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俺と後輩の珍道中  作者: 伊織
18/28

File18 合衆祭 開幕


あれから、恐怖のテスト週間が明け、夏休みへと突入した。

来月にはいよいよ、全国大会も近づいてきた今日この頃。

本格的に試合に向けて練習を行っている最中である

あの時の試合で勝てたのは正にラッキーとしか言えない。

全国はさらに激しい激闘になるのだから、できることをしっかりやりたいというのが俺の心情だ

しかし、その前に越えなきゃならない壁が一つだけある。


「約束しちゃったしな...」

「先ェ〜輩。お待たせしました。」


今日は麗奈との約束で、俺は『合衆祭』という祭に来ている。

7月最大のイベントで、県内の全ての学校が、この日を一年のメインにしている人も多いという。

まぁ、気分的にはアレだ。某名探偵の映画のように毎年老若男女楽しみにしている。

俺はこの年が来ると、楽しみにはしている。今年は大会が近いのか、楽しめるかちょっと不安にはなる。

そう考えていると、と後ろからポンポンと肩をたたく男が居た。

後ろを振り返ってそこに居たのはすでにお祭りを堪能している金次郎の姿があった。


「まぁ、全国前にリフレッシュするっていうのもありだろう。ずっと気を張っていても仕方ないしな」

「金次郎...お前、本当は祭を何の気兼ねなしに楽しみたいだけだろう。」

「...そんな事はないさ。俺だって、彼女の一人くらい欲しいなんて、全く、これっぽちも思っていないからな。」


...意外と欲望に忠実な奴だな


「それに今回も俺はブルーインパルスに参加するつもりだ。」

「お前...前も参加したの?」

「勿論!!お前は参加しないのか?今回は景品がかなり豪華だと聞いてな。正直全国の前哨戦の気分でさえいる。」

「へぇ、そうなんだ。だったら俺も参加しようかな。」

「それは助かる。なんせ二人組で組む時もあるからな。その時は是非一緒に協力しようじゃないか。」


へぇ、今年は協力して行うものもあるのか。去年は全部個人戦だったのに...

まぁ、テーマが友情とか絆なんだからおかしくはないか。


「OK、参加してみるのもありか。」

「よし!!もしお前と対戦することになっても手加減しないからな。そのつもりで」

「逆に手ェ抜かれる方が失礼だからな。全力でやらせて貰うぜ。」


と拳を突き合わせて、俺たちは別れた。


「...先輩も参加するんですか?ブルーインパルス」

「まぁ、結果的にそうなったな。」

「ふ〜ん。まぁ良いです。先輩のかっこいいシーン期待してます。」


そうだ。基本的にブルーインパルスは前半と後半で競い合うものが全く違うのも特徴だ。

確か...最初は肉体系で、後半がクイズ系とかだった気がする。

順序は逆転する可能性もあるが、正直どれがきても平等に全ての力を出し合って勝敗を決する。

それがブルーインパルス。


「まぁ、始まるまで時間は全然あります。それまで一緒に回りませんか?先輩」

「悪りぃな。お前のこと無視しちゃって」

「...その埋め合わせをちゃんとしてくれるなら、許してあげます。」


随分と優しいことで...


俺たちは祭りを一緒に回った。

何気ない会話をしながら街を回った。


「その前に何か先輩いう事はありますか?」

「浴衣じゃなくても良かったのか?」

「いや...そういう事じゃなくてですね...」


それもそうか。普通に考えて、ブルーインパルスに出るのに、浴衣じゃ駄目になるか...

