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ちょっと世界を救ってくる〜神さまに保険で雇われた業界人はとんでもチートで無双する!現世と新天地を縦横無尽に飛び回る保険救世主の物語  作者: opocho


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クズばっかりだ



拡張を解いてから部屋を出て宴会場へ向かう。

長い廊下に賑々しい祝い花がずらりと並んでおり、その先に受付があった。


「北先生、北先生ね。どんだけだよ」


受付近辺には関係者がたむろしており、来場者を品定めするような視線を投げてくる。

この時点でなんかもうかなり気に入らない。


親父はそんな周りの視線などまるで気にせずに堂々と受付へと向かった。


「招待状をお願いいたします」

「ん? そんなものはないよ」

「え?」

「北くんに鈴木が来たと伝えてもらえますか?」

「え、あの失礼ですがどちらの鈴木さまでいらっしゃいますか?」


戸惑う受付の女性の様子をみてひとりの男が近づいてくる。

それを見たアキラが僅かにピリッとした空気を醸し、肘を当ててきた。

どうやらいきなり当たりか?

年齢的には例の違法捜査をしたクズ刑事だな。


「どうした」

「こちらのお客様は鈴木さまとおっしゃるのですが、招待状をお持ちではないそうで、北先生を呼んでほしいとのことで……」

「は? なんだよそれ。おいジイさん、ここは北議員のパーティー会場だぞ。なんかの間違いなんじゃないのか? ここには招待状が無いと入れないんだよ」

「知ってますよ」 

「ならさっさと出ていってもらえるか? ここはジイさんみたいな人が入れるような会じゃねえんだわ」


失礼すぎる物言いに思わず前に出そうになった私を手で制して親父は静かに告げる。


「もう一度言おうか? 鈴木が来たと北くんに伝えてもらえたら分かると思うのだけどね」

「は? ジイさん何言ってんだよ」


押し問答になりかけたところに、顔色を変えたスタッフが走ってきた。


「なにやってんだ!」

「あ、米田さん。いや、このジイさんが招待状もないのに……」

「克也さん、いいからどいてください! 鈴木総帥! まさかお越しいただけるとは思いませんでした!」

「やあ、米田くん。久しぶりだね。突然押しかけてしまってすまないね」

「すまないなんてそんな! 総帥にお越しいただけるならお迎えにあがりましたのに!」

「まあ、急に気が変わったものでね」


突然のVIP待遇に克也と呼ばれた男は青ざめる。


ついでに私たちもびっくりだ。

親父、そんな有名人だったのか!

鈴木総帥ってあの鈴木総帥だよな?

写真も見たことがあったのに全くイメージが繋がらなかったぞ。


「お、おいこのジイさんって」

「克也さん、お願いですから失礼は控えてください。この方は鈴木社長……世界の鈴木カンパニーグループの総帥ですよ? 経済界でこの方を知らないなんてありえません。なにやってるんですか!」


おお! 早くも胸スカ。

もっと怒られとけ。


おそらくはこの美人受付嬢にいいところを見せようとしていた男は顔を真っ赤にしている。


あ、いかん神眼、神眼と。


(なんだよこのジイさんがあの鈴木カンパニーの総帥だって? そんな大物が来るなんて聞いてねえぞ。やべえな、かなり失礼なことを言っちまったよ。パパに怒られちまう。とりあえずお詫びしとくか。許しを得ておけばなんとでもなるしな。面倒なジジイだぜ)


心の声もクズだけど、神眼が伝えてきたこいつのプロフィールがとんでもなかった。


小狡いやつで十分な悪党だ。

いくつも犯罪をやってるな。

横領に脱税、あ、クスリもやってんじゃん。

うわ、性犯罪もやってるのかよ。

あーあ。終わったなこいつ。


「鈴木さま、先ほどは大変失礼しました。セキュリティを統括している北の息子の克也です。任務に集中するあまり、あの鈴木総帥だとは気づきませんでした。どうかこの無礼をお許しください」


親父は頭を下げる息子には目もくれず受付嬢に声をかける。


「すみませんね、招待状も持たずに来てあなたには迷惑をかけました」

「い、いえとんでもない」

「では失礼します」


頭を下げ続けている息子を一瞥もせずに、親父は会場へ向かう。

先ほどの米田さんが先頭に立ち案内をしている。


完全無視されたことに壮大に狼狽えていたバカ息子も慌てて後を追ってきているようだ。


「す、鈴木総帥、あの私がアテンドしますから。先ほどのお詫びに、あのせめて……」


男がグイグイ詰めてくるのに対してアキラが体を入れて阻止する。


「あなたは結構です。あのような態度を取る者を総帥に近づけるわけにはいきません」

「そ、そんな」

「お下がりください」


おう、気持ちいいぞ。

こういう時に性格が出るんだよな。

お前は反省の前に周りの目を気にしてんのがバレバレでみっともないぞ。

バカ息子を放置して会場に入るとそこには大勢の人間が詰めかけていた。

立食パーティーでテーブルを囲むように人々が集まり、談笑をしている。


米田さんは最前列のテーブルへ案内をしようとしたが、親父はそれを断り、後ろの人が少ないテーブルに陣取り、我々もそれに続く。


やがて場内が暗くなり、音楽が鳴り響き、舞台袖からスポットライトを浴びながら北議員が姿を見せた。


おいおい。


「これ、資金集めのパーティーなんですよね? まるでディナーショーなんですけど」

「そこは議員の好みなんだろうね」

「趣味が悪いな」

「あの、資金パーティーってかなり揉めましたよね。やっていいんでしたっけ」

「党や派閥は禁止したところが多いね。でも個人は禁止されてないよ」

「えー、なんだよそれ」

「なんか変ですね。片方はダメで片方はいいって」

「ダメなものはダメでしょ」

「まあ今日は政治と戦うわけじゃないからな。そのあたりは国に任せようか。私たちはアキラのオヤジさんを助けるんだ」


そうだな。

まずは神眼で情報収集に努めよう。

北先生の胸の内はどんなもんかな。


(うむうむ。なかなかの客入りだ。こりゃカネもいい具合に集まりそうだ。今回は半分くらいは隠し資産に回したいものだな)


(いやあ資金集めは止められんな。非課税だしな。なんでこんないいものを世間の顔色を見て止めるとか言うかね。国を背負ってるんだからこれくらいの旨味はないとやってられんだろうに)


(それにしてもなんとあの鈴木総帥も来てくれたらしいからな。私はツイてるぞ。こりゃいくら儲けられるかわからんな)


(お、あれはいい女だな。あとで秘書にセッティングさせるか。ぐふふふ)


だめだこいつ。

こんなのがなんで議員になれるのか意味がわからん。

ま、おかげで躊躇なく懲らしめられそうだ。



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