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俺と後輩の珍道中  作者: 伊織
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File7 俺と 双子と将来の夢

興奮が止まらない

ここはあくまでスタート地点、長かった選手までの道のりは決して楽なものでは無かったけれど、初めてやって良かったと思えた。

準決勝は明日。オーダーはこの後の実力戦で決める。



「今日のところは負けたよ。...まさかあそこまで粘ったプレーを見せられたらね。」

「有難うございます。諒先輩」

「...しかし、お前が少しでも腑抜けた試合なんかしたら、即交代だからな。」

「絶対に手放したりしませんよ。」


それじゃあなと諒先輩と別れた。


俺は今日も学校でいつもの自主練をしようと思ったが...辞めた。

今日は寮の周りでロードワークにしよう。...先輩たちの為にも、絶対に勝つと決めて



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


次の日の朝

朝練は今日は休みだったのだが、すでに日課になっていて少し体を動かしてから制服に着替えて学校へと向かった

登校中に圭介と合流しながら談笑に浸った

内容は昨日の事が中心だった。


「礼治。レギュラー決定おめっとさん。いや〜まさかお前がねぇ、俺はビックリしたよ。去年見に行ったら全敗してたじゃん、お前。昨日見に行こうとしたけど、用事入って行けなかったんだよね。...見にいきゃあ良かった。」

「ふん、あのまま終わる訳にはいかなかったから..頑張っただけさ」

「俺の隣の新山なんて、隣の部屋でわんわんと泣いてたぜ。後少しだったのにって...」


そうか...今は無事に選手として選ばれたが、いつ奪われても可笑しくない状況なのは間違いない

現に先輩達も今の後輩達もかなりの実力者だらけだ。その中の代表として俺は選ばれた。

その人達の気持ちも一緒に運んでんだ。

...もっと気合い入れてかないとな



「そう言えば、昨日あの子に伝言頼まれたんだった。」

「あの子?」

「ほら昨日の双子の女の子の方だよ。」


あぁ、麗奈の方か?何か謝るような事されたっけ

その反応を見て呆れるように呟く圭介


「まさか...お前、昨日あんな事があって、もう気にしてないのか」

「別に気にしちゃいねぇよ。わざわざ応援に来てくれたし」

「へぇ、知らなかった。結局会わなかったのかい?彼女に。」

「...いや、会ってないな」

「なんか気まずそうな感じだったし、何かお前に伝えたいことでも会ったんじゃないか」

「ふ〜ん、とりあえず会ったら、聞いてみるわ」


互いに会話しながら、教室へと向かう。

下駄箱から教室に行こうとした瞬間、ヒョコッと麗奈が顔を出していた。

俺が振り向こうとするとサッと顔を隠すように逃げる

そんな光景が2〜3回も続くもんだから、思わずこっちから近寄った。


「さっきから何だよお前。俺と会った時の勢いはどうした...らしくもない」

「...い...いや、その何と言いますか...何を言えば良いのかわからない..と言いますか」


昨日の事を言いたいのか、それとも

コイツ、さては今までは強がってただけ?


「まぁ、ゆっくり話せや。それくらい待ってやる時間はあるからな」

「...あんまり、子供扱いしないで下さい...先輩」

「ハハハ、そうそうその調子...」


プゥと頬を膨らましながら、怒っているというアピールをする麗奈

何を悩んでいたのかとまるで肩の荷でも降りたかの様な感じで伝える。


「まずは...先輩、テニス部初レギュラーおめでとう御座います」

「何?お前、やっぱり観てたの」

「え...えぇ、たまたま応援してくれって女子の友達に頼まれて...」


そっか、コイツら男女共に人気がある奴らだからな

友達の応援として来たって可能性もあるのか、気付かなかった。


「で...でも、先輩もちゃんとカッコ良かったですよ。特にスマッシュ決めた所とか...」

「無理に褒めなくて良いぞ。」

「そんな事ないですよ。自信もって下さい。」


落ち着いて来たのか、随分とグイグイ来る様になったなコイツ。

でも...こっちの方がなんか素の姿って感じで好きだけどな

まぁ、


「後、昨日は私の作戦が全て裏目に出てしまったことの謝罪です...結局先輩に迷惑かけましたし」

「そんな事なら気にすんなよ。あいつらだって、多分ノリでやってたに過ぎないぞ」


現にあの親衛隊も勢いまかせな部分が多いからな...

うちの学校の奴らは少しでも面白いことが起きると判明すれば事件に関わる某小さな探偵並みに反応するからな

結構観ていて飽きない学校なのだ。


「先輩...私言いましたよね。私に夢があるって」

「あぁ、言ってたな。何だよ。それ」


麗奈は大きく息を吸い込みながら、言う。


「私達双子はハリウッド女優を目指してるんです」

「へぇ、凄いな。」

「そのためにこの学校で、元ハリウッド女優のアイリーン・アドラー先生の直伝のテクニックと伝手を貰う必要があるんです。」


麗奈の目は目を見開いて見つめている。

確かにこの学校はそういった様々な分野に精通してる人たちはかなり在籍しており、この学校を卒業したってだけで、かなりの箔がつくと言われている。


...羨ましいな。そういった夢があるってのは


「立派な夢持ってるじゃん。」

「...笑わないんですか?」

「逆に何故笑う必要があるの?無理だーとかいって欲しかったの?」

「...い、いやそういう訳じゃないですけど...」


もしかして、今の台詞を言って恥ずかしい思いをした経験をした事でもあるのかな。

確かにハリウッドなんて、かなりハードルの高い目標ではある。

でも、目標があるってのは、決して恥なんかじゃないと思うし、そういうのは大事にすべきだと考えてる。

叶わぬ夢だとしても、結局はどれだけ誇りを持てるかって事だしね。

驚いたような顔をして、こっちの方を見つめる麗奈


「初めて言われました。そんな台詞」

「そりゃ俺も初めて言ったからな」

「...いや、そういう理由じゃなくて...」

「でも、良かったよ。ちゃんと元気出てる姿みて。」

「へ?」


麗奈は呆けた顔でこっちをみた


「なんか、お前結構顔に出てるぞ。落ち込んでる時とか」

「あんまり自覚ないんですけど」

「まぁ、自分の顔なんて見られないしな、でも俺相手に演技できないようじゃ、夢への道のりはまだまだ遠いな」


俺がそう言いながら笑っていると、麗奈は顔をプゥと膨らせながら仕返しをするように言ってきた。


「...良いですよ。別に先輩だけが私の素顔を知ってくれるなら」


と言った瞬間、麗奈は顔を真っ赤にさせながら、走って行ってしまった。

...しかし、ビックリしたな、なんか体が熱いし、とっととここを去ろう

俺は急に熱が出てきた顔を隠しながら、その場を去った。

















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