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俺と後輩の珍道中  作者: 伊織
19/28

File19 ブルーインパルス

いよいよ始まるのか....

正直な話今まで見ていた側の人間だった物が、突如参加した。

これ自体は少しの不安とワクワクが同居してるような気分だ


ブルーインパルスは元々、地元の祭りの活性化のために考案されたものらしい

しかし、『勝負にした方が色々と盛り上がるだろう』という先代の会長さんの意向で、全員参加型の大会になったそうだ。

まぁ結果は大盛況。そのままの伝統を引き継いだらしい。


「いよいよ、始まりました。ブルーインパルス。今回も盛り上がって行きましょう。実況は私令成学園2年吉澤秋穂でお送り致します。」


吉澤さん、また懲りずに実況席にいるよ。

しかも前よりも随分ノリノリだし、もしかしてハマったの?

図書館司書は諦めたのかな...よく分からん


「今回ブルーインパルスの景品はこちら...『願いを一つ叶える』だそうです。何処かのドラゴンがいいそうな台詞を惜しげも無く、行ってそれを成功できる辺り、かなり派手なことが出来るそうです。」


まぁ、あくまで出来る範囲でだ。こんなの制限無しにしちゃたら収集付かなくなるしな。

でも実際はほとんどは叶えることが出来ると言われている

っていうか、その場のノリで決めちゃうか、予め何が欲しいかを書かれている。

受付の時に確かそれを書いたしな。

其れを基本全員の前で言うというのが前回の流れだった。


「それでは初めていきましょう!!先ずは第一ステージはこれだ。」


ウォォォオという歓声が鳴り響く。

その場に現れたのは、2週間前から設営されていたであろう

フィールドアスレチックの一つ『ドンキー』である。


「ルールは簡単。先ずは二人一組のチームを作り、そこで片方はクイズを解いて頂き、もう片方はアスレチックをこなしていくというルールです。制限時間内にゴールにたどり着けばクリアです。先着8チームが次のステージに進めます。」


つまり、正解のルートを辿れば、簡単なルートになるが、一つでも間違えると、一気にハードルが上がるって仕組みか。

こりゃ組む相手によって大きく左右されるゲームだな。


「それでは制限時間内に決めて下さい。」


二組となると合計で80チームになる。このうちの上位10% しか残れないとなると、今年もかなりハードルが高いな。

ってか、前回と違って、今回は協力するパターンなのか。

それじゃあ、俺は誰と組もうかな。

金次郎?それとも麗奈か?

と思い、二人を探すが、麗奈は弟の優希と組んでいた。っていうか、優希も出場してたのか。これまた意外だなぁ

こういうの好きそうじゃなかったのに

金次郎は見つからない。

...というか、水上さんと強制的に組まされていた。

部長も対戦相手となるのはちょっと怖いな。確か成績トップクラスだったし

その時、後ろからポンポンと肩を叩かれた。

振り向くとオロオロしながらも威厳を保とうとするお嬢様が一人。

彼女は意を決して、俺に話しかける。


「そこの君。私と組みません?」

「...丁度、炙れた所だから、構わないが、どちら様?」

「そうですわね。先に自己紹介を致しましょう。私の名は黒皇学院2年姫柊花蓮と申します。以後お見知り置きを」

「えぇと、じゃあ僕の名前は、常盤礼治です。こちらこそ宜しく。」


と言って互いに握手をする。

花蓮と名乗った彼女は黒髪がかなり似合う女性という印象が強い。

というか、黒皇学院の生徒さんだったのか。あそこは結構お嬢様学校だから、こういう俗っぽいところに来ない印象があったんだけど...


「良く、参加する気になりましたね。」

「えぇ、私とともに来るはずだった者が体調を崩しちゃって困り果てて...」

「じゃあ、無理に大会に出なくても.....」

「私は勝たなくてはならない理由がありますので...でも良かったです。頼もしそうなお方と組むことが出来て...」


といきなりギュッと手を両手で掴んできた。

この子随分パーソナルスペースが近いな

思わず手を握られたときなんかドキッと緊張したし


「じゃあ、俺がアスレチック担当をやるから、クイズの方よろしくね。」

「大丈夫ですか?かなりハードな内容と聞きましたが....」


まぁ、確かにハードだがだからと言って女の子に危ない真似をさせる訳にもいくまい。

それに、俺自身そこまで賢くないから、クイズなんて答えられる自信がこれっぽちも無い


「もしかして...クイズとか苦手?」

「そんな事はありませんわ。ただ、いつも危ない橋をわ垂らされるものですから拍子抜けしちゃって...」


危ない橋を渡らされるって...この子大丈夫か?もしかして俺ってハズレくじを引いたんじゃ...

まぁ、そこは信じよう。まずは信じてあげることが一番大事だからな。


「それじゃあ、頼むよ。相棒さん。」

「あ.....ハイ、宜しくお願い致します。」


と言って俺は親指を立てて大丈夫というアピールをした。

ブルーインパルスの第一種目は8つのグループに分け、そのグループのトップだけが次のステージに進める。

俺は第5グループに所属され、これまでを観てきたが、まぁ酷い。

そもそもトップと言ったがたどり着ける奴自体が、1チームしかいないようなものだから、恐らく攻略できそうかできなさそうかで判断を下しているのだと考えられる。

しかも、クイズはランダムに選ばれるため、深く狭くより、広く浅く知識を持ってる奴が有利だろう。

雑学王なんかいたら、有利以外の何物でもない。

そしていよいよ俺の番が回ってきた。


「じゃあ、行ってきますわ。」

「頼みます。無茶はしないで下さいね。」


なんか、調子狂うなぁ

俺が出場する第5チームには金次郎もいた。


「まさか、こんな形で戦う羽目になるとはなぁ。」

「そっちこそ。」

「ところで、お前一体誰と組んだんだよ?」

「黒皇の天然お嬢様」

「相変わらず、変な巡り合わせをする奴だな」


そうか?あんまり自覚が無いのだが、


「まぁ、負けはしないさ。部長はあぁ見えて、学年トップクラスの秀才だ。きっとクイズも余裕さ。」

「いざ、尋常にスタート」


俺と金次郎を含む第5チームは一斉にスタートした。


ーーーーーーーーーーーーーーー


先ずは、第一関門は突破しました。

花蓮は思う

正直誰かと一緒に来ようと思った理由はない。

最初から、彼狙いでわざわざ周りを潰すような真似をしたのだ。

全てはあの女『天宮平良』より私が優秀だと認めさせるため。

世間ではお嬢様学校の最高峰黒皇学園に所属していながらも、彼女の名は耳にする。

だから、彼女が所属する令成学園の生徒で運動神経のいいやつをスカウトしたのだ。


(今日こそ、覚悟しろ。天宮平良!!絶対にこのブルーインパルスの優勝は私が頂く!そして...その暁には...)


姫柊花蓮は静かな顔で、標的を見据える。

その為に私の手足となって、頑張ってもらうわよ常盤礼治くん


この時はただ人々は様々な思惑をのせる。

しかし、この時誰も気付いてはいなかった。

このブルーインパルスが想像もつかないような結末へと進路を向かう事に気付いたものは誰一人としていなかった。















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