File8 俺と大宮と勝負
麗奈と別れた後、俺は、圭介と教室で次の授業までのんびりと会話をしていた。
「そう言えばさ、お前修学旅行とかはどうするのさ」
「へ?そりゃ、勝ち上がったら、行けなくなるだけだな。間違いなく」
確かうちの学校は、例年通りだと2年の6〜7月頃に修学旅行があったはずだ。
だいたい3年になって来ると、進路の関係上忙しくなるからだとか...
俺達がもし、夏のインターハイまで勝ち残った場合は、基本的には学校に残って練習漬けだな
まぁ、先輩たちも一度は通ったって言ってたし、まぁ仕方ないだろう。
「マジで...学校側に頼んで、修学旅行の日程変更して貰えないかな。」
「コラコラ..」
わざわざ、そこまでして貰わなくても...
と圭介は案外とんでもないことする奴だからなぁ...
「まぁできるかどうかは置いといて、それにしても、こっから大変じゃないか。お前さんは...」
「何が?」
「軽く調べたんだけどよ。お前の言ってた奴ってここ1年で急成長を遂げた麒麟児って奴だろ?」
「まぁ、そんな感じだな」
その通りだ。
現に、奴が通っているのは、テニスの名門と呼ばれた霊帝学園と呼ばれた所がいる。
俺に勝った大会で、推薦で学校に行ったそうだ
しかも高校でいきなり、レギュラーを勝ち取り、徐々に名声を勝ち取っていき
しかもその大会に初出場し、そこで昨年の王者を倒したらしい。
「相変わらず、王道を進んでるね。君の宿敵は....」
「相変わらず、強いなぁ。あいつ」
だからこそ燃えるんだけどね、絶対に負けられないって感じがする。
でも、その為にはまだまだ強くならなくちゃならない。
それに...
「それに、そう簡単に次は負けねぇ」
「お〜お〜気合が入ってて、いいね。そんなことより、良いの?お前さんは」
「何が?」
「だって、このままじゃ、結局何もできずに卒業って事になっちゃうよ」
こいつが何を行ってるのか?と思ったが、直ぐに理解できた。
こいつさては、天宮さんの事を言ってるのか...
「...安心しろ。多分脈なしだ」
「い、いや...そんなことは無いと思うぞ。」
なんだ慰めてくれるのか...こいつ案外チャランポランな性格してる癖に優しいところもあるじゃ無いか
「この前...言われたんだ。不純異性・同性行為はご法度ですって...hahaha、そんな事を言われたら、フラれたようなもんじゃ無いかいセニョリータ」
「お前本当に恋愛ごとに弱いな。まぁ、面白いからそれで良いが、ちゃんと告白するときはしろ。そのときはちゃんと助けてやるから...」
「おう」
そして昼休みの時にある事件が起きた。
「お〜い、常盤〜お前にお客さんだぞ」
今度はなんだ一体。
またあの時のように天宮さんか...
そして俺の前に現れたのは、眼鏡をかけた七三分けの堅物そうな男だった。
あいつは見た事あるぞ。確か生徒会に所属していた...
「初めまして、常盤君。僕の名前は、2年で書記をやっている大宮昭紀というものだ。宜しく」
「こちらこそ宜しく」
どうやら一見礼儀正しそうに見えたが、それはほんの一瞬だった。
固い握手をした瞬間にぎゅっと力を込めて握られる。思わず離れそうになる程力が強い
「君のテニス部としての活躍は聞いたよ。だがしかし、それだけにどうしても許せない事がある。」
「許せない事?」
「僕はこの学園のすべての人間がライバルだと思っている。そして、それは君も例外なくだ」
「それは...どうも...」
「だが...君にも目的がある様に、今の私にも目標がある。それは生徒会長になって、天宮会長と添い遂げる事である。」
コイツ...急に何訳のわからん事を
「君の瞳を見れば、わかる。君は間違いなく、天宮会長に好意を抱いている。確かに彼女程、素晴らしい魅力溢れる人物はいない..だからこそ、私は彼女を妻にと願っているのだ。」
「な...何を言って...」
「だから、天宮君に好意を寄せる人間には絶対に負けない。君が例え、どんなにモテる人種であったとしてもね」
そうかい....要するにこいつ、宣戦布告をしに来たって事かい。
天宮は確かに美人さ。それは認める...でもな、俺もこの数年あいつのことを好きになった男の一人だ。
こんな案外ぽっと出に譲ってやれる程、この恋心は捨てれる様なもんじゃ無いんだよ。
「構わないさ。別にそれで...じゃあ何をかけて勝負をするのさ。あっちにもあっちの都合ってものがあるだろう」
「簡単な話さ、僕は剣道部に所属していてね。近々インターハイ予選が開催される。君も確かそのくらいの時期なのだろう?」
確か6月の上旬あたりだから、あと2週間足らずってとこだな。
「そんな事になったら、まず修学旅行へは確実に行けなくなるだろう。然し乍ら彼女を愛する者同士。彼女に目に見える形で貢献するっていうのが一番手っ取り早い手段だと僕は考えている。」
「まぁ、そこは否定しないが...」
そして大宮が俺の方に指を指して言った。
「だからこそ勝負だ。そのインターハイの予選で優勝旗を渡した方の勝ちと言うのは...」
「要するに、あれか?どっちが学園に貢献したか勝負するって事か?」
「そう解釈して貰っても構わないよ。」
「解った。その勝負受けてやるあとで負けを認めても知らないからな」
俺は堂々と大宮に宣戦布告をした。
勝負と言われたからには絶対に負けられない。俺は絶対に勝つ。




