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俺と後輩の珍道中  作者: 伊織
16/28

File 16 私と先輩と一騎打ち

「私と勝負して下さい。天宮先輩」

「えぇ、こっちこそ負ける訳にはいかないのよ。氷川さん」


何故...こんな事になったんだ。

いつもの平穏な日々が、流れると思っていた。

現に、午前の授業までは普段通りの生活が繰り広げられていた。

だが...現実はかくも非常と言わざる負えない。

二人の美少女に火花が散っている。

俺はまさに慎重にならなければならない。

俺を見る周りの視線は、いつ爆発してもおかしくない地雷原

少しでもミスったら、まちがいなく訪れるのは...想像しただけでも恐ろしい。


こんな事になった理由はほんの少し前に遡る。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ヨォおめでとう。テニス部全国大会出場」

「おぉ、ありがとな。」


今日は月曜日だ。

月曜は1日の始まりとして、憂鬱になる時がある人もいるそうだが、

案外初日はまだ頑張ろうと言う気力がある。

...むしろ多分一番辛いのは水曜日だと思っている。いつの時代もなカビが一番きついと言うし

いつも通りの登校ルートを親友と一緒に歩いていた。


「そうだ。聞いたか?修学旅行は延期になったそうだ。」

「へぇ...なんでまた?」

「いやな...剣道部も、全国行き決めて他の部もガンガン全国行きを決めちゃうもんだから、ほとんどの生徒がいけない事になったかららしい。」

「ふ〜ん。じゃあ、秋頃に変更になったのか」

「そう言う事。良かったな修学旅行諦めなくて...」


こういうのを棚から牡丹餅とでもいうのだろう

その時期ぐらいだったら、まだ新人戦が始まる頃では無い筈なので問題はないと思う。

...まさかこいつがやったわけでは無いと信じたい。

まぁ、俺たち生徒からしたら、別にデメリットになるようなことでは無いので、万々歳なのだが..

俺は圭介の方をチラッと見たが、圭介は何事もないかの様に話を続ける。


「しかし、お前も全国区のプレイヤーになった訳だ。」

「正直あまり実感湧かないな」

「まぁ、今は案外そういうものさ。でもだんだん実感は現実となってくるものだぞ。」

「そういうものかねぇ」

「そういうもんさ。」


でも、正直いうと、ワクワクもしてくる。

今まで、部の奴等とは数多く戦ってきたが、日本だけでもまだまだ強いやつは沢山いる。

そいつらにも勝っていかなくちゃならないとなったら、練習にも熱が入るってもんだ。

俺は今回個人戦でも、出場が決定している。

個人と団体で戦わなくてはならないので、ハードスケジュールの様に感じるが

日程はずらしてあるので、割ときついのは最初だけって感じだ。

それに、団体で当たらなかったやつと対戦できるのは、不安半分、楽しさ半分と言ったところか。


「やばい...そう考えたら、練習したくなった。」

「まぁ、それは後でゆっくりやればいいとして、正直に言わせて貰うと、これから大変になるぞ。」

「馬鹿言うな。気分はまさに絶好調だね。今の俺に何も恐れぬものはねぇ」


その後、朝礼で校長の長ったらしい話を聞きながら、午前の部の授業を終えて昼休みに入った。

その時麗奈が俺の前に現れた。

「先ェ〜輩〜お昼一緒に食べませんか?」

「...ん?しかしな...」


俺は圭介の方を見たが、圭介は目で『俺のことは気にすんな。」とアイコンタクトを取る。

ここ一年で俺たちの間に言葉はいらなくなったのである。

俺たちはとりあえず、学食に向かう事にした。今日も彼女はあそこでお昼を済ませようとしていたらしい。

そうして、誘われたことだし、まぁ別に気にする奴もいないだろうとタカを括っていた。

正直に言うと、ここで断っておけば、何も起きなかったのだろう。

それが今の修羅場に繋がるとも知らずに...


