4話 ステータス
初投稿です。
よろしくお願いします。
《スキル「剣術」を取得しました》
さっきと同じように無機質な声が聞こえた。
俺は何かを期待しアノ言葉を唱えてみた。
「ステ―タスオ―プン!」
「・・・」
「ステ―タス!!」
「・・・・。」
「いでよ、ステ―タス!!!」
「・・・・・……汗」
あれ? おかしい……。
自信を持って唱えただけに残念である。
これじゃあ、とても痛い人みたいだ。
ここに俺しか居ないのが幸いだった。
すると頭の中に自然と鑑定という言葉が浮かんできた。その瞬間、無意識に自分に対して鑑定を掛けていた。
すると、半透明のボ―ドが現れたのだ。
名前:片山 進 30才
種族:人間
レベル1
HP F(-)
MP F(-)
力 F(-)
防御 F(-)
速さ F(-)
運 A
【ユニ―クスキル】
成長 ステ―タス成長2倍
【スキル】
超鑑定
剣術Lv1
レベルが1で、ほとんどのステ―タスがFになっている、運だけはAだ。鑑定に『超』があるのが凄そうにみえる。
俺は兎を倒した時にドロップしたナイフを鑑定した。
《鉄のショ―トソ―ド》
ソ―ド? これ一応、剣なの?
俺は超鑑定を使って自分のステ―タスやスキルを調べてみた。
判った事は、『超鑑定』は、鑑定の上位版でレアな部類に入る。ユニ―クスキル『成長』は、レベルの成長ではなくステ―タスが2倍成長するものだった。俺と同じレベルの人間なら俺の方が2倍強い。『運』は、ドロップ率が向上するのだ。
こうなれば、レベル上げが楽しみになる。
この後も慎重にダンジョンの通路を進んでいく。
通路の先に少し開けたスペ―スに辿り着いた。学校の教室くらいの広さだ。そこには2匹の兎がいた。
俺は兎に気づかれないように心の中で『超鑑定』を唱えた。
《角兎 F級》
うん。そのまんまだな。
俺に2匹が倒せるか!? 少し考えるが、気持ちは固まっていた。強くなるために行くしかない!
武器は木製バットからドロップしたばかりのショ―トソ―ドに変更してある。
不思議なことに武器を構えてみると剣の使い方が自然とイメ―ジ出来たのだ。当然俺は生まれてから剣など握ったこともない。これならどうにかなるかも知れない。
そうこうしている内に2匹の角兎もこちらに気が付き歯を見せながら俺に威嚇してきた。
「よし! 行くか!」
俺は角兎に向かいアノ技を試すか。
「スラッシュ!」
「・・・」
――何も起こらない……。
「必殺! かまいたち!!」
「・・・」
――何も起こらない……汗
「バカ……な!?」
少しの間硬直していたが我に返った。俺は忘れることにした。
離れた場所から剣を振ったが何も起こらずショックを受けていた。
角兎は、すでに俺に向かってきている。
剣を下段に構え、心を落ち着かせた。
『ギイギギ』
「おりゃ!」
『ギヤギャアア』
飛びかかる角兎を剣で受け流し、そのまま角兎の頭に剣を振った。角兎は頭を割られ、それが致命傷となり光の粒子となって消えた。
気づくと、もう1匹の角兎がさっきの場所からいなくなっている。
「ぐはっ! 何だと・・・」
突然、太ももあたりに強い衝撃を受け少し後方に飛ばされ尻餅をつく。
右足の太ももからは出血してしまっている。
「くそっ」
何とか動けるがこのままじゃ、やばい。
俺は剣を支えに直ぐに起き上がった。
剣を担ぐように構え体勢を整える。
角兎が俺に飛びかかってくるが、足に力が入らないため踏み込んで反撃出来ない。
何度か角兎の飛び込みを躱しつつ徐々にタイミングをはかっていく。
角兎の攻撃は、飛び込んだ直後に隙が出ることを掴んできた。
「今だ! どりゃアア―」
『ギグア・・・ギギイ』
角兎にうまく剣を合わせ相手の勢いを利用し両断することができた。
『パンパカパ――ン♪』
角兎が光の粒子となり消えレベルアップの音が頭の中に響いた。
残念ながら今回はドロップ無しだ。
俺は持っていたタオルで太ももを止血し、辺りに注意しながら慎重にダンジョンから脱出した。
何とかアパ―ト迄帰ることが出来た。
直ぐに傷口を消毒して少し強めに包帯を巻く。
「ふう――。 やっと落ち着いた」
少し落ち着いた俺は、今日の反省をする。
しかし、剣術スキルに助けられた。スキルが無ければ危なかったかも知れない。複数が相手の場合は逃げの一手も考えないといけないなぁ。そんなことを考えながら自身に鑑定を唱える。
名前:片山 進 30才
種族:人間
レベル2
HP F(-)
MP F(-)
力 F(-)
防御 F(-)
速さ F(-)
運 A
【ユニ―クスキル】
成長 ステ―タス成長2倍
【スキル】
超鑑定
剣術Lv1
レベルが2に上がった以外は、ステ―タスに変化が無かったのは残念である。まあ、角兎のドロップで巻物から剣術スキルとショ―トソ―ドをゲット出来たのは良かった。
ブックマ―クが2件に増えて嬉しい。
ありがとうございます。ペコリ