんと魚や貝、カニ、海藻など海の恵みは全回復だった。


「もうなんでもアリじゃない」

「すごいねー」

「そんなこと考えながら作ったんですか?」

「いや全然。なんか自然な思い込みなんだろうな」


3人と露天風呂に浸かりながらのんびり話す。

最近はみんなと遊んでないから毎日のお風呂を約束させられている。

なんだかんだ楽しみなのは3人には内緒だ。


「新天地がいい具合に進んでるね」

「ジビエの存在に尽きるよ。異世界一万年分の知識はデカすぎる」

「ジビエとお父さんに伊東さんの組み合わせ無敵だよー」

「三賢者ってところだね」

「それ。まさに三賢者だな」


毎晩こうやってみんなでお風呂に入っていろんな話をする。

最初は抵抗していたものの、そんなもん本当は楽しいに決まってる。

今では一日の締めにご褒美みたいになってる。


「はー、今日も疲れたな」

「おつかれさまだね」

「これどうぞー」


ミズホが持ってきたのはお盆に乗せた日本酒。


「おー、憧れのやつ!」

「前に言ってたからやってみたよー」

「ありがとう。これ夢だったんだよ」

「お注ぎしますよー」

「ちょっと待て!」

「「「?」」」

「露天風呂で日本酒とくるならこうだろ」


そう言って私は露天風呂の周りを一瞬で雪景色に変える。


「「「わあ!」」」

「露天風呂で雪見酒だ!」

「「「最高〜」」」


ミズホからお酌。

くいっと飲み干して次はユキナから。

そしてサチ。


女優と歌姫に超絶美人。

こんなもん楽しいしかないだろ。

最高じゃーーーん!


――――――


ということで気がついたら夜中だった。

どうやらまた飲み過ぎて寝かされたらしい。

隙をついてまた魔法を使われたな。


小言を言おうと隣を見るとベッドにいたのはユキナひとり。


「あれ?」


私の声にユキナが反応。


「うーん。……おはよう、ウミさん」


朝イチは人見知りになるいつものユキナだな。

まあまだ夜明け前だけど。


「ふたりはどうしたんだ?」

「んー、今日は別々だよ」

「へ? どうかしたのか?」

「やっぱりなあ。絶対ウミさん覚えてないと思ったんだよ」

「どういうこと?」

「今日からは毎日ふたりだけで寝ることになったんだよ」

「ええええ!」

「ミズホとサチはどうなるんだ?」

「ウミさんは私を選んでくれたよ」

「マジか」

「嫌だった?」

「いやなんていうか……そんなことないけどさ」

「けど、なに?」

「いや、一人ずつ順番にって話だったろ」

「それが良かったの?」

「そういうことじゃないよ。でもそう決めてたのにふたりが可哀想だ」

「そんなこと言われたら私が可哀想だよ」

「いやそういうんじゃなくて。ユキナのことはもちろん大切だ。付き合いの長さはユキナがいちばん長いしな」

「ならいいじゃん」

「良くないだろ」

「なんで?」

「こんなことになって本当はユキナがいちばん苦しいんだろ」

「……ほう」

「ほうってなんだよ」

「やっぱりなあ。さすがだなあ」

「はい?」

「「合格ーーー!」」


ミズホとサチがベッドの下から這い出してくる。


「なんだ!?」


ユキナが笑いながら抱きついてくる。


「最終確認でした! 合格おめでとう」

「なんだ?」

「明日から4人で暮らします。夜は日替わりです」


何言ってるんだ???


「ダメだ。ここは日本だ。そんなハーレムなんて許されないよ」

「「「ブッブーー!」」」

「は?」

「ここは日本ではありません」

「新天地だよー」

「異世界みたいなものです」

「!……へ、ヘリクツだ!」

「ここは日本かな?」

「……違います」

「ここはどこー?」

「……新天地です」

「なんのための新天地かな」

「……異世界の……ハグレたちの国です」

「ここはどこですか?」

「……………どっちかと言えば」

「「「どっちかと言えば?」」」

「異世界です」

「はい、よくできました」

「明日から4人で暮らします」

「夜は交代制です」


ハーレム生活が決まりました。


翌朝、朝ごはんの時にこのことが発表された。


「なんだよー! 負けた!!」

「ほらね、当たり前じゃないですか」

「アキラさんの一人負けです」


こいつら知ってたな。

しかも賭けてやがった。

アキラお前何に賭けたんだこのヤロー。


みんなから祝福されて親父からは夜に食べるケーキが披露された。


「何段だよ! ウェディングケーキかよ!」

「エンゲージケーキだな」


「「「「「「おめでと〜」」」」」」 


どうせこうなるのは確定だから準備していたらしい。

夜は婚約記念パーティーを予定しているそうだ。


やる気満々かよ。

楽しみだけど。


「3人同時の婚約とかファンタジー世界の貴族でもしないだろ」

「世界を救うんだからいいんですよ」

「しかもあっちの世界も救うことになるんやからな」

「世界をふたつも救うやつがなにしみったれたこと言ってんだよ」


まあ言われてみれば。

もういいや。

開き直ってやる。


「ありがとうな。4人で幸せになろう」


高らかに宣言して華やかな新生活がスタート。


………するはずだった。


その日の歪みで私は異世界に飛ばされたのだった。




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