俺もその辺の気遣いがまだまだだな。


「悪かったな。普通に似合ってると思うぞ。」

「先輩はやっぱり浴衣姿が見たかったですか?」

「まぁ...そりゃいつか見れれば良いなと思っただけだ。」


...何を言ってるんだ?俺は

コイツ...上目遣いが妙に似合うもんだから、つい突拍子も無いことを言っちまった。

普通に恥ずかしくいので、俺は目を逸らしながらも頷いた。


「そうですか...じゃあ、来年はちゃんと着て来てあげます。先輩の為に」

「うっせ...先輩をあんまりなめるな。」

「そういうことにしといてあげます。...あ、先輩。たこ焼き食べませんか?」

「お...良いな。じゃあ、若本君。たこ焼き二つ頂戴。」


俺は近くの売店で、たこ焼き屋を経営している、若本君の所に寄りながら、たこ焼きをせびる。


「随分と調子のいいことをするじゃ無いか。常盤くん。それは僕への当てつけかい。」

「馬鹿な。せっかく売り上げに貢献しようというのだ。感謝されこそすれ、怒られるような事は何もしていないはずさ」

「....お前は一生彼女ができないと思っていたのに、まさかこういう形で裏切られるなんて予想もしていなかったよ。」


いや、堂々と、女子の中に混ざろうとするお前もある意味勇者だと俺は思っているぞ。若本君

って行くか、普通に栄養価満点だし、頼りになる料理人だよ。彼は...

まぁ、彼曰く。料理部に入った理由は


「ギャルゲの主人公はみんな料理が美味いから」


と訳のわからんことを供述していたのだが、普通にもともとセンスの塊のような奴だからなのか、性欲だけでここまで来れたのか、かなり上手だ。


「まぁ良い。貴様ももしブルーインパルスに出るのなら、ちゃんと応援はしてやる。売り子として俺は周りに行くからな。」

「わざわざ、ありがとな。」

「ふん。お前だけだよ。ちゃんと評価してくれるやつは...」

「そんな事はないさ。」


そう、元々ここに来るやつは色々いるが、一年も経って何も身についていないなんてやつはいない。

そいつはまだ自分自身に気付いてないだけなんだ。


「先輩も色々あるんですね。」

「そうか?」

「だって、いろんな人に話しかけられてるじゃないですか?」

「ただ、俺が寂しがり屋なだけさ。」


麗奈は常盤礼治という男をを見ていて改めて思った。

この人かなり人望ある人なんだなぁと

正直、彼はこの祭りを見る限り、色んな人に話しかけられている。

女子から男子まで様々だ。


「礼ちゃん。この前は助かったよ。」

「礼治君。うちのミニカステラ食べて行かない?」

「ブルーインパルスに出るの?頑張れよ」


など私と一緒に居るのに、普通に彼に人が集まってくる。

彼はそれに合わせて、ハイタッチしたり、会話を楽しんだりしている。

多分彼が自主練をしている時とかに仲良くなったりしていたのだろう

正直それが羨ましい。

私が浴びたいと思っているスポットライトは多くの観衆に見られることが何よりも大事だと思っている。

それを目指すには、かなりの努力が必要だ。

しかし、今の私にはそれを浴びるだけの力がない。

少なくとも、今のこの状況では、私は先輩にすら劣っているのだ。

...だが、それが全然悔しいと感じない。

逆に何故か誇らしいとさえ、思うのだ。

理由はわからない。

ただ...この人のことをもっと知りたいなと改めて思ったのだ。

と思っていると、先輩がこっちの方を見てきた。


「なんか、悪いな。お前のことあんま構ってやれなくて。」

「いえ...先輩の周りってほんと賑やかですね。」

「悪いか?それ」

「いえ...羨ましいなって思っただけです。」

「ふ〜ん。まぁお前はこっからだよ。大事なのは積み重ねだからな。お前はまだまだスタート地点に立っただけだよ。」


と言って頭をくしゃくしゃされた。

相変わらずの子供扱い。多分まだちゃんと女の子として見てくれてるんだろうけど、恋人に対してというより、友達感覚に近い感じがする。

絶対に彼を振り向かせてみせる。

そのために私はこのブルーインパルスに参加するのだから

その時に放送が鳴る。


『ブルーインパルスに参加する方は、今から受け付けを始めます。中央広場まで集まって下さい。繰り返しおしらせします...』


とアナウンスが鳴り、先輩は私の方を見て頷いた。


「じゃあ、行くか。中央広場」

「えぇ、絶対に負けませんよ。先輩」


麗奈は決意を固めて、前を向く。

全ては彼に私という存在を意識させる為。その為に私はこのブルーインパルスに出場するのだ。


ブルーインパルスのを勝ち上がりあの特権を手にいれるために...














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