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ちょっと世界を救ってくる〜神さまに保険で雇われた業界人はとんでもチートで無双する!現世と新天地を縦横無尽に飛び回る保険救世主の物語  作者: opocho


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掛川くんの才能



こっちから誘った話だけど、掛川くんは言葉通りにその日のうちにフルフルを辞めようとしたのでそれはさすがに無理があるということで一旦保留させた。


「私から汐テレの大谷さん経由でうまく移籍をまとめますから。ひとまずは任せてください」

「早くお願いしますね。もうやりたいことが止まらないんですよ!」


そう、彼のいいところはこのアグレッシブさ。

手綱は必要だけどな。


その後、私と一緒に周囲へきっちり筋を通した後、彼はフルフルを円満退職して、ウミクリエイティブの社員となった。

まあそもそもイベント以来、フルフルでもミズホ専任だったから既定路線といえばそうだろう。


あとはどのタイミングで秘密を打ち明けるかだな。


―――――――


ある日のこと。

私と一緒に掛川くんがミズホの現場に付いていた日に事件が起きた。


生放送の本番直前にミズホの音源データがバックアップごと飛んだのだ。


「どうするんだ!」

「CM明けまであと30秒です」


時間を止めて対処しようかと思ったその時に、混乱する現場をまとめたのは掛川くんだった。


「みんな落ち着こうか! ちょっと出しゃばるよ! ミズホちゃん、トークで一分だけ繋いでくれるかな。最悪アカペラで行くからそのつもりで」


大きな声で指示を出したと同時に、掛川くんはスタジオを飛び出して調整室へ駆け込んだ。

自分の携帯とスタジオのPCを繋ぐとものすごい勢いで携帯とPCを操り、あっという間に新しい音源を準備したのだ。


「ミズホちゃん、フェスの演奏なら流せるから対応できるかい?」


インカムからの指示にミズホはカメラに見えない位置でサムズアップ。

サインを見た掛川くんは矢継ぎ早に指示を飛ばす。

それを受けてアシスタントの女子アナが曲紹介を始めた。


「さあ今日は特別な趣向を凝らしてあの伝説のライブの再現アレンジでお届けします。ミズホさん、どうぞ!」


お見事。

何事もなかったように本番は進んでいったのだった。


番組終わり、スタッフから何度もお礼の言葉を受けながら私のクルマでスタジオをあとにする。  


「よくやったぞ掛川くん。助かったよ」

「かけっちありがとうねー!」

「いやー、間に合ってよかったですよ。うちの姫に恥をかかせるわけにはいかないですからね!」


それにしてもよくこの判断ができたものだ。

聞けばいま通常映像を立体化するシステムを構築中らしい。

最新技術の進歩は目覚ましいが撮影手順が面倒で時間のロスが大きいと思っていたそうだ。

なので過去映像をボタン一つで立体可視化できるシステムを自己開発しているとか。

似たような仕組みはとっくにあるのだが、彼は納得していないらしい。


「今時、AIで出来そうなもんじゃないか?」

「それだと違うんですよ。それはもう偽物です」


こだわりがあるんだな。


「いいだろう。これからはそれを仕事にしてくれ。作りたいものや思いついたものは全部オレに言ってくれ。許可を出した企画なら予算限度なしで自由にやっていいからな」

「ありがとうございます!!!」


その後、掛川くんは次々と便利なアイデアを持ち込むようになった。

まだ技術的には無理だが、理屈としてはいつかはできるはずというすごいモノばかり。


てかこれ、魔法使えば全部できるぞ。

そしてこの技術は世界を救うミッションに絶対に必要だ。

私はみんなの合意を得て掛川くんに秘密を打ち明けてファミリーに迎えることを決めた。


そしてすべてを伝えた日。

彼は涙を流して歓喜したのだった。


―――――――


「黙っていて悪かったな」

「これだけのことですから。そんなの当たり前です」

「これからも宜しく頼むぞ」

「任せてください!」


ファミリーの科学部門リーダーの誕生だな。


男部屋をひとつ増やして一緒に生活するようになってすぐに彼も覚醒した。


掛川 学

HP→50

MP→900

攻撃 →5

防御 →10

魔法→900

スピード→5

運→999


固有スキル/錬金術

【肉体強化】(微)

【魔法全属性】

【語学】

【コピー】

【構築】


こちらもバックアップメンバーらしい能力だ。

錬金術士か。ちょっと羨ましいぞ。

私は構築なんて持ってないし!


能力を使って彼が最初に完成させたのは「身代わりくん」だ。

これはなんとそこにいない人間を立体視で再現するシステム。

よほど近くで見ない限りは見抜けない。

もちろん触れないから実際に人前では使えないが、例えば生中継や生配信などなら対応できる。

これで世直し中のアリバイなんかに使えるぞ。


「こりゃすごいな! オートで動かせるようになったら完璧だな!」

「え、できますよ」

「嘘だろ?」

「こんなもんもう世にある技術なんですからね。自律できなきゃ意味ないですよ」


試してみたら本当にリアクションを返してきた。

まだ少しぎこちないけれどこれは大したもんだ。

その後は自動リアクション機能をより強力にする改良を重ねている。

個人独特の繊細な違いを完全表現したいそうだ。

いつかは質感も完璧な触ることもできるホログラムにするとのこと。

いや触れたらそれもうホログラムじゃないぞ。


次に歪みが発生した際は歪みのデータを取って歪みセンサーを作るのだと意気込んでいる。

ついでにハグレのセンサーも付けるのだそうだ。

本当にそんなことができるのならすごいのだがまあそんなに簡単にはいかないよな。


でも期待してるぞ!



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