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふん。結局、君は僕との勝負を拒んだと言うのかい?」

「別に、後輩とご飯食べるだけで、何故そこまで言われなければならない」


学食にいた、大宮と席をつき合わせながら、現実逃避をしていく。

正直何が起こっているのかは俺にも分からない。そして、大宮の野郎(この天然)も解っていない。

大宮がこの場にいたのは、天宮は珍しく弁当を家に忘れて来たらしく

折角だからと言うことで一緒にご飯を食べることになったのである。


正直俺はラッキーだと思っていた。

今まで知らなかった彼女のことを知る絶好の機会であると同時に

大事なチャンスを掴むために大事な事だと考えたからだ。

まぁ、一人余計な奴もいたが...


「そういえば、大宮から聞きました。先週の試合の件、おめでとう御座います。」

「あぁ....どうも」

「相変わらず、テニスは続けているのですね。常盤君は...」

「まぁ...続けてますよ。ちゃんと...」


うぅ...うまく緊張して言葉が出てこない。

俺ってこんな緊張しいの人間だったか...?

流石に慣れてるって感じなのかな。天宮は


「それに....可愛らしい彼女さんも連れて、まさに一石二鳥ですね。」

「ありがとう御座います。先輩にはいつも良くして貰ってます。///」


その瞬間、周りが一気に凍りつく。

大宮は鈍くさいのか知らんが、俺は前に似たような経験をしたから、よくわかる。

これはあれだ。まずいパターンだ。

いかん。このままでは俺の胃が...


しかし、そこは天宮グループご令嬢。動揺した顔さえ見せない堂々っぷり


「随分とモテるようになったのですね。常盤君?」


しまった...既にパンドラの匣はあけられていたのだ

手遅れな感じがもうどうしようもない。


「そんな事は無いですよ。こいつが勝手に吹聴してるだけで...」

「先輩ったら...そんな照れなくてもいいじゃ無いですか。」


もう麗奈さん。もうちょっと周りに気を使ってくれてもいいじゃ無いですかと言いたい。

でも、この空気が言わしてくれない。


「別に恥じる事は無いですよ。恋愛は別に悪では無いですしね...」

「じゃあ、天宮先輩は私達のことを認めてくれると..」

「それとこれとは話が別です。」


プゥと可愛い顔でブー垂れる、麗奈。

然し、そこは天宮。随分と華麗にかわす技術をお持ちで

...ってか、ちょっとムキになってる?

挑発するかのように攻め続ける麗奈と天宮

そして、そんな火花をちらせながら、結果は現代()に至る。


「これじゃあ、きりがないでしょうから、一騎打ちを天宮先輩に申し込みます。」

「望むところです。泣いて謝っても許さないですからね。」


もうちょっと、仲良くできなかったのだろうか。

そして、麗奈の一つ一つのセリフは確実に俺を締め上げ、そして学食のおばちゃんも観戦モードに突入し始めた。


「良いでしょう。その勝負俺が預かりましょう。」

「何やってるの?若本君」

「煩いぞそ、裏切り者。俺の名前は若本銀次。是非覚えていって下さい。」


コイツ、さては自分を売り込みに行きやがった。

随分と自信があるようだが、なんか勝負出来るようなものなんてあるか?


「直近に合同のお祭りの催しとしてあるものが開催される。」

「...若本。お前、まさか...」

「察しが良いな。礼治よ。そう、この勝負夏の大一番と言われた、大花火祭り『合衆祭』で毎年行われるブルーインパルスで勝負を決めましょう。」


「ブルーインパルス!? お前、あれがどんなに危険な代物か。解っていってんのか」

「えぇい。危険も承知。だからこそ競い合う意味が生まれるのだ。」


おいおい、あのイベントはまさに地獄そのものだぞ...

毎年、えらい目に必ず会うというあれに...


「そうですね。去年参加してなかったから、ちょうど良い機会ね。そこで相手してあげる。」

「上等よ。二度と逆らえない体にしてあげるから、覚悟なさい。」


こうして、麗奈と天宮の一騎打ちが最も派手な会場で開かれる事となった。

















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