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俺と後輩の珍道中  作者: 伊織
11/28

File11 氷川麗奈と決意

「...なんか偉い事になってしまった」


いや、勿論俺が悪い。全面的に俺が悪い

あの時ついカッとなってとんでも無いことをしたのは覚えてる。

思わず、つい勝負しようなんて言っちゃたからな。

然しあいつがかなり強くなっていることには間違いない。

残り2週間でどこまで強くなれるかは分からない

だけど、あいつにだけは絶対に負けたくないと思った。

これは嘘偽りない本心だ


「...先輩ってどんなタラシですよね?」

「なんでそう思うの?」

「だって、先輩。告白するんでしょ...天宮先輩に」

「まぁな。勝てたらだが...」

「それで私を守るとか、一体何考えてんですか」

「簡単な話さ。優勝するなら、彼奴には勝たなくちゃならない。お前がどうにも嫌そうな顔をしてたから、お前を守ってやりたかった。タダそれだけだよ。」


割とギザなことを言ってる気がするが、気にしない。

どうせ勝たなくちゃならないのなら、何背負っても構わない

俺がやるべきことはたった一つなのだから


「...然し、彼奴思ったより、めんどくさそうな奴だったな。昔からあんな感じなのか?」

「えぇ、多分悪い人じゃないんですけど...一々あたりが強くてうんざりしてるんです。」


麗奈は軽く溜息を零しながら、答えた。

まぁ俺も人のこと言えた義理じゃないので、なんとも言えないが...


「まぁ、全力は尽くすさ。でも、それでダメだった時は素直にごめん」

「まぁ、別に良いですど...ビックリしましたよ。なんで急にそんなこと言うのかなって」

「あっちは覚えてないだろうけど、こっちは一回負かされてるから、リベンジを果たしたいのさ。個人的には」


って何後輩に変なこと言ってんだ?俺

ムッチャ恥ずかしい。


「やっぱ...今の...忘れて」

「大丈夫ですよ。先輩なら」


麗奈が俺に向かって自信満々に言ってきた。


「お前、今の光景見てて言ってるのか?」

「安心して下さい。先輩が頑張ってるのは知ってますから、ちゃんと自信持って良いですよ。」


そう言ってくるりと後ろを向いた。

もう夜も遅いし、「送るよ」と言ったら


「お気遣いにのっかちゃいますね、先輩♪」


と気分良く歩いている麗奈と一緒に女子寮までの道のりを二人で歩を進めた。

その間に色々と話を聞いた


「学校は慣れたか?」

「まぁ、ぼちぼちですね。やっぱり刺激を受けるって意味でも、立派な学校だと思うし、明確な目標があるから頑張れるって感じなところもあります。」

「そうか、良かったな。」

「...先輩はどうですか?何か夢とかあるんですか?」


夢か....

昔からずっとテニスと関わって生きていきたいなとは思っている

なんども挫折しそうにはなったけど、やっぱりこれだけはやめられないしと思っている。

...だけど、やっぱりいろんな生き方を見ていたら、迷いも出てきちゃうってのも事実だ。


「俺はある程度の道筋は見えてるが、それだけって感じだな。お前ほどじゃないよ」

「そんな事は無いです。私は母の夢を叶えてあげたいだけですから」

「へぇ、親孝行者なんだな。意外と」

「...そんな事は無いですよ。それが母との唯一の繋がりですから」


こいつにも叶えたいべき思いってものがあるんだな

俺の親は生きてるからなんとも言えないが、もしかしたら、彼女たちには彼女たちの都合があるのかもしれない

俺に出来ることなんてたかが知れてるとは思う。


「困ったら、すぐに言えよ。俺にとって、お前は大事な後輩だからな。」

「...プゥ。そこは恋人って言わないんですか?先輩」

「お前な...また自分のFCが怒りそうなことをサラッと言うな。」


バット周りを見渡した。

...よし誰もいないようだ。あいつら冗談抜きでそこらへんに潜んでそうな感じするんだよな

そう思った瞬間、何かに見られたような感覚を覚えた。

...そんな訳はないよな。だけど、念には念を入れた方がいいな


「先輩?どうかしました」

「...いや、ところで、お前友達はいるか?」

「失礼な、ちゃんと居ますよ。」


そうか、良かった。

どの学校にも一人で孤立する奴は少なからずいるからな

...俺も最初の時期はそんなことばっかだったし。


「一応、投稿する時は友達と一緒に行くようにしろよ。」

「...? ハイ、分かりました。じゃあ、先輩先輩守って下さい」

「君、話聞いてた。」

「何馬鹿な事言ってるんですか?先輩と私の関係も立派な友達だと思うんですけど..」

「そうなのか?」

「...まさか、それより上の関係目指してます?私は別に構いませんよ。」

「まぁ、それは置いといて...」

「なんですか、もう」


プリプリとぶりっ子のように怒る麗奈


「大体、俺は部活があって朝早めに出なきゃ行けないんだ。」

「大丈夫ですよ。その辺は私も朝早くから、演劇部の練習があるので、問題ないですよね。」


ってか、麗奈のやつ、演劇部に入っていたのか

あそこは確かに、夏の予選の準備で忙しいんだったな。

まぁ目的地は一緒だし、仕方ないか


「分かった。ただし、少しでも遅れたら、ちゃんと友達といけよ。」

「分かってますって♪」


とルンルン気分で歩きながら、俺は彼女と別れた。

そして自宅に帰った時に俺は走って帰っていった。

少しでも強くなろうとする為に...



ーーーーーーーーーーー


これはチャンスだ。

氷川麗奈は思った

ほんとは先輩を後ろから尾行していたのに、まさか智のやつと会うとは思っていなかった。

でも、先輩のことを思うと胸がチクチクする。

まるで小さなトゲが無数に突き刺さっていくかのような感覚だ。


あの噂を聞いた時に、先輩が彼女をまるで子供が新しいおもちゃを手に入れたかのような輝きを放っていたことを知って、彼女がなんとなく、何か隠し事があるのは明白だ。

最初は大人しく身を引こうとも考えたが、やっぱり我慢が出来ない。


だか、しかし思いもよらない展開に驚いた。

なんと、智のやつと嶺二先輩に意外な共通点があったことを初めてしった。

そして、勝手に巻き込まれたことに私は憤りを感じていた。

...どうせ、先輩は私の気持ちに多少なりとも気づいているんだろうか?それとも、本気で女として見ていないのか

それは今の私には分からないけど。チャンスがことがってきたのに、拾わない理由は絶対にない


だから私は決意した。

絶対に先輩と寄り添い続けると、このチャンスを絶対にものにし、先輩のハートを射抜いて見せると

誰もいない部屋の中で、決意を固めるかのように彼女は寮の小さな部屋で、目標を掲げることにした


その決意は夜の月だけが、この後の結末を誰よりも早く知る事となる。













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